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 先週行われた佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問。大阪地検特捜部は今後、佐川氏本人から任意で聴取する方針のようだ。

 3月31日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した著述家の菅野完氏は「笑止千万。真っ先に尊ばれるべきなのは佐川さんの人権、その次に僕らが優先しなければいけないのは、なぜ国会が1年にわたって空転したのか。公文書改ざんという、近代国家の恥としか言いようがないことがなぜ行われたのかを明らかにしなければいけなかった。ただ佐川さんはご自分の再就職のために証言を拒否された。それは当然のことではあるが、今後のことを考えると、今回の証人喚問は茶番としか言いようがない」と厳しく批判する。

 一方、郷原信郎弁護士は「佐川さんが証言を拒否したことで、あとは刑事事件で解明するしかないじゃないかという話になるのは良くないと思う。仮に刑事事件で立件されたとしても、あくまで個人犯罪。判決が確定するのもかなり先の話で、真実はわからない。財務省の組織がどうだったかなどについては、やっぱり別の形で解明していかないといけない」と指摘。「“贈収賄になっていないではないか“という話もあるが、今回の問題はそういうことではない。行政が公正公平なのかという問題。大きな権力を持っている人の権力でなにかがねじ曲げられていないかということをチェックしていかないといけない」とした。

 もう一人のキーマンである籠池泰典氏は大阪拘置所に200日以上勾留され、弁護士以外の接見が禁止されている状況が続いている。詐欺事件の勾留の場合、原則10日間から最大でも20日間と言われている。

 郷原氏は「“人質司法“と言って、日本の刑事司法の一番悪いところだ。自白するのが当たり前だという発想で、悪いことをやっているのに自白しない人間は長い間勾留しておいてもしょうがないだろうという考え方だ」と話す。

 菅野氏は「何年も前から国連人権委員会に日本の司法の最大の問題だという指摘を受けている。在宅起訴でも良かったのではないかという議論もあるが、籠池さんが逮捕された事自体、詐欺をしたことは間違いないし、客観的な証拠もあるので、私は致し方ないと思っている。今、大阪拘置所にも小菅の東京拘置所の中にも不当な長期勾留にあえいでいる人がたくさんいらっしゃる」とした。

 また、自身が参加する、籠池氏の釈放を求める「FREE KAGOIKE」の活動について菅野氏は「長期勾留制度や人質司法はおかしいということを主張している運動。他の長期勾留は現在進行系のもっとエグい事件。籠池さんの場合は詐欺罪で、物理的に傷ついた人のいない案件。だから社会的に言いやすいというのもご理解いただきたい」と説明した。

 真相解明のために、司法と国会の役割分担についての議論もある。郷原氏は、国会に調査委員会を作り「ちゃんと権限を与え、調査能力を持った弁護士や専門家を集めれば事実解明はできると思う」とコメント。

 菅野氏は「ロッキード事件の時は裁判と同時並行で3年間にわたって特別調査委員会が設置されていて、ある程度の効果はあった。なぜなら自由民主党政権のままではあるが、田中内閣から三木内閣に変わっているから。新しい内閣だから新しい調査が始められた。それが政治的なけじめだ」「政治家個人の腐敗よりも怖いのは政治制度の腐敗だ。政治家個人はいくらでも腐敗していい。切ってしまえばいいので。制度が腐敗した時に我々がどうするのかが今問われている」と述べた。

 今後について、両氏はまず土地の売買交渉時に財務省理財局長を務めていた迫田英典氏に問いたださなければならないという認識で一致。さらに菅野氏は「国有地売却、公文書改ざん、なぜ内閣はこれらのことをコントロールできなかったのか。もっと言うと、なぜ内閣は組織としてファーストレディーをコントロールできないのか。この問題は必ず国会で検証されなければならない。これらの問題のほとんどに関与してるのは昭恵さん。だから昭恵さんに話を聞くのが一番早いじゃないかとなるのは当然だ」と訴えた。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!より』)