SCP-003-LL「主張の不在」
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https://i.imgur.com/pyIHFYP.jpg
◾︎◾︎博士によって収容時に撮影された画像。
バストアップ写真にも関わらず、SCP-003-LLの特異性により鼻先から上部の記録に失敗している。 アイテム番号:SCP-003-LL
オブジェクトクラス:Euclid
特別収容プロトコル:
SCP-003-LLは、サイト-◾︎◾︎にあるヒト型生物居住区画へ収容し、その中を自由に移動する事を許可しています。
尚、区画入り口に設置された指紋認証。網膜認証。声紋認証等のセキュリティシステムは、その特異性からSCP-003-LLに対して正常に機能しないため、当該オブジェクトを同伴した居住区画外での実験は、サイト管理官により禁止されています。 概要:
SCP-003-LLは、▪︎▪︎▪︎、▪︎▪︎▪︎区に住む、▪︎▪︎歳の日本人男性です。
SCP-003-LLとコミュニケーションを取る、又は撮像、録音機材等による記録を行った場合、
SCP-003-LLの声。及び、鼻先より上部を記憶、記録する事に必ず失敗します。
SCP-003-LLとの会話に於いて、内容を記憶、又は活字として記録する事は可能です。
しかしながら声質やアクセント、顔の特徴など、当該オブジェクトの個性に関わる全ての記憶、映像の記録、又は画像の記録は欠如します。 コレは、既知の映像処理装置(X線、サーモグラフィック、暗視装置等)などにもその影響を及ぼし、
SCP-003-LLの鼻先より上部、そして声は、如何なる手段を用いても記録、記憶する事が出来ないと言う結果を齎します。
例外として背後からの写真、映像撮影、視認等による観察のみが、SCP-003-LLの顔上部の記録、記憶保持に成功しています。
現在のところ、SCP-003-LLに対してその機能を十分に果たす事が可能な認証システムは
静脈認証。DNA認証。行動認証の3パターンのみに限られます。 https://i.imgur.com/F3Ohvg1.jpg
エージェント◾︎◾︎に装備された、小型遠隔操作カメラにより撮影した確保直前のSCP-003-LL。
この後、エージェント◾︎◾︎と小規模の戦闘行為に発展したため、テーザー銃を用いての鎮圧を余儀なくされた。 https://i.imgur.com/tw4a4eD.jpg
背後から撮影されたSCP-003-LL
唯一、頭部全体の撮影に成功している。 ──────────────────────
[インタビューログ003-LL]
インタビュアー:◾︎◾︎博士
対象:SCP-003-LL
前述:収容初期、SCP-003-LLの異常性を調べる為
▪︎▪︎博士によって行われた検証実験
以下は、その音声記録である。
────────────────────── 〈録音開始〉
▪︎▪︎博士とSCP-003-LLが入室する。
▪︎▪︎博士「こちらへ。どうぞ」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「いえ、向かいの椅子を使って下さい」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「はい、結構です」 インタビューの為、▪︎▪︎博士とSCP-003-LLがそれぞれの席に着く。 SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「えぇ、はじめまして。SCP-003-LL」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「こちらこそ、宜しくお願いします」
▪︎▪︎博士「それでは、インタビューを始めます」
SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「最初の質問です」
◾︎◾︎博士「SCP-003-LL。貴方が、貴方の人生に於いて、その特異性を認識したのはいつ頃ですか?」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「……」 博士の質問に対して、SCP-003-LLがその回答と自身の生い立ちについて話しているが、
SCP-003-LLの持つ異常性質のため、音声の記録に失敗している。 ▪︎▪︎博士「はい、分かりました」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「では、日常会話において、貴方とのやり取りに違和感を持っていた方などはいましたか?」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「なるほど、そうですか」
▪︎▪︎博士「……」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「……はい?私ですか?」
SCP-003-LL「……」 この時、記録を取っていた▪︎▪︎博士の外見についてSCP-003-LLが言及する。 ▪︎▪︎博士「申し訳ありません。規則上お答えしかねます」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「そうですね、年齢不詳だとはよく言われますよ」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「すみませんが、此方の質問にだけお答え願えますか?」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「いえ、規則で決まっているだけですので、他意はありません」 SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「ありがとうございます。それでは、次の質問に移ります」
▪︎▪︎博士「SCP-003-LL。貴方の声、及び鼻先より上を記録している映像、または記憶している人物に心当たりはありますか?」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「そうですか」
▪︎▪︎博士「失礼。少し席を外します」
▪︎▪︎博士が席を立つ。 この時点でSCP-003-LLの映像記録の確認が行われたが、前述した異常効果によりSCP-003-LLの特徴を示す物は、一切記録されていない。 ▪︎▪︎博士「失礼しました」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「いえ、そう言うわけでは……気にしないで下さい」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「はい。それではインタビューの続きを行います」
▪︎▪︎博士「SCP-003-LL。貴方は、貴方自身の顔全体の造形を把握していますか?」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「では、それを描く事は可能ですか?」
SCP-003-LL「……」 SCP-003-LLが用紙と筆記用具、
それから手鏡を要求する。 ▪︎▪︎博士「分かりました」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「では、こちらの用紙にお願いします。ペンはコレを」
SCP-003-LL「……」
▪︎▪︎博士「終わりましたら、確認させて下さい」
