もちろんせっかくの同担をみすみす逃すわけにはいきません。
何か言いたげな会長に割り込んで、私は話を続けました。
「えぇ、えぇ…校内施設の利用許可を全て把握している会長ならば、昨日、スクールアイドル同好会が秘密裏に計画していたライブをご存知だったとしても何も不思議ではありません。
会長は恐らく…中庭の利用許可と一緒に申告された搬入予定機材から、誰かのライブが開催されると予想されたのではありませんか?
ただ、誰がステージに立つのかまではわからなかった…だからこそ会長は急いで仕事を切り上げ、焦って現場へ向かわれた…。
そう、焦っていたからこそ、せつ菜ちゃんとお揃いの大切なグローブを落としてしまった事に気がつかなかったんですよ…!」
決定的な証拠であるグローブを右手ビシッと指差し、キラリと光らせた自身のメガネを左手で押さえながら、私は高らかにQ.E.Dを宣言しました。
私の完璧な推理に会長は言葉も出ないようです。