【SSコンペ】しずく「翡翠色の栞」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
昔から本を読むのは好きだった。物語を読み進める度に広がる世界観に心躍らせていたし、知らない世界や知識を知れることに喜びを感じていたから。
私は自然と、自分でも気づかないうちに、その世界に入り込んでしまうみたい。
夢中で本を読む私に、親は色々なジャンルの本を買ってくれた。絵本から始まって、文学小説、ファンタジーもの、映画原作となったものまで。
読書に夢中になって、お母さんの呼びかけに答えなくてよく注意された。
そんな時、読んでいた本の途中のページに目印を付ける『栞』という物をプレゼントされてからは、そういった注意はされなくなった。 ─
──
「ちゅっ…んっ……」
栞子さんの唇から声が小さく漏れる。
ここは人気の少ない虹ヶ咲学園の秘密の場所。誰も通らないこの場所で、私は栞子さんとキスをしていた。
「しずくさん……」
唇が触れ合う度、栞子さんの吐息が顔にかかる。それだけでも心がドキドキするけれど、それ以上に彼女の体温を感じることが嬉しかった。
栞子さんに触れられるだけで、体が熱くなっていく。
(もっと…)
体中がそう訴えているような気がした。
だけど、栞子さんはそっと私との間に指を挟んだ。
「しずくさん、これ以上は……」
申し訳なさそうな顔をして指を口の前に立てる。
「分かってるよ」
本当はまだ物足りないけど、今日はこれぐらいにしておこう。分かってる、これ以上続けて他の誰かに見られたら大変だから。 「では、予鈴も鳴りますし戻りましょう」
「うん」
いつも夢中になって止められない私を栞子さんが抑えてくれる。栞子さんとのキスは本みたいなものだ。
私は読み始めたら止まらないし、ページを閉じることもできない。でも栞子さんがそこに栞を挟んでくれて、今日はここで終わりって所を教えてくれる。
そして、私が閉じた本の続きを読みたくなった時、いつでも栞子さんは隣に座って待っていてくれるんだ。
これはそんな私と栞子さんの話。 「……」
「どうしましたか?」
私の視線に気づいて栞子さんが訊ねてくる。
「ん?別になんでもないよ」
私達は廊下を並んで歩いている。栞子さんが生徒会室に運ぶ荷物を私も一緒に運んでいた。
「ごめんなさい、手伝ってもらってしまって」
「いいんだよこれくらい。私も鍛えてるからこんなの軽い軽い」
「ふふっ、ありがとうございます」
「さっさと運んじゃおう」
2人で喋りながら歩いているとあっという間に目的地に着いた。ドアを開けると中には誰もいない。
「そこに置いてください」
指示通りに机の上に荷物を置く。
「よし、これでOKだよね」
「はい、大丈夫です。ありがとうございました」
栞子さんが深く頭を下げてきた。こういうところは相変わらず律儀な人だと思う。 「戻りましょうか」
「え?もう戻るの?」
思わず聞き返してしまった。
「え?はい、次の授業の準備もあるでしょうし…」
「まあ、そうだね……じゃあさ、ちょっとだけ!ちょっとだけいいかな?」
少し躊躇いながら言うと、栞子さんは不思議そうに首を傾げた。
「いいですけど…」
「よかった!あのさ、ここ座ってくれる?」
私は生徒会用のソファの端に腰掛ける。栞子さんは言われるまま隣にちょこんと座った。
「それで何でしょうか?」
「キスしよ」
「へっ!?」 いきなりの提案に栞子さんは頬を紅くする。
「ど、どうしてですか?」
「したいなって思ったんだけど…」
理由なんて特になかった。ただなんとなく今すぐ栞子さんと触れ合いたいと思っただけだ。
「それは……今はダメです。もし誰かが入ってきたらどうするんですか」
栞子さんは周囲を見回しながら言った。確かにその通りかもしれない。
でも……。
「その時はその時に考えよ」
