果林「先輩よりも、仲間として」
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果林「ねぇ、少し気になったんだけど」
エマ「どうしたの、果林ちゃん」
果林「侑のコンクール出場と、歩夢の留学のこと、彼方は前から知ってたのよね?」
彼方「うん。同時に相談を受けてたからね〜」
果林「おかしくない?」
彼方「? 何が?」
果林「同じ3年生の私やエマにもその相談なかったのおかしくない?」
彼方「おっ、これはめんどくさい果林ちゃんかぁ〜?」 ミア「おい、それをいうならボクにも相談なかったぞ」
果林「ミアは年下じゃない」
果林「さすがに人生の後輩にそういう相談はできないでしょう」
ミア「人生の後輩に勉強を教わるのはいいのかい?」
果林「私は勉学においてプライドを捨てているからいいのよ」
果林「そういう"覚悟"で、私は勉強と向き合っているの。馬鹿にしないで」
彼方「なんて後ろ向きな覚悟なんだ」
ミア「それ覚悟じゃなくて諦めって言わないか?」 エマ「でも、わたしもミアちゃんも歩夢ちゃんの方は相談受けてたよね?」
ミア「え? ……あっ、海外でスクールアイドルがどうこうってヤツかい?」
ミア「そういえばそうだったね。あれも相談といえば相談か」
果林「ちょっと!!じゃあ3年生で相談されてないの私だけって事じゃない!!」
エマ「ちなみにランジュちゃんも一緒に相談受けたんだぁ」
果林「2年生のランジュにまで……!?」
彼方「(エマちゃんなんで今追い打ちかけたの……?)」 果林「私、自分で言うのはなんだけど、結構良いお姉さんしてきたと思うのよ」
彼方「果林ちゃんがなりふり構わなくなってきた」
果林「基本的にのほほんとしている同好会で、ピシャッと物言いができるポジションにもいるし」
ミア「まぁ確かに。議論におけるアウフヘーベン役は果林がよくしているね」
果林「そう……私は、バウムクーヘンなのよ」
エマ「果林ちゃんケーキだったの?」
彼方「知らない言葉をそのまま使うのはやめた方がいいよ」 果林「というわけで、原告に来てもらってるわ」
エマ「原告?」
果林「入ってきていいわよ」
侑「こんにちは〜」ガチャ
果林「さて、何故私にだけ相談がなかったのか、この場で吐いてもらうわよ」
彼方「これどっちかというと被告じゃない?」
ミア「さっきも言われただろ。その場のノリで言葉を使うんじゃないよ」
果林「そういうマジの説教は後にしてくれるかしら。話の軸がブレるわ」 侑「どうして私が果林さんに相談しなかったかだっけ?」
侑「そもそも彼方さんに相談したのも、ただの話の流れだったからだしなぁ」
果林「どういう事?」
侑「うん。私が自販機で飲み物買ってたらさ、外で奇声をあげながらクソデカ書道してる彼方さんがいてね」
果林「どういう事?(彼方が)」
エマ「遥ちゃんキメてる時の彼方ちゃんやべーやつだよぉ〜」
彼方「恥ずかしいぜ」 侑「それで話してたら、何か悩みあるでしょ?って聞かれたから、答えただけだよ」
果林「そうだったの。なら私に先に相談してた可能性もあったわけね?」
ミア「果林にそんな気遣いができればね」
果林「できるに決まってるでしょう!!!」
ミア「どうだか。果林はベイビーちゃんよりベイビーな所あるからね」
ミア「ベイビーの中のベイビー。ベビベビベイビベイビベイビベイビーだよ」
果林「誰が布袋寅泰よ!!!」
彼方「そのツッコミが即座に出てくる果林ちゃんなど見とうなかった」 果林「あら、もしかして歩夢も同じ感じだったのかしら」
彼方「そ、そうだよ〜(歩夢ちゃんは自発的に相談してきたけど)」
果林「彼方って嘘つく時、口元のホクロ掻くクセあるわよね」
彼方「えっ!?うそ、そんな事してた!?」バッ
果林「嘘よ。だがマヌケは見つかったようね」
エマ「そもそも彼方ちゃん、口元にホクロなんてないでしょ?」
彼方「そうだったそうだった。こりゃ一本取られましたな」ペロッ
ミア「(なんだこのノリ)」 果林「じゃあ歩夢もここに呼んで理由を聞かないとならないわね」
侑「あ、歩夢なら多分そこの茂み辺りに潜んでると思うよ」
歩夢「ば、バレてる!?」ガサッ
ミア「うわ。ホントにいた」
侑「しずくちゃんとの一件以来、ストーキング癖がついたみたいなんだ」
歩夢「ち、違うの!うっかり侑ちゃんに私から300m離れたら死ぬ呪いをかけちゃって……」
彼方「この歩夢ちゃん、めんどくさいなぁ」 果林「さぁ歩夢、答えてもらうわよ」
果林「何故エマや彼方には相談をして、私には相談をしなかったの?」
歩夢「うぅ……そ、それは……」
果林「返答には気を付けることね。内容によっては泣くことになるわよ」
エマ「誰が?」
果林「私がよ」
ミア「やっぱりベイビーちゃん、いや、ベイベベイベベイベベイベベイビーちゃんじゃないか」
果林「誰がペルソナ3の通常戦闘曲よ!!」
彼方「今日の果林ちゃんはレシーブ上手いなぁ。名リベロの器」 歩夢「例えば、私が侑ちゃんと結婚する事になるとするじゃない?」
侑「!?」
果林「……は!?」
歩夢「その場合、まず彼方さんに話すと思うの」
歩夢「多分、その次はエマさん」
ミア「Wait,Wait.何の話してるんだコレ?」
彼方「待って……もう少し様子を見よう」 歩夢「でも果林さんには……最後の最後まで話せないかなって」
歩夢「ごめんね、果林さん。でも信用してないわけじゃないの」
歩夢「でも、そういう……ことだから……」
エマ「……だそうだけど、果林ちゃんどう?泣いちゃう?」
果林「いや、意味がわからないんだけど」
ミア「誰か通訳呼んできてよ」
侑「歩夢が言いたいのは多分……」
ミア「通訳いるのかよ」 侑「3年生を家族で例えるなら彼方さんがお姉ちゃん」
侑「エマさんがお母さん」
侑「果林さんがお父さん……ってことじゃないかな」
果林「なるほどね……つまり……」
果林「…………どういうこと?」
彼方「なんかギリギリ何が言いたいか分からないのがもどかしいね」 侑「まぁ、要するに彼方さんのお姉ちゃん力がすごいってことだよ」
侑「私も歩夢も、抱えてた問題の答えなら実はもう出ていて」
侑「あと一歩、前に進めるよう押してくれる存在を欲していたんだ」
侑「ソフトに受け止めて、適度に押し返してくれるそのお姉ちゃん力が今の彼方さんにはあるんだよ」
侑「そう、まるで……お姉ちゃんおっぱいのようにね」
ミア「おいこいつが一番何言ってんだ」
果林「途中まで結構なるほどねと思ったのに、おっぱいで台無しよ」 果林「歩夢、そういう意味なの?」
歩夢「まぁ……おっぱい以外はそんな感じかな」
歩夢「果林さんはいつもブレずに自分の道を進んでるから」
歩夢「果林さんに相談して、正論で切られるのが怖かったのかも」
侑「それって、果林さんは押したら強く弾いてくるお父さんおっぱいってことじゃない……?」
ミア「キミもう黙ってな」 歩夢「だから、エマさんの後に相談するなら彼方さんかなって思っちゃった」
歩夢「ごめんなさい、果林さん」
果林「ううん、理由がわかってよかったわ」
彼方「果林ちゃんはいつもブレずに、ねぇ……」
エマ「卒業するのさみしい〜って上の空だった人が、ねぇ」
歩夢「え?そうなの?」
果林「言わなくていいから!!!」 果林「……まぁ、でもその通りよ。私だって迷ったり落ち込んだり、そんなことばかり」
果林「でも、仲間の悩みを分かち合うくらいの事はやってあげられるわ」
果林「だからこれからは、私の事ももっと頼ってね?」
歩夢「果林さん……!うん!そうだね!」
彼方「おや、これは一件落着ですかな?」
侑「エマさんは全て包み込んでくれるお母さんおっぱい!!」ガバッムギュギュー
エマ「ゆ、侑ちゃん!今はダメだよ!!」
ミア「やっぱり真のベイビーちゃんの地位は不動だね」 こんな姿になっても心理戦だけ上手いの果林さんて感じですき 果林「はーっ、これですっきりしたわ!」スッキリ
ミア「そうだね。果林だけ相談する対象じゃなかった事実が明らかになったからね」
果林「(カチン)エマとランジュのバーターで相談に乗っていただけの子がよく言うわね」
ミア「(カチン)は?」
彼方「ちょっ……やめなよ〜この空気でケンカとか」
果林「怒った?こんなお子様に相談だなんて……ヘソでお茶が沸いちゃうわ」
ミア「ならそのお茶でエマとお茶会でもするといいよ。エマ離れできないベイビーちゃん」
果林「じゃあ猫好きのミアちゃんも一緒にどう?そこで猫でも吸ってなさい」 エマ「……今、お茶会のことバカにしたよね?(低音)」
果林「あっ……違うのよ今のは」
エマ「2人とも……お茶会行き決定だね?(重低音)」
ミア「や、やめてくれエマ!一度参加しただけで頭がおかしくなりそうだったんだ!!」
侑「そろそろ帰ろうか」
歩夢「うん、私もさっき侑ちゃんがエマさんにしてた事についてじっくり聞きたいし(低音)」
侑「えっ、そ、それは……」マッサオ
彼方「か、彼方ちゃんはまっすぐ帰ろ〜……」 12月の寒空の下、
私は愛する遥ちゃんの待つ我が家へと駆け出した。
すぐ後ろからは2つの低音と、3つの悲鳴。
それはまるでこれから待つ未来を暗示するハーモニー。
きっと3人にはそれ相応の結末が待っているのだろう。
人は誰しも道に迷うもの。
そんな時、行く先を照らしてほしい時もあれば、
そっと背中を押してほしい時もある。
そんな時そばにいてくれる人との縁こそが、
本当の絆というのかもしれない。
今、私の帰る場所を温かく照らしてくれている天使のような遥ちゃんも、
今、私を背中をこれ以上なく押してくれている地獄のような仲間の悲鳴も、
私の紡いできた絆の結果なのだ。
振り返らず、恐れず、前へ進もう。
離れていても、仲間はいつまでも仲間なのだから。
――ちなみに侑ちゃんは歩夢ちゃんが留学したことで
300m以上離れて死にました。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています