歩夢「グロテスク」
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侑「歩夢。あと一周だよファイト!」
遠くの方から侑ちゃんの声援が聞こえて来た。
額の汗を拭い、力強く地面を蹴る。
私は・・・そう。
次のライブに向けて体力作りをしている最中だ。
乱れた息を整えて、あと一周あと一周と頭の中で何度も繰り返す。
前方を走るせつ菜ちゃんに並ぼうとペースを早めた。 せつ菜「歩夢さん!」
歩夢「あと一周だよ!頑張ろ!」
せつ菜「はい!」
並走する私とせつ菜ちゃん。
少し前まではせつ菜ちゃんの背中を追っかけていたけど、体力がついた今は並走出来るようになってる。
せつ菜「最近、暑くなってきましたね!」
歩夢「う、うん!そうだね!」
息が乱れないように会話をする。
さて、あともう少しで一周が終わる。
侑ちゃんが手を振って待っててくれている。 侑「歩夢!お疲れ!」
歩夢「あ、ありがとう!」
何度か大きく深呼吸をし、乱れてしまった息を整える。
侑「はい、これ」
スポーツドリンクを受け取り、すぐに飲む。
歩夢「ふぅー。ありがとう侑ちゃん」
侑「ううん。歩夢もスタミナついてきたね」
歩夢「うん、毎日走ってるから・・・次のメニューは?」
侑「次はえーと。少し休憩挟んで腕立てかな」 歩夢「あ、それだったら餌やってきてもいいかな?」
侑「あ、飼育小屋に行くの?」
歩夢「うん!もう夕方だしお腹減ってると思うから・・・」
侑「私も付いてく!」
歩夢「ほんと?じゃあ行こっか!」
最近、私には楽しみが一つ増えた。
この学校に使われていない飼育小屋があって、せつ菜ちゃんが何かに使えないかと私にアドバイスを求めてきた。
私は飼育小屋だし何か動物を飼ってみたら?と提案した所。
うさぎ二羽飼う事になって、うさぎの飼育担当も私になった。 歩夢「侑ちゃんちょっと待っててね」
先程、もういいってぐらい走ったのに今はそれを忘れて走って鞄を取りに戻る。
この中に、今朝食べやすいように切った人参が入っている。
歩夢「おまたせ、じゃあ行こっか」
侑「うん!」
二人、手を繋いで歩き出す。
侑「あ、そう言えばさ」
歩夢「うん、どうしたの?」
侑「昨日、勉強しながらラジオ聴いてたんだ。そしたらさラジオの方がメインになっちゃって、いつの間にか勉強するのやめてた」
歩夢「何かしながら勉強しちゃうとそうなっちゃうよね」 侑「でさー。そのラジオの内容がちょっと面白くて」
歩夢「どんなのだった?」
侑「地球滅亡するって分かったら最後に何やる?みたいな内容だったよ」
歩夢「地球滅亡か・・・」
侑「好きな物食べまくるとか、家族と過ごすとか中にはどうせ滅亡するんだから犯罪やる!って人もいたねー」
歩夢「侑ちゃんはどうする?最後に何やるか決めてる?」
侑「私は決めてる!」
歩夢「あ、当てさせて?えーと。コッペパンいっぱい食べる!」
侑「ぶぶー。食べ物関係じゃないよ」 歩夢「うーん。だったらなんだろ・・・」
侑「えぇ、歩夢の中で私すごい食いしん坊キャラなの?」
歩夢「あはは、当てずっぽうで言ってみただけだよ。スクールアイドルの動画見まくる!とかは?」
侑「うーん。違うなぁ」
歩夢「家族と過ごすとか?」
侑「それも考えた!けど、違う。でも惜しいよ」
歩夢「大切な人と過ごすとか・・・?」
侑「正解!」
歩夢「えっと・・・大切な人って誰?」
侑「それは内緒だよ」
歩夢「わ、私も大切な人と過ごす!」 侑「え?」
歩夢「私も侑ちゃんと一緒で地球滅亡するの分かったら大切な人と過ごす!」
侑「その大切な人は誰?」
歩夢「あっ。えーと言わない!」
侑「えー言ってよー。気になるじゃん!」
歩夢「侑ちゃんが言ったら言う!」
侑「じゃあ私も歩夢が言ったら言うよ!」
歩夢「ぷっ・・・あはははは」
侑「そうなったらお互い大切な人分からないままだねっ。あはははは。でも、今は時期じゃないだけで時期が来たら言うよ。歩夢、ライブとか練習で大変だからね」
歩夢「わ、私も・・・」
侑「そっか、着いたね飼育小屋」 歩夢「えーと鍵」
鞄を漁り鍵を取り出し、開ける。
二羽のうさぎが口をもごもごさせて、こちらを見上げている。
うさぎの品種はロップイヤーだ。
垂れた耳がとても愛らしい。
歩夢「かわいい〜」
侑「そういや、名前は決めたの?」
歩夢「ううん。全然決めれなくてとりあえず今は1号2号って呼んでる」
侑「なんだかそれが名前になっちゃいそうだね・・・」
歩夢「あ、侑ちゃんこの子の名前決めて。私はこの子の名前決めるから」
侑「え、私が決めていいの?」
歩夢「うん!私、飼育担当だから!」
侑「飼育担当に選ばれたの嬉しいんだねー。そっか名前かぁ。どうしよ、別に今じゃなくてもいいんでしょ?」
歩夢「うん!」 侑「悩むなぁ・・・」
鞄からビニールに包まれた人参を取り出すとうさぎはすぐに反応した。
歩夢「おいでおいでー!」
うさぎは私の足元に集まって、早く早くご飯ご飯と目で訴えかけている。
侑「うさぎ使いだね」
歩夢「私がじゃなくて人参がね」
うさぎは忙しそうに人参を食べ始める。
侑「ずっと眺めてられるねー。あ、そう言えばさ。うさぎって寂しいと死んじゃうらしいよ。だから2頭飼ったのかな?」
歩夢「ううん。それは違うかなぁ」
侑「え!?」
歩夢「実際には寂しくても死なないよ。科学的根拠は無いって聞いてる。それにうさぎは2頭じゃなくて2羽が正しいよ」
侑「歩夢、うさぎ博士だね」
歩夢「この為に色々調べたの!」 侑「2匹とか2頭とかじゃなくてなんで2羽なんだろ?」
歩夢「この長い耳が鳥の羽みたいに見えるからって聞いた」
侑「歩夢すごいねー。うさぎに関しては雑学王じゃん」
歩夢「えへへ。うさぎ飼うって分かってから色々詳しくなっちゃった。さて行こっか」
侑「うん?もう、いいの?」
歩夢「あまりやり過ぎると太っちゃうから」
侑「まんまる太ったら太ったできっとより一層可愛くなるよ」
歩夢「えー太らせたら可哀想だよ」
侑「うさぎもスタイルは気にするかー。バニーガールがいるくらいだし。練習に戻ろっか」
歩夢「うん、そうだね」 飼育小屋を閉めて来た道を戻る事にした。
侑「可愛かったねーうさぎ」
歩夢「名前楽しみにしてるね」
侑「なんだか無難な名前付けそうだなぁ。太郎とかタマとか」
歩夢「どれもうさぎに付けるような名前じゃ無い気が・・・あ、太郎とか男の子っぽい名前はダメだよ!」
侑「どうして?」
歩夢「あの子は女の子だから私が名前を付ける子は男の子だよ」
侑「へぇーそうなんだぁ」
歩夢「うん、だから女の子っぽい名前にしてね」
侑「分かった。今日の勉強も捗りそうに無いなぁ」 侑「わっ!もうこんな時間じゃん!」
スマホの画面を私に見せ付ける。
侑「次の練習の時間過ぎちゃってるよー!」
歩夢「少しゆっくりし過ぎたね」
ぐじゅ。
侑「みんな待ってるかも!」
歩夢「い、急ごっか!」
侑「うん!」
私と侑ちゃんは走り出した。
わざとスピードを落として足並みを揃える。
私の大切な人。
侑ちゃん。 かすみ「もー二人共遅いですよー」
侑「はぁはぁはぁ。ご、ごめんごめん歩夢とうさぎのエサやり行ってた」
エマ「わぁっ!いいなぁ!」
夕方。
太陽が半分沈みかけている。
空は真っ赤に染まり、燃えているようにさえ思える。
私の影が長く伸び、まるで異形の怪物のように見えた。
がおー。
果林「次の練習のメニューは何かしら?」
侑「次はえぇと。腹筋だね」
彼方「マットはもう用意してあるよ〜」
侑「じゃあ足押さえる係り決めてローテで回そっか!」 かすみ「歩夢先輩!一緒にやりましょう!」
歩夢「うん!どっちから先にやる?」
かすみ「んーーー。じゃあ私からで!」
侑「よし、みんな決まったみたいだしまずは軽く20回からねー。終わったら次の人に交代して!」
かすみ「ちゃんと抑えてて下さいねー。行きますよー」