「そ、そういう問題じゃないですよ……」
栞子さんは困っているみたいだったけれど、私は構わず栞子さんの肩を抱き寄せる。
栞子さんは一瞬ビクッとしたけれど、すぐに力を抜いて私に身を預けてくれた。
「栞子さん…」
「はい…」 「好きだよ…」
「わ、私も…好きです…」
私はそのまま栞子さんの顔を引き寄せる。栞子さんは抵抗せずに目を閉じて受け入れてくれていた。
「ちゅ……」
唇を重ね合わせる。栞子さんの柔らかい感触が伝わってきて気持ちいい。
栞子さんはされるがままだったけれど、30秒ほどして私を押し返すように唇に指を当ててきた。
「こ、これ以上は…本当に…」
「……分かった」
残念だけど栞が挟まれたなら仕方がない。
私は素直に引き下がった。
「戻ろっか…」
「そうですね…」
私達は生徒会室を出てお互いの教室に戻る。
「それではまた後で」
「うん、じゃあね」 ─
──
栞子さんとの秘密のキスは、本を読むのと同じくらい楽しい時間だ。でも、その時間はいつも唐突に終わってしまう。
栞子さんが私を制止して、物語を終わらせてしまうから。
でもスクールアイドルの2人が隠れてキスしてるなんてバレたら噂が広がって、大変なことになるだろうし、しょうがないことなんだと思う。
せめてもう少し長くしていたかったけど、栞子さんが嫌がることはしたくなかった。
「……」
私は自分の席に座りながら、ぼんやりと窓の外を眺めている。今日も天気が良くて暖かい日差しが降り注いでいた。
(またキスできるかな)
そんなことを考えて、私は小さくため息をつく。
栞子さんとのキスはいつも突然始まる。
放課後、誰もいない空き教室や図書室の奥まった場所。時には外の物陰で。 場所は様々だけど、必ず人に見つかる気配のない場所で私達はこっそりと口づけを交わす。栞子さんとのキスはとても心地よくて、いつまでも続けていたくなる。
だけど栞子さんはいつも、物語のページを閉じるかのように、私との唇に指を差し込んでくるんだ。
「……」
まるで私が夢中になって、エスカレートしそうになるのが分かるかのようだった。
でも、栞子さんだって私と同じようなことを思ってる。私と同じように、もっと深く口付けたい、その先に進みたいと思ってるはず。
「はぁ……」
授業に集中できないまま午前中の授業が終わった。
─
── お昼休みの時間になると栞子さんと中庭までやって来る。
「しずくさん、見てください」
ベンチに座ってお弁当を食べ始めると、栞子さんが嬉しそうな声で呼んできた。
「ん?どうしたの?」
「今日はおにぎりをワンちゃんにしてみました」
「え?ホントだ!」
栞子さんのお弁当には海苔を巻いた小さな犬が並んでいる。
「可愛い〜!どうやって作ったの?」
「まずご飯を三角に握って……こうして耳と尻尾を付けて……」
栞子さんが解説してくれたけど、結構手が込んでた。
「すごいね栞子さん。私もやってみようかな」
「ぜひ挑戦してみて下さい。見てたレシピのサイトも教えますので」
「うん!」 お姉さんの薫子先生がこの学校に教育実習に来てからは、栞子さんが薫子先生と自分の分を作るようになった。色々調べてるみたいでレパートリーも増えてるらしい。
「薫子先生も今頃喜んでるだろうね」
「毎日食べる前にメッセージと写真が送られてきますよ」
「ふふっ、仲良いね」
「はい、とても」
姉妹だから仕方ないけど、ちょっと嫉妬しちゃうな。
「……栞子さんカメラ貸して」
「え?はい、いいですけど…」
私は携帯を借りて、栞子さんとお弁当と私が写る様にインカメを構える。
「撮るよ」
「え?」
パシャ
「いい感じに撮れたかな」
「あの、しずくさん?」
「今の薫子先生に送っておいて」
「え?あ、はい」 栞子さんは言われた通りにメールを送ると、すぐ写真と共に返信が来た。
『アタシも食べてるよ〜(^ ^)v』
文面を見て思わず笑ってしまう。
