『宇予くんや改憲マンガの源流、日本青年会議所(JC)独自の「日本国憲法草案」はあまりにも危険な代物でした』
2018年3月7日12:08 バザップ
http://buzzap.jp/news/20180307-jaycee-policy3/

「宇予くん」も「改憲マンガ」も、先の記事で紹介した政策集も思いつきのぽっと出ではありませんでした。

大きな反響のあった「宇予くん」と「改憲マンガ」そして前記事で紹介した「日本歴史ばなし」、「共育」、「おまもりプログラム」といった一連の政策集の根源であり、集大成とも言えるものが日本青年会議所(JC)独自の「日本国憲法草案」という改憲草案です。

◆自民党案よりも恐ろしいJC版「日本国憲法草案」
・前文と元首
2012年10月12日、第2次安倍内閣発足直前に決定版の出されたこの改憲草案を見てみると、このおよそ半年前、2012年4月27日に決定版の出た自民党改憲草案と同一のフォーマットで書かれていることがまず分かりますが、内容は自民党改憲草案よりもさらに恐ろしく露骨なものとなっています。まずは前文を全て引用してみます。

前文
日本国は、四方に海を擁し、豊かな自然に彩られた美しい国土のもと、万世一系の天皇を日本国民統合の象徴として仰ぎ、国民が一体として成り立ってきた悠久の歴史と伝統を有する類まれな誇りある国家である。

我々日本国民は、和を貴び、他者を慮り、公の義を重んじ、礼節を兼ね備え、多様な思想や文化を認め、独自の伝統文化に昇華させ、豊かな社会を築き上げてきた。

日本国は、自主自立の主権国家としての権利を行使するとともに、責務を全うし、互敬の精神をもとに日本を含む地球上のあらゆる地域から貧困と殺戮をなくし、全世界の平和に貢献すると同時に、国際社会を率先して牽引すべき国家であると確信する。

我々日本国民は、国の主権者として、悠久の歴史と誇りある伝統を受け継ぎ、現在及び未来へ向け発展・継承させるために、五箇条の御誓文以来、大日本帝国憲法及び日本国憲法に連なる立憲主義の精神に基づき、ここに自主的に新日本国憲法を制定する。

読んで頂ければ分かるように、日本国憲法の前文にあるような理想や目的についての記述が極端に少なく、いかに日本が素晴らしいかという自分語りのために多くの分量が費やされていることが分かります。

「悠久の歴史と伝統を有する類まれな誇りある国家」「国際社会を率先して牽引すべき国家であると確信」「悠久の歴史と誇りある伝統を受け継ぎ、現在及び未来へ向け発展・継承させる」などの美辞麗句がこれでもかと並べられ、「万世一系の天皇」「五箇条の御誓文」「大日本帝国憲法」といったキーワードも登場。「教育勅語」がねじ込まれていないことに安堵するレベルです。

この辺りのキーワードがなぜ問題化というと、第1条が

天皇は、日本国の元首であり、日本国民統合の象徴であって、この地位は将来にわたって不変のものである。

という驚くべきものになっているから。同じく天皇を国家元首とする自民党案ですら「その地位は、主権の存ずる日本国民の総意に基づく」としていますが、JC案ではいきなり国民主権のくだりを削除して「この地位は将来にわたって不変のもの」としてしまいました。

・軍隊保持、自衛権行使も「国会の事後承認」でOK
そして第9条に関しては「第3章 安全保障」という項目が設けられて移され、第41条と第42条が割り振られています。第41条では侵略の否認が謳われていますが、第2項では集団的自衛権の保有と行使を認めます。

(以降ソースにて)