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JR昭島駅前の政党掲示板は日本政治の近未来を予測させる。民進党の掲示板に、小池ゆり子都知事のポスター。掲示責任者は民進党を離党した長島昭久衆院議員だ。

 昭島市選挙区から立った都民ファースト公認候補は、長島議員の元秘書である。選挙事務所には連合傘下の労働組合の為書きがズラリと並ぶ。都民ファーストと提携関係にある公明党の幹部からの為書きも、しっかりと目立つ位置にあった。

 長島議員は日本維新を除名処分となった渡辺喜美参院議員と共に都民ファーストに入るものと見られている。

 7月2日投開票の都議会議員選挙では、都民ファーストの大勝と民進党の壊滅的敗北が予想されている。選挙後、少なからぬ数の民進党国会議員は都民ファーストに移籍するだろう。民進党都議会議員がそうであったように。

 そして都民ファーストは国政に躍り出る。「ニュー自民党」の誕生だ。

都議選最大の注目区と言われる中央区から立った都民ファーストの候補者が自らマイクを握ることは、ほとんどない。選挙事務所に街頭演説のスケジュールを聞くと「ない」。素気ない答えが返ってきた(28日現在)。

 中央区内の有権者によると、この候補者の街頭演説を聞いたのは告示の翌々日(25日)までだ。25日は小池知事と共に銀座4丁目で支持を訴えた。区議時代にした一般質問は「ドローンの活用、ITの研究・・・」。都民の生活に密着した政策はほとんどなかった。

 この候補は明治維新の元勲直系の妻であることを政策ビラに掲げていた。フェイスブックには旧華族しか入れない「霞会館」で食事した写真までアップされている。セレブ妻であることをタワーマンションの奥様方にアピールしたいのだろうか?

 いずれにしても、都民ファーストの候補が当選して自分ファーストになるのは当然の成り行きである。

 街宣車のウグイス嬢が「都民ファーストの公認候補●●です。小池都知事と共に改革を」のフレーズを連呼する。

 「小泉総理と共に改革を」・・・ 2001年の参院選では、壊れたテープレコーダーのように繰り返した候補者が軒並み当選し、自民党が大勝した。

 都民ファーストの選挙を見ていると、2001年の光景がまざまざと蘇る。小池百合子氏は小泉首相の秘蔵っ子だった。

 小泉劇場でどうB層を惹きつけるかを習得した「マダム回転寿司」が、都議選で大勝する。次に大衆が目にするのは「小池劇場第二幕」だ。