どんな新事実が飛び出すのか――。衆院文科委と参院文教科学委の理事懇談会が6日開かれ、加計学園問題について、10日に衆参両院で内閣委との連合審査会をそれぞれ開催し、閉会中審査を行うことを正式に決めた。

衆院は午前9時から4時間、参院は午後2時から3時間ずつ連合審査会を開催。参考人として前川喜平前文科次官に加え、衆院は国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の原英史委員、参院は加戸守行前愛媛県知事を招致することも決定した。

「私の知る限りは申し上げたい」。5日に福島市で開かれた講演で、こう話した前川前次官。「特定の法人に特定のチャンスを与えた。規制緩和というより特権を与えたことが問題」と指摘し、
あらためて政府対応を批判したが、参考人招致はどう転んでも「前川圧勝」で、安倍首相が出席する予算委集中審議を求める声はさらに強まるのは間違いない。

元文科省審議官の寺脇研氏(京都造形芸術大教授)がこう言う。

「与党側はWG委員を呼んで『正式な手続きで一点の曇りもない』『(獣医学部新設に慎重だった文科省に)挙証責任があった』と説明させるのでしょうが、
挙証責任も何も(獣医学部新設で満たすべき条件である)石破4条件は閣議決定されているのだから、文科省が勝手に解釈していいわけがない。
この問題は、なぜ、4条件が守られなかったのか。突然、加計ありきの文言が付け加えられたのはなぜなのか――という行政プロセスの不自然さです。政府・与党は小細工し過ぎてワケが分からなくなっているのではないでしょうか」

その通りだ。だいたい加戸前愛媛県知事といえば、今治市が国家戦略特区に選ばれる際に「商工会議所特別顧問」の肩書で交渉役を担った人物。いわば疑惑の当事者だ。
しかも、知事時代には、「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を県内の中高一貫校に採択させ、安倍政権下で発足した「教育再生実行会議」の委員も務めた。そんな“アベ友”が「加計ありきでした」と言うハズがないし、何よりも真相に迫れるはずがない。

与党が本気で疑惑を解明したいのであれば、萩生田官房副長官や特区担当だった藤原豊前内閣府審議官を参考人招致するべきだろう。

要するに閉会中審査は政府、与党のポーズであって、ハナから加計問題に取り組む気などサラサラないのだ。

閉会中審査を単なるイベントに終わらせたらダメだ。

日刊ゲンダイDIGITAL / 2017年7月8日 9時26分
https://news.infoseek.co.jp/article/gendainet_401519/