「ふふっ」
「どうかしましたか?」
栞子さんが不思議そうに訊ねる。
「なんでもないよ。ね、もう1回撮ろ」
「え?は、はあ……」
栞子さんは戸惑いながらも笑顔を作った所を私はキスと一緒に撮影した。
「っ!?///」
「うん、これも送って」
「な、なにをやってるんですか!?誰かに見られでもしたら……!」
栞子さんが慌てて周りを見回す。
「大丈夫だよ。ほら、みんなお昼に夢中だし」
「そ、そういう問題ではなくて……!というか姉さんにこれ送ったら喉を詰まらせてしまいます!」
栞子さんは顔を真っ赤になりながら抗議してきた。 「ふふっ、冗談だってば。そんなに慌てなくても誰にも見せないし、そもそも見られるようなことしないよ。栞子さんとのキスは私だけのものだから」
そう言って栞子さんの手を握ると、恥ずかしがりながら握り返してくれた。
「……さっき堂々とキスしてきたじゃないですか」
「あれは、まあ……つい外だってこと忘れちゃって」
「まったく…困った人ですね」
「ごめんね」
「いえ、別に謝らなくていいんですが……」
栞子さんは小さく咳払いをした。
「私達の関係は皆さんには秘密にする約束でしょう」
「うん、分かってる」
なんでかな。栞子さんといると、どうしても我慢できなくなっちゃうんだよね。
こうして話してるだけで幸せで、キスしたくてたまらなくなる。 「でも、栞子さんだってキスしたいんでしょ?」
「それは……」
「私と同じ気持ちなんだから、私だけ責められるのはおかしいと思うけどなぁ」
栞子さんは目を逸らす。やっぱり図星だったようだ。
「……ですから、人目につかない場所でなら」
「じゃあ放課後。みんながいなくなった教室でちょっとだけ」
「……はい」
栞子さんはこくんと小さくうなずいた。 ─
──
「んっ……ちゅ……」
放課後、誰もいない教室で私達はお互いの唇を重ね合わせる。
栞子さんとのキスは甘くて、頭が痺れそうになるほど心地よい。
(好き…大好き……栞子さん)
制服を指先で引っ張って、もっと近くに来て欲しくて合図する。栞子さんはそれに気づいてくれたのか、もう1歩私に近づいてくれる。
「ちゅ……んっ……」
「はぁ…はぁ……」
2人の吐息が混ざり合う。栞子さんが背中に腕を回して、ぎゅっと抱きしめてくれた。
「しずくさん…今日はもう終わりにしましょう…」
「やだ。まだ足りない……」
私は栞子さんの首筋に顔を埋めて甘えるように頬擦りする。
「ですが時間が……」
時計を見るともう20分は経っていた。
「あ、あと3分…」
「だ、ダメですよ…」
「お願い……」 栞子さんは小動物のように臆病だ。周りに誰かいないか敏感で、2人だけの世界に入ってしまうのを恐れている。
だから栞子さんはいつも私のおねだりを聞いてくれない。
「ごめんなさい……」
いつもみたいに唇に指を押し当ててくる。
(また栞を挟まれる)
栞子さんは寂しげに微笑んだ。仕方がない。栞子さんを困らせるのは本意ではないから……今日はこれでおしまい。
「ううん、私こそわがまま言っちゃってごめんね」
そう言いながら立ち上がって鞄を手に取る。栞子さんも立ち上がった。
「…それでは帰りましょうか」
「そうだね」
「ねえ、栞子さん」
「はい」
「今度遊ばない?最近私達忙しかったから……お互い空いてる日見つけてさ」 栞子さんはうなずく。
「いいですね。では……来週の土曜日はいかがでしょうか?」
「来週の?いいよ、私も空いてる。その日にしよ」
私は嬉しくなった。最近はずっと部活や習い事ばかりしていたから、栞子さんと遊ぶのは久しぶり。
「栞子さんは何かしたいことある?」
「そうですね…しずくさんの家に行きたいです……」
「私の家に?でも鎌倉だし、ここから遠いし」
「構いません。久しぶりにしずくさんの家に行ってみたいです」
「……」
(これって、そういうこと?)
