「質問をAIではじく」 小泉進次郎氏のトンデモ国会改革案
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 なにが「国会改革」だ。答弁に難があるポンコツ首相をできるだけ国会に出したくないだけだろう。

 22日に召集された通常国会で、自民党が「国会改革」とか言い出している。首相以下、閣僚の国会への出席日数を減らすという話がメインだが、その理屈がフザけている。

 自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長は、記者団に対して「7時間、(予算委員会などで)質問がなくても大臣を座らせ続けることが、国民の望む政治家の使い方なのか」と話した。さらに、野党が今国会でも「モリ・カケ」やスパコン疑惑などの問題で安倍政権を追及する姿勢であることについて、こう言ってのけたのだ。

「将来的な国会のあり方をイメージすると、何度も同じような質問が繰り返される時は人工知能(AI)ではじいてほしいな、と。そういうAIの活用とか、未来の国会のあり方、やれることはいっぱいある」

 小泉氏は23日の副幹事長会議でも、先日、安倍首相が訪問したIT大国のエストニアを例に出し、「質問がない時は、国会議員も国会に行く必要のない国もある。委員会の模様は動画でどこにいても見ることができる」なんて言っていたという。

 本気で言っているとしたら度し難い。一体、国会を何だと思っているのか。ITで効率化し、テレビ会議で観覧するのが言論の府のあるべき姿だとでも言うのか。

■国会軽視の“上から目線”は首相と同じ

「国民人気が高いとされる小泉氏ですが、国会を軽視する上から目線は安倍首相と変わらず、“正体見たり”といった感じです。野党だって、国民の代表ですよ。その野党に対して、しつこく追及するなと言うのは、言論封殺も同然です。政府が問題を抱えているから追及するのだし、そもそも、野党が同じような質問を繰り返さざるを得ないのは、首相や閣僚がマトモに答えようとしないからでしょう。特に安倍首相は、官僚が作った原稿を読み上げるか、関係ない話を延々と続けて時間を稼ぐかで、質問にきちんと答えたためしがない。すり替えやゴマカシではぐらかすから、議論が成り立たないのです。それこそAIに答弁させた方がマシですよ」(政治評論家・本澤二郎氏)

 野党の質問に答えられない首相こそ、AIではじいて欲しいものだ。それに、「真摯で丁寧な説明」「地球儀を俯瞰する外交」「まさに国難とも呼ぶべき事態」など、同じ発言の繰り返しなら、VTRを流しても変わらない。記者会見で何を聞かれても「問題ない」「批判はあたらない」を繰り返すだけの菅官房長官も同じだ。

 いっそ首相や閣僚をAIに任せれば、忖度は必要ないし、お仲間に血税が流れることもない。よほど公平な政治が期待できるのではないか。