“本田首相”は誕生するのか。前文部科学相で自民党の馳浩衆議院議員(56)が本紙インタビューに応じ、母校の石川・星稜高の後輩で親交のあるサッカー日本代表FW本田圭佑(31=ACミラン)について激白した。本田はこのところ政権幹部と面会を重ね、社会問題に関しても積極的に発信している。将来の政治家転向がささやかれるなか、馳氏の見立てと2020年東京五輪に向けて浮上する“夢プラン”とは――。



 本田は昨年7月に安倍晋三首相(62)と面会。その際は「本気で一度、政治家になろうとは考えた」としつつも、将来の転身には「ない。馳さんにも『興味はないか?』と言われたので『あったんですが、今はないです』と伝えた」と政治家転身を否定した。



 ところが、最近は若者の自殺問題や先の国会でも議論された受動喫煙防止法などについてSNSで積極的に自身の考えを発信している。今月20日には麻生太郎財務相(76)とも面会。政治活動への関心はいまだ強いように映り、現役引退後の政界進出の可能性がささやかれている。



 馳氏:やっぱり本田君の真面目な取り組み、真実を的確に表現するパフォーマンスなどは(将来の首相候補)小泉進次郎さん(36)にも共通する。けれん味のなさと人に見せない努力、本当に「侍」の姿だと思います。そういう政治家が与野党にいたほうが本当は楽しい。私は(本田の政治家転身は)あると思います。オレの後継者になってほしいね。



 サッカー界から元日本代表FW釜本邦茂氏(73)がかつて参議院議員を務めたように、国政で活躍する元アスリートは多い。スピードスケートの橋本聖子氏(52)と堀井学氏(45)、バレーボールの朝日健太郎氏(41)に加え、モントリオール五輪クレー射撃代表の麻生氏ら、スポーツ界からの転身組が増えて“政治が変わる”という国民の期待も高まっている。



 馳氏:私は大臣もさせていただいたが(東京五輪)組織委員会の評議員やレスリング協会の副会長とか、政治の側面からサポートしている。橋本さんはJOC(日本オリンピック委員会)の強化本部長、堀井さんは冬(の五輪)、朝日さんは夏の経験から政策立案を支えています。自分が経験してきたこと、知識や人脈、教養を社会に還元してほしい。そういう意味で(本田に)後継者として期待しています。別に私が辞めるという意味じゃないですけど(笑い)。



 東京五輪では選手としての活躍はもちろん、スポーツ界の代表としてさまざまな役割が期待される。例えば聖火ランナーでも、2012年ロンドン五輪ではサッカー界のスター選手、MFデービッド・ベッカム氏(42)が開催国の「顔」として大役を務めた。果たして本田が選ばれる可能性はあるだろうか。



 馳氏:名前が出たら潰れるから、サプライズじゃないと。組織委員会でリストアップしていると思うが、国民の気持ちがグッと固まるような「レジェンド」と言われる方に出ていただきたい。これは私個人、一国民の声としてね。(星稜高野球部出身の)松井(秀喜氏=43)と本田の聖火リレーは見たい。日本国民の夢ですよ。母校の同窓生としては誇りだし、世界的に活躍した選手ですから。



 サッカー界だけではなく、スポーツ界のリーダーとして「本田先生」と呼ばれる日も決して遠くはないかもしれない。