稲田朋美防衛相は30日午前、閣議後の記者会見で、東京都議選(7月2日投開票)の応援演説で「防衛省、自衛隊としてもお願いしたい」と発言した問題について「しっかりと職責を果たしていきたい」と述べ、防衛相を続投する考えを示した。
そのうえで発言について「誤解を招きかねないため、改めて撤回し、おわび申し上げる」と謝罪した。

稲田氏が27日夜に国会内で記者団に発言を撤回し、防衛相辞任を否定して以降、公の場でこの問題に関して発言するのは初めて。
稲田氏は発言が公職選挙法違反にあたると指摘されていることについて、「公選法を順守することは基本で、地位を利用する選挙運動は全く意図していなかった」と釈明。

「防衛相として防衛省、自衛隊に感謝する趣旨はあった。誤解を招きかねないので撤回する」と語った。

そのうえで「我が国を取り巻く非常に厳しい安全保障環境の下で領土、領海、領空を守るべく、一層の緊張感をもち、職責を果たす」と強調した。
都議選への影響については「影響がでないようしっかり説明している」と述べた。

菅義偉官房長官は30日午前の記者会見で「今後とも誠実に職務にあたってもらいたい」と改めて続投させる考えを強調した。
一方で「閣僚は常日ごろから緊張感を持って対応してほしい」と述べた。

この日の閣議後の記者会見では引き締めを求める声が相次いだ。
岸田文雄外相は「政府に緩みの指摘があるなら、謙虚に受け止めなければならない」と語った。
高市早苗総務相は「政党活動と公職の立場を分けるのは当然のことだ」と指摘した。

https://mainichi.jp/articles/20170630/k00/00e/010/242000c