璃奈「胡蝶の夢」
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「胡蝶の夢」
現実と夢との区別がつかないこと。
転じて、人生のはかなさにたとえる。
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―――
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歩夢「♪〜(開花宣言)」
璃奈「歩夢さん、なんか機嫌がいい。どうしたの?」
歩夢「実は昨日の夜、侑ちゃんと付き合っている夢を見たんだ〜。」
璃奈「あれ?てっきり私は歩夢さんと侑さんはとっくに付き合っているのかと。」
璃奈「璃奈ちゃんボード[意外!]」
歩夢「そそそ、そんな付き合うなんて……。恥ずかしくて無理だよぉ……」
璃奈「でも侑さんから告白されたらOKするんでしょ?」
歩夢「それは……まぁ、そうだけど……モジモジ」
璃奈「さっさと告白しちゃえば良いのに。」
歩夢「そんな簡単に言わないでよ!」
璃奈(やれやれ、二人が両想いだって傍から見たら一目瞭然なのに) PC回線からスレ立てできなかったので>>1だけスマホ回線です
以後このIDになります 歩夢「そういう璃奈ちゃんは愛ちゃんとどうなの?」
璃奈「今は歩夢さんの話をしているの。そういうのは後にしよう。」
歩夢「もー自分たちの話は全然しないんだから〜」
璃奈「それで、どんな夢だったの?」
歩夢「気が付いたらもう侑ちゃんとは恋人の関係で」
璃奈「うん」
歩夢「手をつないで帰ったり、家で宿題をしたり」
璃奈「ふむふむ」
歩夢「そのまま侑ちゃんが寝ちゃって、ベッドに運んであげたり」
璃奈「その後は?」
歩夢「その後は……///そこで起きちゃったかな?///」 璃奈「歩夢さん嘘は良くない。」
歩夢「嘘じゃないよぉ!」
璃奈「隠すなんて怪しい……どうせえっちな事をしようとしたのでは?」
璃奈「璃奈ちゃんボード[ジト目]」
歩夢「そんなことないもん!ちょっと侑ちゃんの隣で添い寝して、侑ちゃんってほんと華奢だな〜って思ったり、体温高くて安心するな〜って思ったり……あれ?」
璃奈「歩夢さん、良くしゃべる。」
璃奈「璃奈ちゃんボード[にっこりん!]」
璃奈(でもそれって、いつもしていることでは……?)
歩夢「ここまで話すつもりじゃなかったのに……璃奈ちゃんが動揺させるから!!」
璃奈「でも歩夢さんは露骨に侑さんに迫るより、そんな感じの方が歩夢さんらしくてかわいいと思う。」
歩夢「冷静に分析しないでよぉ〜!」 璃奈「でも歩夢さんが幸せな夢を見られてよかった。」
歩夢「たしかにね。でも夢だった分、起きた後のがっかり感はすごいよ。あと3日は引きずりそう。」
璃奈「確かにそれは上げて落とされた感じだね。」
歩夢「璃奈ちゃんは夢とか見ないの?」
璃奈「私は睡眠時間が短いせいか、あまり夢を見ない。ずっと深い眠りにいるみたい。」
歩夢「ずっと深い眠りなんて羨ましいな〜」
璃奈「多分こういう寝方は健康に良くない。それに夢を見られないのもつまらない。」
歩夢「なるほどね〜。」
歩夢「あ〜あ、あのまま夢が覚めなければよかったのになぁ」
璃奈「歩夢さんはずっと夢の中が良かった?」
歩夢「なんかそう表現するとすごく後ろ向きな感じになっちゃうけど、でも……そうかな。実際すごく幸せだったし。」
歩夢「もちろん現実で勇気を出すことが一番良いって、頭ではわかっているんだけどね。」 璃奈「これはある種の実験なんだけど、歩夢さんは今この場所が夢じゃなくて現実だと思う?」
歩夢「それは、なんとなくそう思うかな。」
璃奈「じゃあ、それを証明できる?」
歩夢「こうやって頬をつねれば……痛い! うん、現実だよ。」
璃奈「ちなみに夢でも痛覚を感じることはあるみたい。」
歩夢「そうなの!?でも言われてみれば夢の中で頬をつねったことないかも。」
璃奈「そう、普通は自分がいる場所が夢の中だと疑いすらしない。」
歩夢「確かに。」
璃奈「それが重要。人間はよほどのことが無い限り夢が現実かを確かめようとしない。」
歩夢「確かに、私も今璃奈ちゃんに「現実ですか?」って聞かれなかったら確かめようとも思わなかったよ。」 璃奈「普通は夢でも現実でも、自分がいる場所は現実だと思ってしまう。」
璃奈「だから人間は夢と現実の区別がつかない。そんな状態の事を「胡蝶の夢のようだ」って言うみたい。」
歩夢「胡蝶の……夢?」
璃奈「荘子って聞いたことある?」
