(2018/03/06-12:48)時事
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018030600138&;g=pol

財務省の富山一成理財局次長は6日午前の参院予算委員会理事会で、学校法人「森友学園」への国有地売却に関する文書の書き換え疑惑について「告発を受けた捜査の対象となっており、全ての文書を直ちに確認できない状況だ」と説明した。その上で今後、文書の確認などの調査を進める方針を示した。

財務省は2日に疑惑が浮上したことを受け、省内で調査を進め、6日までに状況を報告するとしていたが、同日の理事会では書き換え文書があったかどうか回答せず、今後の対応方針を示すにとどまった。野党は「ゼロ回答だ」と反発。理事会は紛糾し休憩となった。一般質疑を予定していた委員会は開会していない。

 この後、自民、民進両党の参院国対委員長が国会内で断続的に会談。民進側は予算関連法案の審議などに応じられないとの考えを伝えた。

 富山氏は理事会に「調査の状況の報告」と題した書面を提出した。書面は「現在、大阪地検において、背任のほか、証拠隠滅や公用文書毀棄(きき)について告発を受けて捜査が行われている状況」とし、「捜査に影響を与えないよう留意して、全省を挙げて文書の確認、職員への聞き取りなど調査を進めていきたい」とした。

 聞き取りに関しては「捜査当局による事情聴取との関係に留意し行う」としたほか、事実関係の確認については「裏付けを取るなど慎重に行う」と記した。
 麻生太郎副総理兼財務相は6日の記者会見で、自身の責任について「内容が分からない段階で仮定の質問には答えかねる」と述べるにとどめた。自民党の二階俊博幹事長は会見で、財務省の対応について「ちょっと理解できない。国会の審議が進まない」と苦言を呈した。