文部科学省が、学校法人「加計学園」が政府の国家戦略特区を活用して愛媛県今治市に岡山理科大獣医学部を新設する計画を認可した。
 昭和41年以来、実に52年ぶりに獣医学部が新設される。このこと自体、いかに岩盤規制が分厚かったかを物語る。

 多くの野党は依然、反発している。15日の衆院文部科学委員会でも、認可の正当性を強調する政府側と、
経緯に安倍晋三首相や首相官邸の関与があったのではないかとする野党側の質疑は平行線をたどった。

 怒声が飛び交う中、首相の「忖度」をめぐる不毛な水掛け論は相変わらずだ。不正は何一つ証明されない。
 専門家による大学設置・学校法人審議会が計画を「可」とした以上、論戦は、新学部をいかに国や地方のために役立てるかに移行すべきではないか。
 学園側も新学部の未来像を堂々と語るべきだろう。産業動物や公衆衛生、感染症などの分野で獣医学教育をリードしてほしい。

 一方で政府与党は、この問題をめぐって支持率を大きく落とした反省も忘れてはならない。
「ない」はずの文書が後から出てくるなどの経緯に国民はうんざりしたはずだ。文書管理のあり方など、検討すべき課題は多い。

http://www.sankei.com/column/news/171117/clm1711170002-n1.html