――夕方、葉月家

千砂都「それじゃあ葉月さん、また明日ー」

恋「はい、また……明日」



恋「……」


『わたくしには、まだお母様が残してくれた結ヶ丘がありますから』

『母が遺した学校を続けるためには――』


恋「ここは――」

璃奈『家に帰らないの?』


恋「……この世界は、タイムマシンで戻った過去ではないのですね」

璃奈『そう。あの枕の本当の機能は、その時その人が望んでいたものを見せる機能。騙してごめんなさい』

恋「どうりで、家での私は子どもの頃の小さい姿なのに、外に出て嵐さんたちと会うと高校生の姿に戻ったり」

恋「そもそも私が嵐さんや澁谷さんたちと出会ったのは、結ヶ丘に入学してからです。サヤさんの姿も元の世界の姿のままでしたし」

璃奈『新しい記憶も強く残るから、色々混ざったんだと思う。改良の余地あり』