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 名古屋市立中学校での講演を文部科学省が調査していた問題で「時の人」となった前川喜平・前同省事務次官が21日、長野市で講演した。名古屋市立中への調査問題にも触れ、「個別の学校の教育について介入しないのが文科省の当たり前の感覚。あんな質問状を校長に送りつけるのは前代未聞だ」と批判した。

【写真】小、中学生らも参加して前川氏と討論する場面も。「学校で三権分立を習ったが、いまの政府は守っていると思いますか」などの質問が飛んだ=長野市若里

 森友学園の国有地売却問題に絡み、財務省が決裁文書を改ざんした問題で渦中の佐川宣寿・前国税庁長官には、「本当のことを言わないと苦しい」とエール。

 講演後の取材で、佐川氏にかけたい言葉はと問われ「本当のことを話すと、幸せになれる。本当のことを言わないと、やっぱり苦しいばかり。『佐川事件』なんて言われ方は本当に気の毒。本来はこれは国有地不当払い下げ隠蔽(いんぺい)事件ですからね。佐川さんの事件なんて言うのはおかしい」。

 佐川氏は27日に国会で証人喚問が予定されている。

 講演では「総理や官房長官だけでなく、官邸の周りをとりまく『官邸官僚』も含めて、官邸の力が肥大化している」と指摘した。

 名古屋市立中学校での講演を文部科学省が調査していた問題で、自民党の赤池誠章参院議員と池田佳隆衆院議員から文科省に照会があったことが明らかになったことについては、「文科省の役人が政治家の恫喝(どうかつ)に負けてしまった。跳ね返すことはむずかしくても、かわさなくてはいけない。情けない」と話した。(岡林佐和)