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12月13日 12時02分

菅官房長官は午前の記者会見で、将棋で前人未到の「永世七冠」達成を果たした羽生善治氏と、囲碁で2度の七冠独占を果たした井山裕太氏について、「歴史に刻まれる偉業であり、社会に明るい希望と勇気を与えた」などと述べ、2人に対して、国民栄誉賞の授与を検討する方針を表明しました。

この中で菅官房長官は「将棋の羽生善治氏は、将棋界で初めて七冠すべての永世称号の資格を獲得した。また囲碁の井山裕太氏は、囲碁・将棋界を通じて初めて2度目の同時七冠を達成した。いずれも歴史に刻まれる偉業であり、社会に明るい希望と勇気を与えた」と述べました。

そのうえで菅官房長官は、「羽生氏と井山氏に対する国民栄誉賞の授与について検討を進めるよう、安倍総理大臣から指示があった。今後、関係者の意見も聞いた上で最終判断を行う」と述べ、羽生氏と井山氏の2人への国民栄誉賞の授与を検討する方針を表明しました。

国民栄誉賞が授与されれば、個人としての受賞は24人目と25人目で、将棋と囲碁の棋士としては初めてとなります。

羽生氏と井山氏の2人は、過去にも、将棋界と囲碁界で史上初めて、七大タイトルを独占する「七冠」を達成したことを受け、羽生氏が平成8年に、井山氏が去年、それぞれ総理大臣顕彰を贈られています。

内閣府によりますと、過去に国民栄誉賞と総理大臣顕彰の両方を受賞した人はおらず、2人が国民栄誉賞を授与されれば、両方を受賞する初めてのケースになるということです。


囲碁七冠 井山氏「ただただ驚き 身に余る光栄」

国民栄誉賞の授与が検討されている囲碁の七冠、井山裕太さんは「ただただ驚き、身に余る光栄だと恐縮しています。棋士としても、1人の人間としても、まだまだ未熟な私が、このような賞をいただいてよいのかという思いはいまもありますが、今後も精進し、皆様の期待に添えるよう信じる道を歩んでいきたいと思います」とするコメントを出しました。