■樋口氏「利権こりごり、静かな怒り感じた」

東京都の小池百合子知事による都政運営の是非が問われ、2日に投開票された都議選は小池氏率いる地域政党「都民ファーストの会」が議会改革などを訴えて民意をつかみ、圧勝した。
都民と自民党の戦いの「象徴」に位置づけられる千代田区では投票が締め切られた直後、都民新人が当選を確実にした。
自民党は小池氏批判の急先鋒(せんぽう)となった都議会議長や幹事長らが次々落選、過去最低を大きく下回る歴史的惨敗を象徴した。

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「身に余る結果だが、これがゴールではない。
都議会を変えろ、慣習やしがらみをなくせという思いがこの結果につながった。むしろ本日はスタートだ」。

事務所で開票速報を見守った千代田区の都民新人、樋口高顕氏(34)は午後8時過ぎ、集まった支援者と万歳三唱し、喜びの声をあげた。
追い風について「利権はこりごりだという(有権者の)静かな怒りや不満を感じた」と振り返った。

壁には都民代表、小池百合子氏が笑顔で写るひと際大きなポスター。
樋口氏は選挙期間中、学生時代に小池氏の選挙スタッフを務めて以来の信頼関係をアピールし、小池氏も告示日の演説先に組み込むなど重視してきた。

千代田区は、平成元年に初当選した自民党の重鎮、内田茂都議の地盤。
昨夏の知事選で当時、都連幹事長だった内田氏ら執行部が小池氏ではなく、別の候補の推薦を決定したことで小池氏との対立が深まり、小池氏からは「都議会のドン」と批判された。

今年2月の区長選では小池氏が支援した現職の石川雅己区長に新人候補をぶつけたが、トリプルスコア以上の差をつけられ大敗。
都議選の千代田区には内田氏の後継者として新人、中村彩氏(27)を擁立し、小池氏との“代理戦争”の構図が注目された。

中村氏の選挙事務所で、中村氏とテレビを見つめた内田氏は腕組みし、時々首をひねるしぐさをみせた。
内田氏は報道陣に対し、「注目選挙区といわれるが、誰が作ったのか。僕自身、『ドン』といわれる気持ちはなかった」と不満をにじませた。

小池氏に関しては「二元代表制が本当に分かっているのか。
自民党には今後も、きちっとした二元代表制の都政をやってもらいたい」と語った。

産経新聞 7/3(月) 7:55
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