かすみちゃんは腹筋を始める。
かすみちゃんの顔が近くなり、遠くなり、近くなり、遠くなり。
ペースが早いから足を押さえる手は、必然と強くなる。
強く押さえるとかすみちゃんの筋肉の躍動が普通に押さえるよりも感じる。
かすみ「ふぃー。歩夢先輩のばんですよ!」
歩夢「う、うん!」 ぐじゅも気になるけど
自分を作者だと思い込んでる精神異常者>>3が紛れ込んでるのも怖いです 歩夢ちゃん辛い目にあいそうで
怖いけど先が気になる 歩夢「んしょ・・・んしょ・・・」
かすみちゃんに足を押さえて貰い腹筋を始める。
視界は空からかすみちゃんの顔。
また空に戻ってかすみちゃんの顔。
かすみちゃんが私をじっと見つめてくるもんだから、何だか恥ずかしい。
太陽は私の頭上で爛々と輝いており、最近暑くなったせいか、腹筋を一回終えるごとに汗がじわじわと吹き出して来るのを感じる。
かすみ「あと2回ですよ!」
歩夢「うんっ!」
空からかすみちゃんの顔。
空からせつ菜ちゃんの顔。
せつ菜「お疲れ様です。とりあえず腹筋はこれで終了ですね!」
歩夢「うんっ!ありがとう、せつ菜ちゃん」 侑「おつかれ歩夢、せつ菜ちゃん」
侑ちゃんからタオルを受け取り、汗を拭う。
歩夢「ありがとう!でも、暑いね」
せつ菜「そうですね。梅雨が近いし、もわっとしますねー」
確かに、蒸し暑さを感じる。
今の時期でこれくらい暑いのだから、夏本番になると更に暑くなるだろう。
その中でする練習は今以上に辛くなりそうで心の中で溜息がでる。
私はどちらかと言えば冬が好きだ。
冬は冬で嫌な所はあるけど、夏に比べればまだマシだと思う。 夏はまず汗が出るのが嫌いだ。
蒸し蒸しとした暑さでもう嫌になるのに、その上汗で衣服が濡れる。
そのせいで更なる不快感を感じてしまう。
私はそれが嫌だから夏はあまり外に出ない。
夏の攻略法はクーラーが効いた涼しい部屋で一日を終える事だ。
まるで死体のようにスマホを眺めては一日でも早く夏が終わる事を望む。
虫があちこちに出るのも嫌いだ。
うねうねと動くお腹。
触覚も気持ちが悪く、懐かない所も気持ちが悪い。
彼らは群れて死体を食い、生きている。
まるで乞食ではないか、私はそんな生き方はしたくない。
軽蔑する対象だ。
虫はなぜ、あんなにも人に嫌われる外見をしているのだろう?
私は考えた。
そうか。
頭の中で電球がピカリと光る。
わざと人に嫌われる見た目をしているんだ。
生き延びる為に、気持ち悪がられる為に、あんな見た目になってるんだ。
気持ち悪い見た目をすれば人間は触らない。
食物連鎖の頂点に立つ人間はだから触らない。
でも、だからどうしたと言うのだ。
靴で踏み潰せばその命は終わる。
何より人間は虫を食べる事はないのだから。 歩夢「何かを思い出さないといけない気がする・・・」
エマ「はい、今日は紅茶だよ」
歩夢「あ、ありがとう!」
ティーカップを手に取り紅茶を飲む。
レモンの香りが鼻孔を抜ける。
侑「わぁ!このクッキー美味しい!」
彼方「彼方ちゃんの手作りだよー。どうぞ召し上がれー」
テーブルの真ん中に山盛りに積み重ねられたクッキー。
こんなに沢山、みんなで食べ切れるかなぁ。 まず手始めにチョコチップクッキーを手に取った。
サクッとしてて、とても美味しい。
彼方「どう?」
歩夢「とっても美味しい!」
侑「お店のよりも美味しいかもっ!」
彼方「そんなに褒められると彼方ちゃん照れちゃうなぁ〜」
ハニカム彼方ちゃんを見ながらもう一枚クッキーを食べる。
侑「歩夢、私のクッキー取って!」
歩夢「あ、うん!」
ここで私は閃いた。
まるで愛らしいちゃんみたいな事を閃いた。
鞄からある物を取り出して侑ちゃんに渡す。
侑「えっ、これ・・・」
歩夢「・・・・・・」
引っ込み事案の私にしては思い切った行動。
侑「これクッキーじゃなくて櫛だよ!歩夢ったらぁ〜」
そう、私が渡したのはクッキーじゃなくて櫛でしたーーー!!!!
