河村市長「お上下々の象徴の事件」 文科省の報告要求に苦言
2018年3月16日 16時00分 中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018031690151730.html

前川喜平・前文部科学次官を招いた授業内容について、文科省が名古屋市立八王子中学校(北区)に報告を求めた問題で、
名古屋市の河村たかし市長は16日朝、報道陣の取材に「国が『俺らの言うことを聞け』ということでしょ。ちょっとやりすぎだと思いますわね」と苦言を呈した。

河村市長は、国が地方自治体の上に立つという意味で「お上下々(かみしもじも)」との表現を使い
「お上下々の象徴の事件が起きた」とし「教育委員会に『ひと言くらい(文科省に)言ったらどうだ』と言いますわ」と話した。

市教委の杉崎正美教育長も同日、報道陣の取材に応じ「開かれた教育の一環として行われた授業で、特に問題ない」とし、
「介入とは認識していないが、このような問い合わせは今まで聞いたことがない。文科省にはどのような意図なのか、あらためて聞きたい」と話した。

学校現場が萎縮するとの懸念には「こういうことが続くなら、現場はいろいろな思いを巡らせると思う」といい
「終わってから内容を聞いたが、いい講演だった。人選も特に問題なかったと思う」と述べた。

市教委は同日午後、文科省質問と市教委回答のメール計4通などA4判22ページ分を公開した。

前川氏の講演を聞いた中学校近くに住む男性(70)は
「不登校になった時の体験談や夜間学校の話など、子どもたちが学問する上での姿勢や態度を学べる素晴らしい講演だった」と振り返り、
「文科省が圧力をかけてきて心外だ」と憤った。

同校近くの女性(72)も「政治の話ではなく、中学生のための話だった。何で問題になるのか。文科省もピリピリしているのかな」と首をかしげた。