曜「玄関ですること」
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ホテルオハラ
鞠莉「出かける準備はできた?」
曜「うん、バッチリ!行ってきまーす」
鞠莉「待って曜。忘れ物よ」
曜「えっ?」
鞠莉「知ってた?日本には家を出るときや家に帰ったとき、キスをする風習があるの」 曜「いや、日本生まれの日本育ちだけど、そんな風習見たことない…」
鞠莉「我が家にはあるの!さあさあ、早く早く」
曜「わ、わかった、わかったから」
鞠莉「わかればよろしい。うふふっ♪」
曜「じゃあ…するよ?んっ」
鞠莉「んむっ…!?」 曜「んっ、ん…」
鞠莉「ん、んーっ…」
曜(行ってきますのキス、か…話に聞くことはあったけど、まさか自分がすることになるなんて。それにしても)
鞠莉「んっ、んっ」
曜(可愛い、可愛すぎるよ。柔らかくて、いい匂いで、とろけそう…)
鞠莉「んん、んっ…」
曜(.…なんか、出かけたくなくなってきた) 鞠莉「んっ!?」
曜(もっとしたい。このまま、もっと)
鞠莉「やっ、ちょ、曜、んむぅっ」
曜(鞠莉ちゃん、鞠莉ちゃん…)
鞠莉「んっ、んんーっ!」 曜「…ぷぁっ」
鞠莉「はぁ、はぁっ…よ、曜…」
曜「可愛い。すごく可愛いよ」
鞠莉「ふぇっ…!?」
曜「可愛すぎて、満足できない」
鞠莉「きゃ…!」
曜「大好き、大好きだよ。鞠莉ちゃ――」 鞠莉「調子に乗りすぎ。正気に戻りなさい」
曜「な、何するのぉ!」
鞠莉「こっちのセリフよ。玄関先でがっついて、急にスイッチ入っちゃうんだから」
曜「それは、鞠莉ちゃんが誘ったからで」
鞠莉「誘ってない。出かける前の挨拶だって言ったでしょ」
曜「そうは言ってなかったよ、風習だとかなんとか言って――」 鞠莉「ストップストップ。早く行かないと、連絡船に乗り遅れちゃうわ。流石の曜でも、走って海を渡れないでしょ」
曜「ううっ、鞠莉ちゃんが意地悪する…」
鞠莉「してません。ほら、しゃきっとして。出かけるときのご挨拶は?」
曜「行ってきまーす…」
鞠莉「正解!いってらっしゃーい」
バタン
鞠莉「…ばか」 曜「むう…鞠莉ちゃんったらひどいよ。人をその気にさせといて、この行き場の無い気持ちはどうすればいいのさ」
曜「そもそも鞠莉ちゃんが可愛すぎるからいけないんだよ。キスをおねだりされて、我慢できるわけないじゃん。なのに向こうからお預けなんて」
鞠莉『んむっ、ん、んーっ…』
曜「…今日は早く帰ろう」 ……………………………………
学校
千歌「昨日は久しぶりに鞠莉ちゃんと話せて楽しかったね!」
曜「鞠莉ちゃんも喜んでたよ。みんなからいっぱい元気をもらえたって!」
梨子「ほんの数ヶ月前まではずっと一緒だったんだものね。鞠莉ちゃん、今日はどうしてるの?」
曜「車でいろんなところを回ってみるって言ってたよ。久々の里帰りだから、行ってみたいところがいっぱいあるんだーって」
千歌「まだもう少しこっちにいるんだよね。また会えるかな」 曜「いつ帰るかは決めてないけど、2週間くらいはこっちにいるみたい。明日はダイヤちゃんに会いに東京に行くって言ってたよ」
千歌「あー、ダイヤちゃんか!いいなあ、私も遊びに行きたーい」
梨子「私たちは学校があるでしょ?」
千歌「わかってるよ。大学生は夏休みが長くて羨ましいなぁ、私も早く大学生になりたい」
曜「なら、受験勉強も頑張らないとね」
千歌「ふえ〜、聞きたくないよ、その言葉は」
梨子「うふふっ」 千歌「ところで、昨日は鞠莉ちゃんのホテルに泊まったんでしょ?」
曜「あー、うん、二人でちょっとしたお泊まり会を」
千歌「お泊まり会だって、梨子ちゃん」
梨子「二人で、ですって、千歌ちゃん」
ちかりこ「うふふふ〜」
曜「あれっ、これもしかして、流れ変わった?」 月「やっほー、楽しそうだね」
千歌「わ、月ちゃん!」
曜「うっ、月ちゃん」
月「どうかした?曜ちゃん」
曜「べ、別に?」
曜(このタイミングで月ちゃんの登場…なんだか良くない展開になりそうな予感がする) 梨子「月ちゃん。生徒会の仕事は終わったの?」
月「やっとひと段落だよ。夏休み前だから、やることが多くてね」
千歌「お疲れ様ー!」
月「みんなでなに話してたの?」
千歌「曜ちゃんが鞠莉ちゃんちにお泊まりして、昨日はお楽しみでしたねって話!」
曜「ちょ、千歌ちゃん!?」 月「それは興味深い話題だね。めくるめくひと時をあなたと、ってやつかな」
曜「月ちゃん、違うよ?そういうんじゃないから」
月「慌てて否定するところが怪しいなぁ」
千歌「そうそう、怪しい怪しい」
曜「そんなことないよ、ぜんぜん普通、普通だから」
