>>132

今まで「憲法9条2項」の解釈は、冒頭に「前項の目的を達するため」という「芦田修正」があることから、
「前項」つまり「憲法9条1項」の目的を達するためには「戦力を保持せず」「交戦権もない」ということであり、
「前項の目的を達成するため」でなければ「戦力」は持てるし「交戦権」もあるということでしたね
その「前項」つまり「憲法9条1項」は、「侵略戦争をしない」という規定であり、「侵略戦争」をするための「戦力」や「交戦権」は持たないけれど、
「防衛戦争」のためなら「必要最小限の防衛力」を持つことが許されるし、「交戦権」も認められるとの解釈が導き出され、それにより「自衛隊合憲論」が成り立っていたのでした

しかし多くの「憲法学者」がそれに異議を唱え、また子供が素直に「憲法9条」を読めば、「芦田修正」などについては考えないでしょうから、
「自衛隊の存在そのものが憲法違反じゃないの?」ということになるわけです
そういう状況は非常に不健全なことでありますが、「改憲条項」が厳しい日本ではいかんともし難く、実際には長い間放置されてきました

しかし、この度「衆参両院」で改憲勢力が3分の2を超えるという戦後初めての状況が生まれたことにより、
この不健全さを正すチャンスが巡って来たということで、「改憲」の機運がようやく盛り上がりを見せてきました
そして、ついに「自衛隊」の存在と役割を明確に「憲法」に書き込むことで、そうした問題をすっきりさせ、
ともすればこれまで日蔭者扱いだった「自衛隊員」にも誇りを持たせようとの具体的な話が進み始めたわけです

そういうことですので、今回の「憲法9条」改正につきましては、必ずしも名称(「自衛隊」or「防衛軍」)に拘る必要はないのではないかと思います
名称、その他の細かいことに拘り過ぎて、改正のチャンスを逃すことこそ、最も戒めるべきことかと思います

ただごりごりの「護憲派」は、「憲法」に「自衛隊」が書き込まれても、「2項」が残れば、それを楯にして「自衛隊違憲論」をなおも執拗に展開するでしょうが、
当面はそれに対しては「前項の目的を達するため」という「芦田修正」を根拠にした現在と同様の説明を繰り返すしかないでしょうね

いずれにしても、「自衛隊」の存在が「憲法」に明記されれば、国内外共に様々な意味で変化が現れてくるでしょう
といいますのも、この「改憲」は日本が本当の「独立国家」として歩み始めるための、一見小さく見えますが、実際には大きな第一歩となるからです
おそらくその変化のプロセスの中から、「9条2項」の削除や、「自衛隊」から「国防軍」への名称変更など、次なる克服すべき課題として提起されることになるのではないでしょうか