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中国の習近平国家主席(64)=共産党総書記=が長期政権に向け、憲法改正に着手した。国家主席の任期(1期5年)を連続2期までと定めた憲法の規定撤廃には異論がくすぶっていたが、党内を掌握した習氏が押し切った格好。指導部を退任した盟友、王岐山・前党中央規律検査委員会書記(69)を国家副主席に起用するとの観測もあり「習・王コンビ」による長期支配が現実味を帯びつつある。

長期政権に向けた習氏の思惑が表面化したのは、昨年10月の共産党大会。建国100年を迎える2049年ごろまでに「社会主義現代化強国」を実現するとの長期目標を掲げ、党人事では、後継となる若手を最高指導部の政治局常務委員(7人)に引き上げなかった。次世代リーダー候補を最高指導部に入れて後継者とする先例に従わなかったことで、習氏自らが党トップの総書記や国家主席の3期目を目指すのではないかとの見方が広がった。

習氏、要職に自らに近い人材を次々と抜てき

ただ、国家主席の3選には、憲法に定められた任期規定の撤廃が必要。かつて毛沢東への個人崇拝が多くの犠牲者を出した大規模政治運動「文化大革命」(1966〜76年)を招いたとの反省もあり、党内では、特定指導者による長期支配を招きかねない主席任期の撤廃には異論があったとされる。

習氏は2期目の指導部が発足した昨秋以降、中央や地方の要職に、自らに近い人材を次々と抜てきし、党内を掌握。今回の任期撤廃は、習氏の意向には誰も逆らえない体制をつくり上げたことを示している。

習氏の右腕である王岐山氏も「党大会時に68歳なら引退」との慣例に従って昨秋、最高指導部を退任したものの完全引退はせず、1月に全人代代表に選出された。王氏は3月の全人代で国家副主席に就き、対米関係や金融分野などで習氏を支えるとの見方が出ている。

今回の憲法改正案によると、国家副主席も国家主席と同様に、連続3選禁止の規定が削除される。仮に王氏が副主席に就任すれば規定上は習、王両氏による長期支配が可能となる。

習氏が長く最高権力者であり続けることは、現在の集団指導体制を有名無実化しかねず、市民からは懸念の声が上がる。26日、中国の交流サイトでは「世界に個人崇拝はいらない。終身制はいらない」「(北朝鮮の)平壌みたいだ」といった批判的な意見が相次いだ。中には「習大帝万歳、万歳」という皮肉めいた書き込みもあった。

ただ、こうした書き込みはすぐに削除され、一部のサイトではコメント欄を閲覧できなくなった。党批判の拡大を懸念した当局による規制とみられ、異論を許さない「1強体制」の息苦しさを浮き彫りにした。

=2018/02/27付 西日本新聞朝刊=

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180227-00010004-nishinpc-int

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