栞子さんは私の部屋に来たがっている。つまり…つまり? 「そっか…分かった!」
「ありがとうございます」
栞子さんは微笑む。
「楽しみにしてますね」
「うん…///」
私は顔を真っ赤にした。栞子さんはきっと無自覚なんだろうけど、今の言い方はまるで……。
「わ、私もすごく楽しみだよ!」
私は早口で言った。部屋の掃除しなくちゃ。あ、でもそんな散らかってないか……でも念入りに……。
「しずくさん、数学のことで悩んでいるってこの前言ってましたから勉強会をしようと」
「……」
栞子さんは相変わらずだった。まあいいけど、そういう所も含めて好きなんだから。
「しずくさん?」
「あ、うん、部屋の掃除しておくね」 ─
──
「ここを先に計算して…」
「あ、そっか。えーと…?」
私の部屋。約束通り2人で勉強している。
栞子さんの教え方は分かりやすくて、おかげで少し問題が解けるようになった。
「大丈夫ですか?」
「うん、なんとか」
「よかった。分からない所があったら遠慮なく訊いて下さいね」
「ありがとう」
勉強会って形だけどこうやって栞子さんと2人きりでいる。それだけで嬉しい。
「……」
「……?」
栞子さんがじっとこちらを見ている。目が合うと慌てて逸らされた。 「どうかした?」
「いえ、なんでもありません」
栞子さんらしくもない曖昧な返事だった。
なにかを迷っているように見える。
「……」
私はペンを置いて、栞子さんの方に体を寄せた。肩と肩が触れ合って、体温と匂いを感じる。
栞子さんは微動だにしない。ただ静かに呼吸を繰り返している。
「栞子さん」
名前を呼ぶと栞子さんはびくりとして体を強張らせた。
「な、なんですか……?」
「今ね、オフィーリア以外家に誰もいないの」
「そ、そうなんですか……」
栞子さんは戸惑いながらも相槌を打つ。
「だから、その…」
私は栞子さんの手を握った。
「あっ…」 「……」
「……」
私達は見つめ合う。お互いの瞳の中に自分の姿が映っている。
栞子さんは目を逸らすことなく、ゆっくりと瞬きをした。
「んっ……」
唇から伝わる柔らかい感触。温かさ。栞子さんは目を閉じたまま私にされるがままになっている。
「ちゅ……んっ……」
私の手をぎゅっと握り返してくれる。もっと近くに来て欲しくて、片手を背中に腕を回して抱き寄せる。
栞子さんも同じ気持ちなのか、身体を密着させてきた。
「んっ……はぁっ……」
唇を離す。栞子さんは恥ずかしそうにうつむいている。
「栞子さん…」
「…はい」
「今日は誰にも見つからないから…」
私は栞子さんを見上げて微笑みかける。
「もっとキスしてもいいかな」
栞子さんは小さくうなずいた。
「しずくさんが望むなら……」
そう言うと、目を瞑って私にキスをする。 (今日は栞は挟まれない……私はきっと止まれない……)
唇が重なる度に、熱さが全身に広がっていく。
もっと求めたくて、もっと感じたくて、私の方に倒れるよう引っ張った。
栞子さんは私に身を委ねるように体重をかけてきて、そのまま床に押し倒した。
「栞子さん…」
「しずくさん…」
私達は何度も角度を変えて、互いの息遣いを感じながら唇を重ね続ける。
「はぁ…んんっ…はぁ……」
「はぁ…んっ……はぁ…」
栞子さんが私の上に覆い被さってくる。
両手で頬を押さえられて、上から真っ直ぐに見下ろされる。
「しずくさん……いいですか?」
「うん…」
栞子さんは私を見下ろしたまま、ゆっくり顔を近づけ、私の首筋に顔を埋め強く吸い付いてきた。
「あっ…!し、栞子さん…!」
私の首元に痕をつけるのに夢中になってるみたいで、全く離れようとしない。 (こんなの……初めてかも)
いつもは私が栞子さんを求める側だった。だからこうして栞子さんが私を求めてくるのは初めて。
「はぁ…っ、しずくさん……ごめんなさい」
「謝らないで?嬉しい…」
右手を頬に添えて、親指を栞子さんの口に当てる。
栞子さんはその指を口に含んで、丁寧に舐め始めた。
「ん…ちゅ…」
「ふふっ、くすぐったいよ」
私の右手を夢中で舐めてるのを他所に左手で栞子さんの服の裾を掴んで、少しずつ上に上げていく。
栞子さんは抵抗せず、それどころか私の手の動きに合わせて腰を上げてくれた。
「いい子いい子」
私は栞子さんのお腹をさする。綺麗な肌、ずっと撫でていたい。