歩夢「昔の中国の人だっけ?」
璃奈「そう。しかも滅茶苦茶頭が良かったみたい。そうしだけに。」
―――侑さんが部室にログインしました―――
侑「あれ?今ダジャレの波動を感じたんだけど、気のせいかな?」
―――侑さんが部室からログアウトしました―――
歩夢「ふふっ。それで?」
―――愛さんが部室にログインしました―――
愛「あれ?いまゆうゆがダジャレを求めていた気がしたんだけど。」
璃奈「愛さん、帰って」
―――璃奈さんが愛さんを部室からログアウトさせました―――
璃奈「……」 璃奈「…………」
璃奈「簡単に説明するけど、ある日荘子が急に蝶になっちゃったんだって。」
璃奈「もちろんそれは荘子の夢で、起きたら人間に戻っていた。」
璃奈「でも夢の中の荘子は自分が蝶であることに何も疑問を抱かず、ふらふらと空を飛んでいたみたい。」
歩夢「付き合っていることに何の違和感もなかった私みたいだね。」
璃奈「歩夢さんと侑さんが付き合っていないのは逆に私が疑問を感じる。」
歩夢「またまた璃奈ちゃんってば〜、ほめても何も出ないよ〜?」
璃奈「それで、荘子は思ったみたい。今の人間として存在しているこの世界が現実なのか、はたまた蝶として空を舞っていた世界が現実なのかわからないなって。」
歩夢「そう思うと、なんか夢だけじゃなくて、現実さえも儚く感じてくるよ。」
璃奈「そう。夢と現実は区別できない。だから人生は儚い。よくこんな意味で使われる。」 歩夢「よく夢の中で宿題をして、終わったと思ったら現実では真っ白、みたいな話あるよね。」
璃奈「それこそ告白が成功した!と思ったら夢だったとか。」
歩夢「もし夢の中だって分かっていたら頑張らなくて済んだかもしれないのに……これって損しているのかな?」
璃奈「考え方によってはそうかもしれない。でも、私は人間のそういう所が好きかな。」
歩夢「そういう所って?」
璃奈「夢の中でも現実だと思って頑張っちゃうところ。なんか全てに全力って感じがして好き。」
歩夢「たしかに、それはそれで人間らしいのかもね。」 どちらも自分なんだから気にすんな的なのが元の意味らしいな 歩夢「よし!夢の中の私だって頑張っているんだから、この私も頑張らないとね!もしかしたら夢かもしれないけど!」
璃奈「うん!歩夢さんかっこいい!」
歩夢「私、勇気出して侑ちゃんに告白してくるよ!」
―――せつ菜さんが部室にログインしました―――
せつ菜「何だが呼ばれた気がしたので、優木が出てきました!!!!!!」
せつ菜「本物の優木せつ菜ですよ!!!!!!!!!!」
せつ菜「キョロキョロ」
せつ菜「気のせいだったみたいですね、帰ります!!!!!!」
―――せつ菜さんが部室からログアウトしました――― 璃奈「えっ?いきなりすぎてびっくりだよ、歩夢さん。」
歩夢「善は急げって言うし、思い立ったが吉日だよ!」
璃奈「歩夢さん……」
璃奈「璃奈ちゃんボード[ファイト!]」
――
―――
――――
Pipipipipipipipi
璃奈「あれ?朝か……」
璃奈「まさか夢の話をする夢を見るとは……」
璃奈「いやでもよく考えたら急に変な通知が表示されたり、いきなりせつ菜さんとか侑さんとか愛さんが出てきたり、おかしい点はいくらでもあった。」 璃奈「そもそも何で私たちビッグサイトにいたのかな。」
璃奈「全く疑問に思わなかったよ。コミケでもないのに。」
璃奈「あと私、夢を見やすい体質だし。そこもおかしい。」
璃奈「ついでに、侑さんと歩夢さんが付き合ってないのもあり得ない。」
璃奈「やっぱり夢だと違和感が無いんだ……」
璃奈「パソコンしながら寝落ちしちゃったからマウスが溶けちゃってる。また本屋で買ってこないと……」
璃奈「あれ?歩夢さんからメールが来てる。」
歩夢:あの後侑ちゃんに告白したらOKもらったよ!背中を押してくれてありがとう!!
璃奈「あれ?さっきのって夢じゃなかったのかな……?」
璃奈「えっ?」
完 おつ
みんな璃奈ちゃんが生み出したAI達ですぐ消される存在とか色々想像してたけどハッピーエンドでよかった そもそも人はどうしてコミュニケーションできるの?
夢かもね分かんないけど ゲーデルの第2不完全性定理
自然数論を含む形式的体系が無矛盾ならば、その無矛盾性をその体系内から導くことはできない。
夢と現実に例えるならば、今いる世界に違和感がない限り、それが夢だと気づくことはできない。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています