対応マニュアル策定へ 北口市議不当要求問題で熊本市 市長「議会と透明な関係構築」
2017年12月13日 06時00分
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北口市議を巡る問題などについて、市議会閉会後の記者会見で質問に答える大西一史熊本市長

 熊本市の大西一史市長は12日、市議会定例会閉会後の記者会見で、北口和皇(かずこ)市議(59)が市職員への不当要求を繰り返したとされる問題に関連し、
議員からの意見や要望に対して、市として適切に対応する基本方針と対策マニュアルを本年度中に策定する方針を明らかにした。

 大西市長は「議員の要望があったら、ある程度のまないといけないという悪しき慣例を一掃するため、組織的に対応する体制を作り、議会と市執行部の透明で適切な関係構築につなげたい」と述べた。

 北口氏が代表理事を務める市漁業協同組合と市が結んだ業務委託契約などを「不適正」と認定した外部監査結果を受け、
市は市漁協に業務委託費の一部と補助金計約122万円の返還を求めているが、期限を過ぎた12日現在も返還されていないという。

 市議会の沢田昌作(よしとも)議長はこの日、北口氏が務める市農業委員など市長任命の三つの役職を解くよう大西市長に求めた。
これに対し、大西市長は北口氏を農業委員に推薦したJA熊本市から解任請求を行うよう求める考えを示した。
沢田議長は、市防犯協会など北口氏が役員を務める民間15団体に対しても解職を求める文書を送付。市漁協の会計状況を検査するよう求める意見書を県に対し提出した。

 一方、大西市長は会見で、親が育てられない子を匿名で預かる慈恵病院(同市西区)の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)の運用を巡り、
市の専門部会が9月の検証報告で、出自を知る権利の問題などを指摘したことを受け、18、19日にドイツのハンブルク市を訪問し、
ドイツ版のゆりかご施設「ベビー・クラッペ」と妊娠相談所を視察すると発表した。

=2017/12/13付 西日本新聞朝刊=