前・文部科学事務次官の前川喜平さんを囲み、社会に有意義な「批判」のあり方を考えるABCラジオの公開収録が大阪市内であった。
18日午後4時からの特別番組「谷口学園春のラジオ講座 〜愛のある(お)批判が世の中を変える!?〜」として放送される。

 コメンテーターとしても活躍する谷口真由美・大阪国際大准教授がホスト役の「学園長」となり、社会の課題を考える企画。
2月19日の公開収録では、前川さんのほか、伊藤史隆ABCアナウンサー、落語家の笑福亭松喬さん、北京五輪の陸上競技女子5千メートル代表の小林祐梨子さんも加わり、活発に議論した。

 社会を健全に保つための「愛のある批判」の重要性について、谷口准教授が問題提起。前川さんは「自己批判の能力がある人こそが他人を批判しうる」と言い切った。
次官退任後、「加計学園」の獣医学部新設問題で政権側の対応に疑義を呈した経緯に触れながら、「なぜ在職中に声を上げなかったのか、と文科省の後輩から言われた」と告白。
「その批判には、反省をさせられた」と述べた。

 そのうえで、官僚が政権に幹部人事を握られ、「首相官邸の顔色を伺う役人が増えている」と指摘。「もの言えぬ空気」が広がることへの懸念も口にした。

 終了後、前川さんは取材に対し、「『愛のある批判』が封じられることなく、安心してものが言える社会が非常に大切だ」。
谷口准教授も「政権サイドから激しい非難や人格攻撃にさらされた前川さんの言葉だからこそ、重く響くものがある」と語った。

朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/%61rticles/ASL3K0VW7L3JPTIL03G.html
2018年3月18日03時00分