台北駐福岡弁事処(福岡市中央区)の戎義俊処長は20日、「明治維新150年と台湾」をテーマに、福岡市内で講演し、
「明治維新を抜きにして台湾の近代化は語れない。日本人も台湾人も今こそ明治維新を評価すべきだ」と語った。

講演会は第19次台湾慰霊訪問の旅帰朝報告会(小菅亥三郎団長)が主催した。

戎氏はまず、明治維新とその後の日本の近代化が、台湾にもたらした恩恵を評価した。その上で
「日本をおとしめ続けるのは中国と韓国だけだ。明治以降の日本を称賛する声の方が圧倒的に大きい」と力説した。

明治維新が台湾にもたらした恩恵の具体的中身として、金融や財政、治安や衛生といった各制度を確立し、道路や鉄道、
上下水道やダムなどのインフラ建設を進めたことを挙げた。

その結果、伝染病や風土病の地ともいわれた台湾の人口を日本の統治時代に2倍にしたと語った。

台湾南西部の烏山頭(うざんとう)ダムを建設し、不毛の地を穀倉地帯に変えた水利技術者、八田與市(はったよいち)のほか、
農業者で、亜熱帯気候の台湾向けに米の改良に成功した「蓬莱の父」と言われた磯永吉(いそえいきち)、「蓬莱米(ほうらいまい)の母」
と賞された末永仁(すえながめぐむ)の名前も紹介し、「台湾の食糧事情を劇的に改善した」と賛辞を贈った。

西南戦争で最期を迎えた西郷隆盛の長男で、台湾総督府に赴任した西郷菊次郎にも触れた。

菊次郎は父、隆盛の残した名言「敬天愛人」を座右の銘とし、台湾人とも平等に接し、台湾北東部の宜蘭(ぎらん)の初代庁長(県知事に相当)
として信頼を寄せられていた史実を紹介した。

戎氏は今夏、離任し、外交官生活にピリオドを打つ。講演の最後に「戦後日本人が抱いた(さきの大戦への)罪悪感は消えずに、
誇りも自信も回復していない。憲法改正といった『安倍維新』により、衰退から完全に立ち直ってほしい」と結び、
日本と日本人に対し熱いエールを送った。


ソース元タイトル『「明治維新、日台で評価を」 戎・台北駐福岡弁事処長が講演』

産経ニュース
http://www.sankei.com/region/news/180121/rgn1801210037-n1.html
2018年1月21日07:04