安倍首相、最初で最後の街頭演説でアキバ大混乱 籠池氏“乱入”
7/2(日) 6:01配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170702-00000062-spnannex-soci

 東京都議選は2日、投開票される。選挙戦最終日となった1日、自民党総裁の安倍晋三首相が、秋葉原で告示後最初で最後の街頭演説。アキバで選挙戦を締めくくるのは過去の国政選挙の必勝パターンだが、学校法人「森友学園」の籠池泰典元理事長(64)が“乱入”するなど大混乱。地域政党「都民ファーストの会」を率いる小池百合子都知事は地元、池袋で戦いを終えた。

 秋葉原は安倍首相が到着する前の午後4時すぎから「安倍辞めろ!」コールの大合唱だった。「アベ政治を許さない」などのプラカードのほか、「安倍辞めろ」との大きな垂れ幕を掲げた人たちで混乱。選挙カーの上に立つ自民党候補らに批判の声を上げ、演説の声をかき消した。この騒ぎから少し離れた場所に、思わぬ客が現れた。籠池元理事長だ。気付いた聴衆が演説そっちのけでかけ寄り、たちまち人だかりができた。
 籠池氏は約50メートル先の選挙カーを見ながら「機会があれば渡したい」と札束入りの封筒を取り出した。昭恵首相夫人から受け取ったとする100万円で、6月21日夜にも昭恵氏が経営する居酒屋、安倍首相の都内の自宅を訪れ、返却を試みている。上下の1枚ずつ以外は白紙の“ハリボテ100万円”と指摘があったため、この日は「全部本物ですよ」とパラパラはじいてみせた。
 籠池氏によると当初は、自民党の候補や応援弁士らが立つ選挙カーの近くに立っていた。だが「警察に“もっと前でどうぞ”と促され、従ったら遠くに連れていかれた。だまくらかしですよ。これが警察のやることですかね」と話した。

 安倍首相は抗議を念頭に「演説を邪魔するようなことを、自民党は絶対しない」と力強く語り、候補への支援を呼びかけた。籠池氏は「他党のことを悪くいいますが、自分たちの問題の説明責任を果たしていないじゃないですか」と、稲田朋美防衛相らの失言などへの対応を批判。持参した100万円については、「返せるよう、今後も努力する」とした。
 首相の都議選応援を巡っては「ヤジを避け、支援者向けのハコ(屋内施設)しか入らない」との見方もあった。この日のアキバ入りは、首相お得意の形で風向きを変えたいとの狙いもあった。首相は2012年の衆院選から、大勝した過去4度の国政選挙では、秋葉原で“マイク納め”をしてきた。都連関係者からは「反対勢力を集めてしまい、最悪の形になってしまったかもしれない」との声も出た。

 《手のひらに書き込み》籠池氏の左手のひらには「民主政治をどう思っている」「百万円かえしたい」「これが美しい国か!」などとペンで書き込まれていた。安倍首相に言いたいことを、忘れないようにメモしたとみられる。この日は直接伝える機会はなかったが、報道陣の質問に答える際には、時折左手に目をやっていた。