加計問題「第2幕」へ 96億円補助金に今度は“マル暴”の影
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 文科省の大学設置・学校法人審議会(設置審)で「保留」となり、10月末以降にあらためて判断が下されることになった愛媛・今治市の加計学園の獣医学部新設。先週24日、「今治加計獣医学部問題を考える会」が獣医学部棟の設計図面を公表し、日刊ゲンダイ既報の通り、建設費水増し疑惑の声が広がり続けているが、現場では別の問題が浮上しているという。

 加計学園が市に申請した計96億円の補助金を狙った「マル暴」の介入だ。

 現場の工事関係者がこう言う。

「獣医学部の工事施工業者らで7月下旬に暴力団排除のための対策協議会を立ち上げました。工事担当の大本組、アイサワ工業の現場所長がそれぞれ会長、副会長に就き、岡山県警出身で元岡山県暴力追放運動推進センター専務理事の皆木英也加計学園相談役が『建設業は暴力団の格好の標的』『利益供与禁止』などを訴えました。まっ、当然といえば当然の話なのですが、今治市にはもともと暴力団排除条例があり、わざわざ新たな協議会をつくるのも不思議な話だと話題になりました。しかも、工事着工前ならともかく、なぜ、工事がかなり進んだ今の時期につくるのかが分からない。どうやら、多額の補助金を狙ってマル暴が乗り込んできているのではないか――とウワサになりました」

 暴対法や暴排条例で取り締まりが強化され、ヘタをすれば使用者責任を問われて親分のクビも危うくなるかもしれないマル暴が、手ぶらでノコノコと出てくるはずがない。目を付けた相手の弱みを握った上で、脅し透かしを仕掛けてくるのが常套手段だから、現場では「建設費の水増し疑惑などのネタを手に入れたのではないか」なんて囁かれているらしい。

 身から出たサビとはいえ、設置審の判断も先送りになり、その上、マル暴まで絡んでくるとなれば、グチャグチャだ。

「9月6日から今治市議会が始まり、加計問題も必ず取り上げられると思います。そこでまた、新たな疑惑が出てくるかもしれません」(今治加計獣医学部問題を考える会共同代表の黒川敦彦氏)

 補助金水増しにバイオハザード(生物災害)リスク、市議買収、マル暴……。次から次に出てくる疑惑に市民も怒り心頭だろう。もともとムリな計画にツジツマ合わせの理屈をひねり出すからボロが出てくるのだ。市議会でどんな爆弾が炸裂するのか。

 加計問題はいよいよ第2幕の始まりだ。