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璃奈「どうぞ。これが枕型タイムマシン」恋「これが……」
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0001名無しで叶える物語(しうまい)
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2021/09/14(火) 20:23:16.09ID:XvFm4rFA
――夜、葉月家

恋「……」

『――今までお世話になりました。サヤさん、ありがとうございました』


恋「……手紙は、こんな感じでいいかしら。わたくしがこの世界からいなくなった後に、理事長が警察に捜索願いを出したとしても、これがあれば納得してくれるでしょうか?」

恋「あとは、この枕を使って眠るだけ……」



……
…………
0016名無しで叶える物語(しうまい)
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2021/09/14(火) 21:09:10.13ID:XvFm4rFA
恋「どうして、私の前に姿を現したのですか?」

璃奈『あなたの元の世界に帰りたいっていう意思に、枕の管理プログラムが反応したから私が出てきている。私自身は、ガイドするただのAI』

璃奈『元の世界に、帰りたい?』

恋「はい。この世界は、確かに私が望んだ世界です。母が生きて……両親もサヤさんもチビも、みんなが家にいて」

恋「外に出ると嵐さんたちが待っていてくれて、皆で結ヶ丘に行くんです」

恋「何を悩むこともなく、私は私の思うままでいられるんだって、とても嬉しくて……」

恋「でも、それではいけないんです」

璃奈『どうして?』

恋「元の世界で、母は確かに亡くなりました。私は何度も母が生きていた頃の夢を見てきました」

恋「……その度に、目が覚めると胸が痛みました」

璃奈『この世界なら、ずっとお母さんがいる』

恋「はい。ですが私は、母の死を知っているんです。私がこの世界に甘んじてしまうと、初めてこの世界で目が覚めた時のように、母の死を思い出してずっと怯えていくことになる」

恋「胸の痛みは、母が私と一緒に生きてくれた証なんです。この痛みから逃げてしまうと、その証を否定してしまうことになります」

恋「だから、私は元の世界に帰らなければならないんです。母の生を否定しないためにも……これからの、私自身のためにも」
0017名無しで叶える物語(しうまい)
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2021/09/14(火) 21:13:05.74ID:XvFm4rFA
璃奈『……そう、わかった』

恋「それに、嵐さんたちとは元の世界でも会えますから」

璃奈『学校アイドル部……あなたたちは、スクールアイドル?』

恋「いえ、私は違います。それに……嵐さんたちはスクールアイドル部ですから」

璃奈『……私、あなたの気持ちが少しだけ分かるかも』

恋「え?」

璃奈『私の家は、小さい頃から両親が仕事で家にいなくて、私自身も色々あって笑えなくなって、友達もいなくて……』

璃奈『でも今はスクールアイドル同好会に入って、仲間が増えて、色んな人と繋がることができて……今しかできないことをみんなとやれて、とっても楽しい』

璃奈『私がタイムマシンを作ったのは、些細なことをやり直したかったから。でもそれは、今の私を否定することになる。それじゃあダメだって途中で気付いた』

璃奈『だから、あなたが私の作った枕を使ってくれて、今は凄く嬉しい』

璃奈『きっとあなたも、今しかできないことを仲間とやれる日が来ると思う。だから、そのときは――』

恋「はい。そんな日が来たら、私は――」


……
…………
………………
……………………
0018名無しで叶える物語(しうまい)
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2021/09/14(火) 21:15:48.27ID:XvFm4rFA
――朝、葉月家


恋「……」


恋「……私は」

「ワォン!!」


恋「チビ……おはよう」


……
…………
0019名無しで叶える物語(しうまい)
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2021/09/14(火) 21:20:05.61ID:XvFm4rFA
――夕方、江東区有明

璃奈「おかえりなさい。どうだった?」

恋「はい、とても助かりました。枕はお返しします」

璃奈「もう分かっていると思うけれど、騙すようなことをしてごめんなさい」

恋「夢の中の天王寺さんにお話をして頂きました。わたくしは……それでも、嬉しかったです」

璃奈「……どうして、タイムマシンが欲しかったのか、聞いても良い?」

璃奈「もしかしたら、AIの私が話を聞いたのかもしれないけれど」

恋「……小さい頃、母を亡くしました。もう、家に残っているのはわたくし一人なんです」

恋「せめて、母が遺してくれたものは守りたくて……だけど、今自分がしていることが本当に正しいことなのか、分からなくなって」

恋「タイムマシンで過去に戻って、またお母様と、お父様と一緒にいられることができたら……そう考えたんです」

璃奈「そうだったんだ」

恋「すみません、昨日今日会ったばかりの天王寺さんにこんな話をしてしまって」

璃奈「ううん、いい。私も、小さい頃から両親が家にいなくて、いまもここで一人で暮らしているから、気持ちはちょっと分かる……かも」

恋「ふふっ、そのお話も、夢の中でして頂きました」

璃奈「AIの私、口が軽すぎる。調整が必要。璃奈ちゃんボード[修正]」
0020名無しで叶える物語(しうまい)
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2021/09/14(火) 21:26:02.84ID:XvFm4rFA
恋「あ、それともう一つ、天王寺さんはスクールアイドルをやっていらっしゃるのですね」

璃奈「うん。今年から始めた……もしかして、あなたも?」

恋「いえ、私はまだ……」

璃奈「まだ……って、スクールアイドル、やってみたいの?」

恋「どうでしょう? まだ心に思っている事に引き摺られているだけなのか、それとも……いえ、まだ分かりません」

璃奈「それじゃあ、私が今度やるライブを見に来て欲しい」

恋「天王寺さんのライブ、ですか?」

璃奈「私はステージの上で、ファンのみんなと繋がることが出来るのが嬉しい。同じ気持ちを共有できるから」

璃奈「だから、葉月さんとも繋がってみたい。スクールアイドルをやっている私の気持ちを知って欲しいって思った」

恋「……分かりました。ぜひ、見に行かせてもらいます」

璃奈「楽しみにしている。璃奈ちゃんボード[やったるでー]」



恋「はい、わたくしも……もう少しだけ、頑張ってみようと思います」


……
…………
0021名無しで叶える物語(しうまい)
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2021/09/14(火) 21:29:27.50ID:XvFm4rFA
――翌日


璃奈「……」

かすみ「お? どしたのりな子? ぼけーっとしちゃって、口からヨダレ垂れてるぞ〜?」

璃奈「……金髪巨乳もいいけど、黒髪ロング大和撫子もやっぱり最高だなって」

かすみ「は?」


おわり
0022名無しで叶える物語(しうまい)
垢版 |
2021/09/14(火) 21:32:15.96ID:XvFm4rFA
過去改変して没落黒髪ロング大和撫子を洗脳して
天王寺家の下僕メイドに仕立て上げる鬼畜りなりーの作戦って話にしようと思ってたのに
古戦場やりながら書いてたら何書いてるかよく分からんくなった
0025名無しで叶える物語(たまごやき)
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2021/09/14(火) 22:10:54.27ID:E+UGcWV7
イイハナシダッタノニナー
0031名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2021/09/15(水) 14:00:08.24ID:OODqMnzW
書いてる内容と書いた側の脳内のギャップ差が激しすぎる
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