侑「歌声をもう一度」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
璃奈「出来た。映像の中に入れるマシーン」
侑「なにそれなにそれ?」
璃奈「文字通り映像の中、創作物の中に入れる装置」
璃奈「テスト走行にはさっき行った。とりあえず上手くいったから安心して」
侑「へぇ、こんな無骨なバギーみたいな装置がね」
璃奈「さ、乗って。初めはどこ行きたい?」
侑「じゃあさ、じゃあさ!最近サブスクが解禁されたホラー映画があるんだけど、それ見たい!」よじよじ
璃奈「オッケー!シートベルトもつけて」がちゃん
璃奈「それじゃあ出発進行ー!」
侑「おー!」 璃奈「アクセル噴かせて」ぶるんぶん
璃奈「そして一気に加速!」ぶおおおん
侑「うわぁあああ!」
侑「前!壁!ぶつかる!!」
璃奈「大丈夫。こうやって加速してあげる事によって四次元の壁を超えてマルチバース次元へ侵入するの」
璃奈「侵入まで、あと、3、2、1、」
侑「うわぁあああ!」 シュン!
璃奈「侵入成功」
侑「な、なにここ...おもちゃの空間みたいな...」
侑「色んなものが宙に浮かんだり、色んな人が上下左右関係なしに行き来してる」
璃奈「ここがマルチバース空間。映像作品から創作物は、同じ軸を共有していて、それを可視化・立体化・次元化する事に今回は成功した」
璃奈「侑さんが行きたいのは、最近サブスクが解禁されたホラー映画だから...」ぽちぽち
璃奈「機械に座標を打ち込むと....あった。こっち」
璃奈「ここら辺までマシンを走らせて」
空間「パカリ」
璃奈「こうやって空間にドアを開けてあげるの」
侑「なんだかよくわからないけどすごい」
璃奈「これから作品の中に入るよ。でも、私達が出来ることは遠くから場面を見守ることだけ」
璃奈「ストーリーへの干渉は、どの様な危険性があるかわからないから」
璃奈「あくまで、撮影を見守るスタッフとか、野次馬程度に考えて置いて」
侑「はーい。それでも作品を間近で観られるってワクワクするね!」 侑「うわぁ...ラストのシーン、ちょっとシュールだと思ってたんだけど、こういう意味だったのか」
侑「近くで見ると、息遣いまで聞こえてくるから、感受性がどんどん研ぎ澄まされていく気がする」
璃奈「舞台見てる感覚に近いね。今度しずくちゃん誘ってみようかな?」
璃奈「楽しんでもらえてよかった。今日はもう帰ろう」
璃奈「えーっと、座標を打ち込んで...」
侑「またさっきのおもちゃの空間通るの?」
璃奈「うん。アレが中央通りみたいなもので、どの作品にも繋がってるターミナルなの。私達の生きてる次元にも繋がってる」
璃奈「ぽちぽち....これで帰れるはず」
空間「パカリ」
璃奈「よし、帰ろう」 よくこんなペースで書こうと思ったな
pixivでやれ ブオオオン
侑「本当不思議な空間」
シュン
侑「あっ、あっちこっちに扉が開くんだね」
璃奈「扉が開く場所について、まだまだわかってない事が多い。これからの研究課題はそこかな」
璃奈「あった。私たちの次元に帰れる扉」
璃奈「ちょっと徐行して...」
ドア「シュン!」
侑「わっ!?璃奈ちゃん!?私達の横に大きなドアが!!」
璃奈「こんな真横に扉が出現するなんて!?そんな!?」
ドア「ガチャリ」
侑「ドアが空いた!」
恐竜「ガオー!」
璃奈「きゃっ!踏み潰される!!」
侑「うわぁあああ!!」 侑「うわあああ!!」
侑「どうしよう。放り出されちゃった」
ドア「ギィ」
ドア「シュゥウウウウ」
侑「泳げば進めるかな?んしょんしょ」平泳ぎ
侑「全然進まないなぁ」
侑「んしょんしょ」平泳ぎ
侑「ん?なんか私吸い込まれてない?」
ドア「シュウウウウウ」
侑「やっぱり吸い込まれてる!」
侑「平泳ぎ...からのクロール!」
侑「...ってやっぱり無理〜!!」
侑「うわぁあああ!!」 ______________
_________
_____
かのん「(あぁ...今日も布団から抜け出せない)」
かのん「(ん〜...気分が本当乗らないなぁ)」
かのん「(起きなきゃ)」ムクリ
かのん「あー、部屋の掃除もやらなきゃじゃーん!」
かのん「めんどくさい〜!!」
かのん「ギターも置きっぱなしだし...」ジャラン
かのん「ギター触るのも久しぶりだなぁ...」ジャランジャラン
かのん「ほんのちょっぴり悲しい時なら〜♪」
かのん「背筋伸ばして声を飛ばせば〜♪」
かのん「るるーるる〜」
ピカーン!!
かのん「ん?何々!?光った!?」
かのん「光が集まってドアに!!」
ドア「ガチャリ」 侑「ぐへっ!!」ゴロン
侑「っ!いったぁーい!」
かのん「は?誰誰誰!?」
侑「へ?人?」
かのん「不審者!!不審者!!助けてお父さん...って今日は家に私一人だけ!!」
かのん「悪霊退散悪霊退散!!えいえいえーい!」ぽんぽん
侑「いたっ!いたたたたた!!ちょっと!?物投げないで!!」
侑「私は怪しい人じゃありませーん!」
かのん「いきなり部屋の中に現れた人が怪しくない訳ないじゃん!!」
かのん「警察呼びますよ!!て!あ!!スマホ充電切れてる!!なんで!!」
侑「話を聞いて!!」 _______________
_____________
___________
璃奈「はぁ...はぁ....」
璃奈「あの後なんとか持ち直して...うっ」
璃奈「侑さんが...侑さんが」
璃奈「はぁ...はぁ...動悸が止まらない...」
璃奈「みんなに伝えなきゃ」
璃奈「飛ばされた方向からある程度の座標軸は割り出せるけど、その前にこのマシンなおさなきゃ」 __________
_______
_____
ぐるぐる巻きにされた侑「むうむぅ」
かのん「で、あなた一体誰なんですか?」
侑「むぅむぅ」
かのん「あっ、口にガムテープ付けてるから話せませんでしたね。すみません」ビリっ
侑「いっ!....わ、私は!!」
侑「(でも、この世界が映像作品の中の世界だって言っても信じてくれるのかな...)」
侑「(私だったら信じない...)」
侑「ほ、ほら悪の秘密結社とかの?ね?」
かのん「急にドアが現れたのも意味わかりませんし、帰ってください」
侑「は、はい...」
侑「あ、あのォ...」
かのん「?」
侑「帰るから、縄外してもらっていい?」
かのん「玄関出たら外してあげる」
侑「はい...お願いします」 かのん「はい、縄外しました。もう帰ってください」
侑「あ、ありがとうございましたぁ...」
侑「ね、ねぇ...最後の質問なんだけど...」
侑「ここってどこ?」
かのん「は?」
侑「ここって、日本のどこなのかなぁって?」
かのん「青山ですけど」
侑「そ、そうだよね〜。あはは〜。お邪魔しました」
かのん「...む」バタン
侑「青山ってあの青山だよね?」
侑「お台場まで近いはず...もうどうしようもないからとりあえずお台場行こう...」 侑「(よかったぁ。この世界でも交通ICは使えるみたい」
侑「(もうすぐお台場。次元は違うけど、自分の家って存在してるのかな?」
アナウンス「次は天王洲アイル、天王洲アイル」
侑「アイル過ぎたらもうちょっと...」
アナウンス「次は天王洲アイル、天...王..アイ天」
アナウンス「天、る、る、る」
りんかい線「プシュ」
侑「えっ!?」
りんかい線「ギギギギギ」
りんかい線「次は品川シーサイド、品川シーサイド」
侑「おかしい!なんで戻ってるの!?」 侑「結局は徒歩かぁ...」
侑「おかしい事はわかってるけど、この先に一体なにがあるのか確かめないと」
侑「....テクテク」
侑「ここまでは、ある。だけど、ここから向こうは....」
切り立つ断崖「ヒュオオオオオオ」
侑「....」
侑「お台場が、ない」
侑「あ、あはは。どうしよう。この次元から元の世界に戻れるのかな?」
侑「...う、うぅ、うわああああん」 _______________
___________
________
かのん母「かのん〜おつかいお願い」
かのん「え〜?なんで私?」
かのん母「ありあは今お風呂掃除して貰ってるの。あなた暇でしょ?」
かのん「小遣いくれたらいいよ」
かのん母「はぁ?やる訳ないでしょ」
かのん「ちっ、ケチ」
かのん「うわっ、こんな遠くまで行かないといけないの?」
かのん「はぁ〜やってらんない」
かのん母「でも行きなさい」
かのん「はーい」 かのん「(わざわざこっちの方まで買い出しとか)」
かのん「(はぁ〜)」
かのん「(まぁ気分転換にはいっか)」
ガタンゴトン
かのん「(ん?目の前に座ってる人どこかで見たこと...)」
かのん「(って、あ〜っ!今日部屋に出た不審者!!)」
かのん「(暗い顔してるな...ってダメダメ!不審者は不審者!!)」
かのん「(同情なんかしちゃダメ!)」 侑「(なんなんだろうこの次元)」
侑「(八王子方面に出ようとしたら、そこも線路が断絶してた)」
侑「(今は南に向かってるけど、これも多分....)」
侑「はぁ...」
侑「(今日はこの辺りのネカフェで泊まろう)」
侑「(次で降りよう...)」
プシュ〜
侑「はぁ...」テクテク
かのん「はぁ...」テクテク
二人「あっ」 璃奈に作品に干渉するなって言わせといて干渉させる気満々なのはどうなのか >>25
だからアクシデントでその非推奨な状況に陥ったんだろ?
どうした? ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています