築地か、豊洲か−。東京都議選告示前に小池百合子知事が「築地は守る、豊洲を生かす」と併用案を発表した。
大方針は示したが具体策の説明はなく、築地市場がある中央区、豊洲市場がある江東区は揺れている。
小池氏が代表の「都民ファーストの会」の候補者ですら有権者への説明に苦慮。本部から“併用案解説書”が届いた。
そこから見えてきた築地の「民設民営プラン」。豊洲の移転、築地跡地売却を訴えている自民党は「選挙向けだ」と批判を強めている。

中央区の都民ファ候補は街頭では市場問題を多くは語らない。「全部を通して見ないと誤解を与えるので演説では難しい」。
しかし、有権者から質問があれば誠実に答える。本部からの膨大な資料に目を通し、不明点は電話で問い合わせる。

陣営関係者によると築地は「民設民営」を軸に収益を上げる案を検討中。大手デベロッパーに開発運営を任せ、
5年後をめどに戻って来るであろう仲卸業者とともに「築地ブランド」の継承と創造を実現する。
当選した暁には「築地の方々と何度も集会を開いて意見交換する。都知事とのパイプ役になる」と誓った。

 対する自民党の石島秀起候補は「玉虫色で財源問題も言わない選挙向けの計画だ。卸、仲卸の設備投資、引っ越し費用は都が出すの? 
業者はせっぱ詰まっている」と語気を強めた。

 都民ファの考えを一蹴するのが「都市場問題プロジェクトチーム」の元委員で無所属の森山高至候補だ。
内部で市場問題を見てきただけに「都民ファ案」を「都顧問団が小池さんに気に入られようと考えた机上論だ」と切り捨てた。
公設市場があるからこそ周辺に「築地ブランド」が構築できたと主張。築地市場の再整備を訴え、豊洲市場は別用途で使うべきとした。

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