2018年3月19日10時17分
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森友学園の国有地取引をめぐる財務省による決裁文書の改ざん問題。参院予算委員会で19日、安倍晋三首相や麻生太郎財務相らが出席し、集中審議が開かれています。野党の追及に対し、両氏はどう答弁するのか。改ざん当時の理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問の実現は。論戦をタイムラインで追います。

首相、ヤジの社民・福島氏に目をやる(10:00)
 自民党の和田政宗氏は「財務省は官邸をだました」「政治が隠蔽(いんぺい)をこじ開けた」など、徹底的に財務省を批判し、政権を守る質問を展開した。そのたびに、野党席から「おいおい」「全く違う」「国民が笑っているぞ」とヤジが飛んだ。

 午前10時ごろ、財務省批判を続ける和田氏に、福島瑞穂氏(社民)が「総理の答弁を考慮し(て改ざんし)たんですよ」とヤジ。眉を寄せて険しい表情だった安倍晋三首相が、福島氏に目をやる。ヤジを注意して欲しかったのか、首相は斜め後ろの委員長席を向いたが、金子原二郎委員長(自民)は動かなかった。

財務省理財局長、自民からも追及(10:00)
 自民党の和田政宗氏は決裁文書の改ざん問題で、厳しく財務省当局を追及した。やりとりの中で、今回の国会審議で答弁に立っている太田充理財局長が、民主党政権時代に野田佳彦首相(当時)の首相秘書官を務めていたことを取り上げた。

 和田氏は「アベノミクスをつぶすために、安倍政権をおとしめるために、意図的に変な答弁をしているんじゃないか」と指摘。これに対して太田氏は語気を強めて反論した。「私は公務員としてお仕えした方に一生懸命お仕えするのが、仕事。いくら何でも、そんなつもりは全くない」

安倍首相「文書の存在すら知らない。指示のしようがない」改ざん指示を否定(09:25)
 「行政全体に対する国民の信頼を揺るがす事態になっており、行政府の長として責任を痛感している。最終的な責任は、総理大臣たる私にある」

 安倍晋三首相は19日午前の参院予算委員会の集中審議でこう答弁し、自身の責任を認め、改めて謝罪した。自民党の青山繁晴氏の質問に答えた。

 首相は一方で、「(財務省)理財局内や(近畿)財務局内の決裁文書など、私はその存在すらも知らない。指示のしようがない」と、改ざんの指示については強く否定した。

 首相は昨年2月17日、国有地の取引をめぐり、「私や妻が関係していたということになれば首相も国会議員も辞める」と答弁した。野党は、この答弁が改ざんのきっかけになったのではないかと指摘。首相はこれについても「(改ざんされた文言も)2月17日の答弁をひっくり返すような記述では全くない」と述べた。

集中審議、首相に直接質問 佐川氏の証人喚問も焦点
 森友学園との国有地取引をめぐる決裁文書を財務省が改ざんしていた問題で、3月に入ってから国会は混乱してきた。立憲民主党や希望の党、共産党など野党6党は、政府の対応に反発して衆参両院で審議を欠席。新年度予算案の審議に影響が出ていた。

改ざん問題、政府説明にほころび 首相答弁にも疑いの目

決裁文書の改ざん問題で、政府の説明に次々とほころびが出ている。安倍晋三首相の答弁にも疑いのまなざしが向けられる事態になっている。

 19日の参院予算委員会の集中審議は、16日に国会審議が正常化してから初めて、野党が安倍晋三首相に直接質問する機会となる。

 野党6党にとって、審議に応じる最低条件だったのが、佐川氏の証人喚問だ。しかし、16日の予算委理事会では佐川氏の証人喚問を求めた野党側に対して与党は応じず、「19日の審議で必要性を判断する」との立場を維持した。野党側が佐川氏の証人喚問の必要性について、いかに審議の中で訴えられるかも大きなポイントになる。(中崎太郎)