千歌「自分から普通とか言っちゃうところがまた怪しい」
月「そうそう、怪しい怪しい」
曜「あ、怪しくなんてないから!なんなの、急によってたかって!」 月「鞠莉ちゃんと言えば、前から疑問に思ってることがあるんだけど」
曜「言わないで、言わなくていいよ月ちゃん。ねっ、ねっ?」
千歌「発言を許可します。曜ちゃんはお静かに」
曜「意義あり!」
千歌「認めません、月ちゃんどうぞ」
曜「わーっ、わーーーっ!!」
梨子「曜ちゃん、静粛に」 月「それじゃあ僭越ながら。みんなでイタリアに行った時のことなんだけどさ、僕と曜ちゃんがキャッチした鞠莉ちゃんの服って、あの後どうしたの?」
曜「えっ!?」
梨子「確かに、曜ちゃんが預かるって言って、それっきり見てないね」
曜「あ、あー、ええっと」
千歌「まさか曜ちゃん、これ幸いとばかりに持ち逃げを…!」
曜「してない、してないよ!ちゃんと返した、返しました!」 月「ほんとに〜?」
千歌「嘘ついてな〜い?」
曜「そ、そんなわけ」
梨子「曜ちゃん、目が泳いでるよ」
曜「うえぇっ!?」
千歌「3対1の多勢に無勢。勝ち目なしだよ。さあ、大人しく白状するのだー!」
曜「ちょっと、3人とも勘弁してよー!」 ……………………………………
ホテルオハラ
曜「ただいまー!」
鞠莉「おかえり!学校はどうだった?」
曜「いつも通り楽しかったよ!千歌ちゃんと月ちゃんにはいいようにやられちゃったけど」
鞠莉「いいように?」
曜「こっちの話。今日は練習はなかったけど、部室でミーティング兼おしゃべりしたんだ」
鞠莉「いいわね、昔を思い出すわ。あーあ、私も通いたくなってきちゃったなー」
曜「みんな言ってたよ、鞠莉ちゃんはいつ来るのって。学校見学もお待ちしてますってさ」
鞠莉「ふふっ、本当に行っちゃうわよ?」 曜「えへへっ、鞠莉ちゃんの方こそどうだった?」
鞠莉「久々に色々見て回れたわ。相棒にも会えたし、やっぱり地元っていいわね」
曜「それは何よりだね!」
鞠莉「さあ、早く入って。ご飯の前に、軽くお茶でもしながら今日あったことをお話ししましょう」
曜「その前に、鞠莉ちゃん」
鞠莉「ん?」
曜「家に帰ったら、どうするんだっけ?」 鞠莉「えっ」
曜「風習だっけ?家に帰ったらすることがあるって、朝言ってたよね」
鞠莉「それは、まあ…きゃっ」
曜「鞠莉ちゃん」
鞠莉「よ、曜」
曜「…鞠莉ちゃんがけしかけたから、こうすることばかり考えてたんだよ。今日一日、ずっと」 鞠莉「ま、待って、まだ気持ちの用意が」
曜「だーめ」
鞠莉「わわっ…!」
曜「…いくよ」
鞠莉「…ん」 曜「あははっ!ひっかかったー」
鞠莉「ちょ、ちょっと!なにするのよ、せっかくいい雰囲気だったのに!」
曜「朝のお返しだよーだ。お預けにされた私の気持ち、わかった?」
鞠莉「むーっ!」
曜「いたたっ、ポカポカ叩かないでよ」 鞠莉「なによ、さっきから人の気も知らないで!」
曜「人の気って、出かける時にその気にさせたのも、お預けしたのも鞠莉ちゃんの方じゃない」
鞠莉「そうじゃなくて!」
曜「キスしてって言ったのは鞠莉ちゃんの方でしょ!」
鞠莉「そうだけど、そうじゃないのっ!」 曜「わかんないよ、どういうこと?落ち着いて話してよ」
鞠莉「だから!その…えっと…」
曜(あれ、急にしどろもどろになっちゃった)
鞠莉「…頬に」
曜「ん?」
鞠莉「頬にするのかなって、思ってたから…」
曜「へっ?」 鞠莉「唇にされるって思ってなくて、びっくりしちゃったっていうか…」
曜「あっ、ああ」
曜(もしかして、私が勘違いしたせいで…?)
鞠莉「…っ」
曜「ご、ごめんっ!私ったら、ほんと…!」 鞠莉「い、いいの。私の曖昧な言い方にも原因があるんだし…」
曜「け、けど…」
鞠莉「それに、ああいうのも悪くなかったし…」
曜「えっ」
鞠莉「あっ」 曜「鞠莉ちゃん、今なんて――」
鞠莉「〜っ!!」
曜「いたっ、ちょ、いたいって!」
鞠莉「知らない!もう!全部曜が悪いのよ!」
曜「あっ、待ってよ、鞠莉ちゃん、鞠莉ちゃーん!」
鞠莉「知らなーい!」
このあと滅茶苦茶めくるめくひと時した。
終わり 全弾撃ち尽くしました。さっき知ったのですが5月23日はキスの日らしいので、そういうようまりでした。
↓は前に書いたものです。よろしければ併せてお願いします。
曜「雨傘の音」
https://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1619775987/
ありがとうございました。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています