http://www.sankei.com/politics/news/170629/plt1706290025-n1.html
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候補者が名前を売る代表的な道具は選挙ポスターだ。今回の都議選(7月2日投開票)でも、写真の使い方、書き込む主張、色など、ポスターにはそれぞれの候補者の個性がにじみ出ている。小池百合子知事の登場によって、これまでと戦況が激変した今回の都議選だが、小池氏の影響はポスターの見せ方にも及んでいるようだ。

 小池氏が率いる都民ファーストの会の公認や公明など小池氏支持勢力の推薦候補は、本人の写真を大写しにした上で、小池氏とのツーショット、もしくは小池氏のワンショットも掲載した。

 公認候補は「ふるい都議会をあたらしく」など、都民公約を前面に押し出す。小池氏のイメージカラーの緑を基調にしているのも特徴。また推薦候補も「(候補者名)さんとともに東京大改革を進めます」という小池氏の言葉を添え、連携を強調する作りだ。

 小池氏支持勢力との対決構図となっている自民候補は、「信念」「正論」などの言葉で、責任政党としての自負を表現しようとしている。また、国政与党らしく、重鎮の閣僚らとの写真を掲載しているケースも散見される。

国政での支持率低迷で議席確保に必死な民進候補では、「改革」「変える」など、都議会・都政の刷新を強調。候補によっては、小池都政への支持を明言する文言もある。

 共産候補は、争点の1つとして豊洲市場(江東区)移転問題に言及。「移転阻止」「築地市場(中央区)再整備」などの文字が躍る。また、安倍晋三首相が意欲をみせる憲法改正の阻止をポスターで主張する。

 ほかもさまざまだ。小池都政誕生以降、よく耳にするようになった「○○第一」「○○ファースト」「ドン」などを転用している候補者も多い。

 また、子供とのツーショットで、子育てや福祉に力点を置くことを強調する候補者も見られた。

 こうしたポスターを有権者はどう捉えているのか。調布市の主婦(33)は「小池さんや国会議員と一緒にポスターに映っているのをみると、『誰の選挙なの?』と言いたくなることがある。もっと自分を主張してほしい」と話す。新宿区の男性会社員(43)は「これまでも改革を口にした候補者はいたが、変化した印象がない。きちんと主張を聞きたい」と話している。