「ん…っ、あ…っ」
おへその周りを円を描くようになぞると、栞子さんはぴくんと震えた。 「しずくさん…そこ、ダメです……」
「どうして?ここ弱いの?」
「ひゃ…あ…ぅ……や…だめ…ぇ…」
弱々しく声を漏らしながら耐え続ける。
私は構わず、さらに刺激を与え続けた。
「あぁ……あ…ん…っ」
「可愛い……可愛いよ」
栞子さんは顔を真っ赤にして、目に涙を浮かべている。
「しずくさん……もう…許して…ください……」
「ふふっ。ねぇ、私も脱がしてよ。そしたらやめてあげる」
栞子さんは私の言葉に従って、服の裾に手をかけた。
ゆっくりと上げていくと、ブラに包まれた胸が露わになる。
「あ…」
栞子さんは恥ずかしそうに目を伏せて、すぐに視線を戻した。
「見て……」
私は自分の胸に栞子さんの手を触れさせる。
「ほら、分かる?」
「はい…」 「ドキドキしてる……本を夢中で読んでる時みたいにこの先がどうなるのか気になってる」
「……」
栞子さんは何も言わない。でも、手が微かに動いて、揉もうとしてくるのが分かった。
「あっ…」
「んっ…」
その手に力がこもり始める。
「いいよ、栞子さん……」
私は栞子さんの頭を抱え込むようにして、自分の胸へと引き寄せた。吐息が胸の肌をくすぐる。
「は…っ、は…ぁ…しずく…さん…ん……」
「はぁっ…んっ…」
「下着が…邪魔ですね……」
そう言って、栞子さんは私の背中に手を回した。ホックを外すと、締め付けから解放されて柔らかな感触が戻ってくる。
「あ…」
栞子さんは私の乳房に触れて、優しく包み込んだ。
「柔らかいです……」
「栞子さんの手、気持ちいい……」 「私も…すごく、ドキドキします…」
栞子さんは両手を使って、私の両胸を同時に触り始めた。
「あっ…んっ……」
「しずくさん…」
栞子さんは私の耳元に口を近づけて囁いた。
「もっと触ってもいいですか…?」
「うん…触ってほしい…」
栞子さんの手つきが変わる。最初は遠慮がちに、そして次第に大胆になっていく。
「んっ…あぁっ……」
「はぁっ…はぁっ…」
栞子さんは私の反応を見ながら、いろんな触り方を試しているようだった。
「んっ…んんっ…」 「しずくさん……ここ、触ってもいいですか?」
栞子さんはそう言いながら、人差し指で先端に触れた。
「あっ…!」
「大丈夫ですよ」
栞子さんは微笑み、指先で乳首を転がす。
「はぁ…っ、んっ……」
「感じますか?」
「うん…もっと…」
栞子さんは片方の先端を口に含み、もう片方は指で弄ぶ。
「はぁっ、ああっ……!」
「はむ…ちゅぷ…」
「ああ…!それ…すごい…ぃ……!」
栞子さんの唇と指が同時に動く。あまりの快感に耐えきれず、私は身体を大きく仰け反らせた。
「あ…あ……!っあ……!」 えっっっ、えっっ、えっ、えっ.....っ........... 「しずくさん…?」
「はは……イッちゃったみたい…」
息を整えながら、栞子さんに笑いかける。
栞子さんは私の目を見返してきた。
「イッてしまったのですか?」
「うん……気持ちよかった…」
栞子さんにぎゅっと抱きしめられる。
「嬉しいです……私、いつもしずくさんが求めてくれるのに止めてしまっていて…」
「気にしてくれてたの?」
「はい……だから、こういう日が来た時は、満足させてあげたいと思っていたんです」
「もう…ありがとう」
意外なことを告白してくれた栞子さんの頭を撫でた。 「しずくさん……もっと…」
続けようとする栞子さんの唇の前に私は指を置いた。
いつもと逆。
「ごめんね、そろそろお母さん帰って来る時間だから…今日はここまで」
「あ…そうですか……」
栞子さんは名残惜しそうな表情を浮かべる。
「続きはまた今度ね。次は私が栞子さんをイカせてあげたいな」
そう言い栞子さんの胸の膨らみをつつく。
「んっ…」
「じゃあ、服着直そっか」
「あ、あの……首の痕つけすぎてしまって」
「え?」
鏡で見ると、確かにキスマークが何個もついていたた。
「あはは……どうやって隠そうかな……」
栞子さんの翡翠色の栞と私の空色の栞、これからも2人で使い合っていきたいな。 まともなしおしずを久しぶりに読んだ。
とても良かった。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています