東京地検特捜部がリニア中央新幹線工事に関する独占禁止法違反容疑で捜査している大成建設が、リニア関連の資料を渋谷区代々木にある幹部寮の一室に隠していたことが、「週刊文春」の取材でわかった。

 資料は約40箱、書類には<マル秘><部外秘>などの判子が押され、<リニア>といった文言が記されており、工事の受注に関する文書もあったという。

 「特捜部は12月19日、大成本社を家宅捜索しましたが、その数日後、段ボールを代々木の寮に運び込みました。『目立たないようにやれ』という指示も出ており、105号室に保管されていた。寮は常務などの幹部が住む幹部寮です。あの書類を寮で保管する必然性はなく、証拠隠しと言われても仕方のない行為です。社内でもこんなことが許されるのか、と疑問の声がありました。特捜部もこうした情報を入手していたようです」

 特捜部は、2月1日に大成建設を家宅捜索した際、「隠していた資料を出せ」と要求。大成建設の総務部長らが、寮に出向いて、段ボールをトラックに乗せ本社に搬入し、資料は特捜部に押収された。

 「週刊文春」は、2月4日日曜日の夜、山内隆司・大成建設会長を直撃した。
 
 「リニアの件についてはね、私は一切、ノーコメント。今捜査中ですので。一切話できませんので」

 ――代々木の寮にリニアの資料を隠していた?

 「いやいや、もう全然、お答えできません。ノーコメントで」

 大成建設に改めて、細かく事実関係の確認を求めたが、「捜査中につき、回答は控えさせていただきます」と回答した。

 大成建設に「証拠隠し」疑惑が浮上したことは、リニア捜査の行方にも影響を与えそうだ。2月8日(木)発売の「週刊文春」では、“証拠隠し疑惑“の詳細について報じる。

http://bunshun.jp/articles/-/6142