安倍晋三内閣の支持率が急落したのに、なぜ野党第一党の民進党の支持率は上がらないのか−。永田町で12年近く取材を続けているが、
あまりお目にかかれない珍現象だ。世論調査を分析し、民進党の内部事情も探ってみると、実に明快な答えが浮かんできた。根源は蓮舫代表(49)の信頼性。

もう一歩踏み込んでいえば、台湾籍と日本国籍の「二重国籍」問題が最終解決されていないことが主因ではないか。
国会戦術は結果的に民進党自身のイメージアップにつながらなかったといえる。

では、安倍政権に背を向けた世論が、なぜ民進党に向かわないのか−。

 党内に耳を傾けると、やはり「党の顔」である蓮舫氏に原因があるとの声が聞こえてくる。
閣僚経験者は「代表は人気こそあるが、根本的な信頼感、安心感を与えることができないから、結果的に党に注目が集まらない」と自嘲気味に語る。

 蓮舫氏の「信頼感」に迫るヒントが6月23日に告示された東京都議選に隠れている。都議選を前に、民進党に離党届を出した酒井大史前都議(49)は、
こんな「離党声明」を出している。

 《現在の民進党執行部は蓮舫代表の二重国籍問題にけじめをつけないどころか、敵失のみに執着し、目指すべき国家像も示しきれず、
政権交代を目指していた民主党時代の気概を失ってしまったことに、現在の党勢が顕著に表れているものと考えます》

 蓮舫氏は、記者会見で説明したことをもって二重国籍問題にピリオドを打ったと思っているのだろうが、世間の評価は違う。
民進党を離党したある都議選の候補者は「民進党時代、街頭でビラを配っていても『お前の党首は二重国籍だろ』『なんで戸籍を出さないんだ』と何度か罵声を浴びせられた」と振り返る。

加計問題でいくら安倍首相を攻め立てても、野党第一党の党首として自らが信頼を得られなければ、「蓮舫政権に任せて日本は大丈夫」と安心してはもらえないのだ。
民進党執行部には「国籍問題をこれ以上目立たせず、風化させて世間に忘れてもらえばいい」という無責任な意見もあるが、蓮舫氏を代表に担ぐ限り、
政党支持率が上向く可能性は低いだろう。

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