SCP-003-LL「……」 ここより、約10分間ほどSCP-003-LLが自身の顔を模写している様子が確認される。 ◾︎◾︎博士「描き終わりましたか?」
SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「では、渡して貰っても構わないですか?」
SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「ありがとうございます」
◾︎◾︎博士「……」
SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「ふむ、なるほど」 ◾︎◾︎博士「やはり、貴方が持つ特異性は、貴方自身の行動にも影響を及ぼす様ですね」
SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「特に意識した訳ではなかったと……分かりました」
◾︎◾︎博士「では、次の質問です」
◾︎◾︎博士「SCP-003-LL。貴方の異常性質について言及してくる様な方は、今までいらっしゃいましたか?」
SCP-003-LL「……」 ◾︎◾︎博士「そうですね」
◾︎◾︎博士「例えばですが、学生時代の入学式や修学旅行、卒業式などに撮るだろう写真にも、貴方の能力は適用される訳です」
◾︎◾︎博士「ですが、貴方が写っている限り、これらの写真は正常には撮影されない訳ですよね」
SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「そう言った場合、周りの方々はどの様な反応をされて、それに対して、貴方はどう応対をなさっていたのでしょう」
SCP-003-LL「……」 SCP-003-LLの語りが数分ほど入る。
SCP-003-LLの異常性質に関わった者は、その性質を認知はするものの、特に気にも留めていなかったと言う。
これにより、SCP-003-LLが保有する異常性質には、その特性を隠蔽する為の認識災害。またはミーム効果が付随するものと推測される。 SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「わかりました」
◾︎◾︎博士「辛いお話をさせてしまい、申し訳ありません」
SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「誰一人、ですか」
◾︎◾︎博士「しかし、こうしてお会いする限りは、貴方の顔を忘れる事は無いと思いますよ」
SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「ふむ」
SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「ほう、なるほど」 周囲の誰一人として、SCP-003-LL本来の顔を覚えている者はいない事実に対する、現在の心境を語る。
重要性が低いため省略。 SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「薬?普段飲まれている物のことでしょうか」
SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「……そのお話を、一体どの様なタイミングで知ったのかは存じませんが、確かにそう言った物は存在します」
◾︎◾︎博士「異常性質の暴露や、それに伴い我々が負う事になるでしょう損失を考慮しなければ、確かに、そうする事は可能ではあります」
◾︎◾︎博士「しかし、なぜ貴方が記憶処理薬を?」
SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「そうですね、検討しておきましょう」 親類縁者全ての記憶から、自身に関する情報の一切を消去して欲しいと嘆願するSCP-003-LL。 SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「はい?」
SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「なにか?」
SCP-003-LL「……」
◾︎◾︎博士「そうですか、分かりました」
◾︎◾︎博士「ご協力有難うございました。次回の日程は追って連絡します」
SCP-003-LL「……」
SCP-003-LL「……」 SCP-003-LLが、最期に何かを発言したと思わしき身体反応を、カメラが記録していたが
SCP-003-LLの異常性質により、詳細は不明のままである。 補遺:
下半身の存在を認識できない例の猫とは違い、ちゃんと顔の上半分は存在しているし、
我々もそれを"顔"として、しっかりと識別は出来ている。
しかし、いざそれを思い出そうとしても、何故か顔の上半分
つまり、目の形や光彩、髪型や額の広さ、眉毛の形など、凡そ本人と主張出来得るパーツの類いは一切思い出せない。
それに、描画はおろかそれを口伝する事もそうだし、映像や音声の記録すらも不可能だと言うのだから、管理する側からすれば全くたまったものではない。
この特性は、ある種あの"丸くはない物"に通ずるのではないだろうか。
それは、会話で例えるなら、前後のやり取りに於ける"連想"が可能だと言う事。
そして、今のところ原因が全く解明出来ていないのだが、
唯一背後から撮影した場合のみ、今まで不可能だった頭部の上半分を記憶、記録する事が可能だと言う事が判明している。
コレは仮説なのだが、もしかしたらSCP-003-LLの潜在意識では、顔を見られたくないと言う願望があるのかも知れない。
……そう、
素顔を見てしまった者を無限に追跡し、必ず抹殺する、あのバケモノの様に。 ────────────────────
本作品は、SCP財団に掲載されている報告書
とは全くの無関係であり、登場するオブジェ
クト・職員・機動部隊等の特性は、飽くまでも
二次創作の範疇に限ります。
──────────────────── 反ミームじゃん055あたりとぶつけてわせてみようぜ アイテム番号 SCP-004-LL
オブジェクトクラス Euclid
特別収容プロトコル
SCP-004-LLは1m^3のダンボールに格納します。特別な封じ込め措置は必要としません。
SCP-004-LLはランダムに一般の店舗に出現することがあります。職員は発見次第速やかに対象を回収してサイトRHに設置された集積倉庫に搬送する必要があります。
職員は許可なく容器を開封してはなりません。
説明
SCP-004-LLは半径8cmの円形の容器に印刷された認識災害です。容器の外周にはアニメ調の絵が書かれており、内部に紙で出来た札(以降SCP-004-LL-1)が同封されているようなメッセージが記載されています。
本容器のバッケージは誰でも開封することが可能で内容物を確認することができますが、容器を開封した段階でSCP-004-LLのミーム効果の影響下に入ります。
この効果を受けている状態で内部のSCP-004-LL-1を見た場合、開封した物には対象が乾燥した小麦の加工品(以降SCP-004-LL-2)に見えます。これは食べることも可能ですが、その後のバイタルチェックによればSCP-004-LL-2の外見から推定される栄養素が体内に取り込まれた形跡がありませんでした。
現在、SCP-004-LLのミーム効果を受けずにSCP-004-LL-1を観測する方法は確立されていません。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています