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2017.7.4

■後任に野田氏就任

 東京都議選の投開票から一夜明けた3日、大躍進を遂げた地域政党「都民ファーストの会」代表を退いた小池百合子都知事。政党代表を務めることに二元代表制の観点から「知事が代表を務める政党が行政のチェックをできるのか」などの懸念が指摘されてきたが、小池氏はこれを一貫して否定してきた。それではなぜ今、代表を退いたのか。

■反論から一夜

 首長と議会それぞれが有権者の直接選挙で選ばれる地方自治の原則。これが「二元代表制」だ。首長の行政運営を議会が議案の議決などでチェックすることで緊張関係を保ち、行政を健全に進めることが期待される。

 小池氏は都議選前に第1党をうかがう都民の代表に就任した。報道各社の世論調査で、小池氏支持層と都民支持層の乖離(かいり)がみられた。「(小池氏と都民の)支持率の差を埋めていく」(都民関係者)目的があったとされ、代表就任には自民などから「都民の候補は小池氏のイエスマン。チェック機能が働くのかは疑問」などの批判があった。

 一方の小池氏は選挙戦を通じ「一部の有力都議の意向が反映されてきた自民中心の都政こそ、チェック機能が働いてこなかった」と反論を続けた。開票作業が進んだ2日夜、都民が第1党となることが確実になった際も「(都民都議は)力強いチェックをしてくれる」と強調していた。しかし、一夜明けた3日午前には「二元代表制への懸念があることを想定し、知事に専念する」と突如、代表を退くことを表明した。

この動きに、都民のチェック機能に疑問を呈してきた民進党の松原仁衆院議員は都連会長辞任を表明した3日の会見で、「選挙期間中は代表で、選挙が終わってから辞めるというのは、なかなかの離れ業」とチクリ。暗に選挙目当ての代表就任だったのではとの見方をにじませた。

 ■2人で役員会

 自民党や民進党のトップは、党のルールに従って総裁選(自民)や代表選(民進)で所属議員や党員による選挙で決定される。一方、地域政党など規模が小さい政党の場合は幹部の話し合いなどで選出されることが多いようだ。

 では都民の場合はどうか。幹部によると、小池氏から幹事長の野田数(かずさ)氏への代表交代は党のルールにのっとって進められたという。

 都民によると、党幹部人事は役員会で決定すると党の規約で定められている。都民は3日、代表の小池氏と政党活動開始時(1月)の代表だった野田氏の2人で臨時役員会を開き、野田氏の代表再任を決定。小池氏の肩書は再び特別顧問となった。

 「スタートしたばかりのベンチャー政党」(都民関係者)のため、まだ党組織は小さく、現在、都民の役員は代表と特別顧問以外は置いていない。しかし、都議選で改選前の6人から一気に55人に所属都議を伸ばし、最大会派となったことで、「今後、会派の役員の人選を進め体制づくりを急ぐ」と都民幹部は話した。