(2018/02/15-19:55) 時事
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018021501147&;g=pol

核・ミサイル開発を進める北朝鮮との「対話」の是非をめぐり、日米両政府の間で温度差が生じている。14日に行われた安倍晋三首相とトランプ大統領の電話会談は双方の隔たりを埋める狙いからとみられるが、かえって違いが際立つ結果となっている。
 事の発端はペンス副大統領が10日、米紙に「北朝鮮が望めば対話する」と語ったことだ。首相とペンス氏は7日、東京で会談し、「非核化に向けた具体的な措置を取るまで圧力最大化路線を強化する」ことで一致したばかりだった。ペンス氏の発言はこの方針に反しかねず、日本政府内では戸惑いが広がった。
 このため、首相は14日の電話会談で対話に関する米国の立場を改めて確認。この後、記者団に「日本も米国も非核化を前提としない限り、意味ある対話はできない」と指摘した。会談内容を記者団に説明した西村康稔官房副長官も「米国は非核化を前提としないいかなる対話も行わない立場だ」と強調した。
 ところが、ペンス氏は電話会談直後のワシントンでの講演で「対話は(非核化が前提の)交渉ではない」と対話への柔軟姿勢を重ねて表明。対話をめぐる解釈の違いが浮き彫りになった。
 菅義偉官房長官は15日の記者会見で「大統領と首相の間で一致しているので、当然、大統領と副大統領の間で認識の違いはないと思う」と語った。しかし、日本政府内では「発言がばらばらだ」とトランプ政権の一貫しない北朝鮮政策に懸念を示す声も出ている。