http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS29H4W_Z20C17A6000000/

2017/6/29 19:49

 三木武夫氏ら2人の首相を出した自民党の派閥「番町政策研究所」(山東派、11人)が29日、最後の会合を国会内で開いた。7月の新たな派閥結成に伴って山東派は解散し、半世紀を超える歴史に幕を下ろすことになる。「老舗派閥」の解散に、党内からは「『番町』の名で親しまれてきた。感慨深いものがある」との声が漏れた。

 山東昭子会長は会合のあいさつで「番町としては今日が最後の会となる」と述べた。自身が会長代行に就任予定の麻生派などと発足させる新派閥については「風通しの良い派閥をつくっていきたい」と語った。山東派のほぼ全員が合流する。

 関係者によると、番町は、自民党結党翌年の1956年に三木氏ら2人を共同代表として発足した「政策研究会」がルーツ。64年に三木氏が単独で派閥領袖となった。

 派閥として三木、海部俊樹両氏を首相に送り出した。「保守傍流」とも呼ばれたが、ロッキード事件やリクルート事件など政治不信が広がった際に「金権政治の打破を掲げて、清廉なイメージが評価されてきた」(派閥幹部)としている。

 河本敏夫氏の領袖時代を経て97年、今の番町政策研究所に改称。高村正彦副総裁や大島理森衆院議長が会長を務め、2015年には山東氏が党内派閥で初の女性会長に就任した。〔共同〕