「会長も相当のスクールアイドル好き…しかもせつ菜ちゃん推し、だったんですね」
時計の針だけが音を立て煌めく日差しが室内を照らし続けるこの沈黙を、最初に破ったのは中川会長でした。
「……は、はぁ…?私はそんな…スクールアイドルというものにはあまり詳しく…」
視線を泳がせながら否定する中川会長。
私はソファから立ち上がり会長の横まで歩いて近づくと、ポケットから指抜きグローブを取り出し、会長の目の前にそっと差し出しました。
「これは私の失くした… !いや、じゃなくて、なぜ貴女が…?」
狼狽える会長に微笑みながら私は口を開きました。