自民党が憲法改正案の策定作業を加速させている。ただ、焦点の憲法9条改正は9条2項の扱いをめぐって各党の立ち位置もバラバラ。年内に国会発議までたどり着けるかは不透明だ。

■公明が9条改正封印?

 安倍晋三首相(自民党総裁)の憲法9条1、2項を維持して自衛隊を明記する提案は、連立を組む公明党の「加憲」の考えをベースにしている。2項を削除するとした平成24年の自民党改憲草案に背いてでも、公明党と協力できる環境を整える狙いがあった。

 ただ、公明党は昨年の衆院選で議席を減らしてから憲法改正に慎重な言動が目立っている。

 山口那津男代表は21日、官邸で安倍首相と会談後、自民党の改憲議論について「自民党自身のご議論だ」と語った。10日には「9条を変えなくても日本の防衛を全うすることはできる」とも述べ、9条改正を封印することもにおわせている。

 立憲民主、民進、共産、自由、社民の5野党は、集団的自衛権の限定的行使を認めた安全保障法制を廃止しない限り、安倍政権下での9条改正論議に応じないとの立場で一致している。「今年前半が勝負どころ」(共産党の志位和夫委員長)とみて、改憲発議阻止の世論喚起に力を入れる構えだ。

http://www.sankei.com/politics/news/180221/plt1802210036-n1.html