「加計学園」の獣医学部新設問題をめぐる問題で7月10日、渦中にいる文科省の前川喜平前事務次官が出席して閉会中審査が開かれた。前川氏が問うているのは一つだけだ。加計学園に決まるまでのプロセスは不透明、不公正ではなかった?【BuzzFeed Japan / 石戸諭、渡辺一樹】

えこひいきはあったのか?

BuzzFeed Newsは先月、前川さんに単独取材した。この問題で前川さんが一貫して主張しているのは、加計学園に決定するまでのプロセスが不透明、不公正だったのではないかということだ。国会で明らかになったのか?

前川氏は、取材に対しこんな発言をしている。

・問題は、なぜ愛媛県今治市に新設するといった加計学園に決まったのか?具体的に加計学園に決まるまでのプロセスに疑問がある。不透明な政治的な動きで、本来のプロセスが歪められているのではないか。
・「広域的に獣医学部が存在しない地域に限る」「平成30年4月開学ができる所に限る」(中略)この2つの条件が設定されたので、結果的に今治の加計学園しか残らなかった。
・このプロセスが非常に不透明で、もともとオープンに議論しているところには出てこなかった議論

わかりやすく言い換えると、一連のプロセスで加計学園だけが「えこひいき」されたのではないか、という問題提起だ。

一貫していた前川発言

7月10日、午前中から前川氏が出席した。前川氏の発言は一貫していた。内閣府が仕事を進めるにあたって、背景に官邸の動きがあると思っている、と指摘した。

文科省が存在を確認できなかったと結論した「10/7萩生田副長官ご発言概要」と題された文書についても、次官在職中に受け取ったことを明言した。

衆院では共産党の宮本岳志氏から「行政の歪みとはなにか」という質問に対し、私たちの取材に答えたこととほぼ同じことを述べ、さらにこう続けた。

「条件が付されることで、加計学園が残る。規制緩和の恩恵を加計学園だけが受ける。初めから加計学園に決まっていた、加計学園に決まるようにプロセスを進めてきたと見える」

ところが、午前中から衆参両院で1日中かけて議論をしたにも関わらず、議論は一向に深まらなかった。

つづく

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170711-00010001-bfj-soci