ぐじゅ かさぐしゅ かさぐじゅ ぐじゅ
ぐじゅ かさかさぐじゅ ぐじゅ
じゅる もぞもぞぐじゅ
ぐじゅぐじゅ ぐじゅ こうやって草原に寝ていると何もかも忘れてしまう。
心地よい風が草木を揺らす音。
飛ぶ白鳥。
花の蜜を吸う蝶々。
目を閉じる。
ぶーーーん。と遠くで飛行機が走っている音が聞こえる。
私はどうして草原で寝ているのだろう?
段々と眠くなってきた。
何かを思い出さないといけない気がする。
でも何を・・・?
そんな事私にとってどうでもいい事なのかもしれないのに。 ハニカムとか愛らしいちゃんが誤字なのかわざとなのか分からなくてこわい タイトルでもしやと思ったけど以前Maggot書いてた人? 侑「歩夢っ!」
歩夢「・・・へっ?」
呼ばれた声で目を覚ます。
侑「ここで寝てたら風邪ひくよ?」
歩夢「あ・・・うん。今、何時?」
侑「今は・・・△時かな」
どうやら私はいつの間にか部室で寝ていたみたいだった。
侑「とりあえず教室からでよっか」
歩夢「うん。そうだね」
侑ちゃんに手を引かれてここを出る事にした。 侑「歩夢、どうしたの?なんかちょっと暗いよ?気分悪い?」
音楽室を出ると侑ちゃんは心配そうな目で私を見て来た。
侑ちゃんの瞳はとても綺麗でまるでダイヤみたいだと思った。
歩夢「ううん。まだ少し寝ぼけてるだけだよ」
侑「そっか、心配だなぁ。一応、頭痛薬あるけど・・・」
歩夢「大丈夫。ありがとう侑ちゃん」
侑「大丈夫ならいいんだけど・・・帰ろっか」
歩夢「うん。あ、その前にうさぎに餌やらなきゃ」
侑「あ、そうだったね」 飼育小屋の前に私達はいる。
いや、いたと言うべきか。
ここまで来た経緯、会話全てをハブいて私達はここにいる。
私にはこの飼育小屋に来る前までの行動や交わした会話はとても無意味な物でしかない。
とにかくこのうさぎに餌をやる行為を早く終わらせたかった。
(なんで、早く終わらせたいの?うさぎは可愛い、好きな動物。その好きな動物の餌やりだよ?)
侑「寝てるかなうさぎ」
歩夢「うーんどうだろ。この時間なら起きてる事の方が多いかな」
「ねいた見も姿るて寝」侑
16 71 14 61 32 41 12
この会話も無意味なものだから飛ばすとする。
歩夢「1号2号、来たよ〜」 うさぎの頭部は二匹とも潰れていた。
あんなにかわいいうさぎも今はとてもグロテスクだ。
こうなってしまっては愛せない。
だってグロテスクなんだもん。
私はここで分かった事がある。
どんなに可愛いうさぎもグロテスクなんだと言う事。
お空に浮かぶ月だって、穴ぼこで酷い肌荒れしてるみたいだし。
海だって、人を殺したり。
グロテスクな生物が生きている。
この世に綺麗な物は一つだけしかない。
ただ一つだけ。 侑「誰が・・・誰がこんな事・・・」
それは侑ちゃん。
侑ちゃんだけは私が思い浮かぶ綺麗なものよりも綺麗だ。
もう死んでしまった。
グロテスクなうさぎを抱えて泣いている。
私はそんな侑ちゃんを見て、なんて綺麗なんだと涙を流した。
歩夢「侑ちゃん・・・」
侑「・・・・・・・・・」
私は侑ちゃんを愛しています。
深く深く愛しています。
私はそんな侑ちゃんをどうしたいと思ってる?
>>72 凛知ってるよ!こういうのキラーパスって言うんだよね! 歩夢「うさぎの死体を埋めて、重い足取りのままバスの中、私と侑ちゃんはうさぎが死んだショックによりやっぱり口数は少なく。私はただ、過ぎていく景色を眺めている」
はぁ・・・
歩夢「侑ちゃんが重いため息をついた。これでもう5回目だ。無理もない。あんなグロテスクなものを見てしまったんだから」
侑ちゃん大丈夫?
歩夢は・・・?
歩夢「私は大丈夫だった。うさぎを殺したのは私だ。うさぎを殺す以前。私はあのうさぎがとてもグロテスクに見えた。だから、衝動的に殺してしまったんだ。あんなに可愛かったうさぎだったのになんであんな事をしていたの・・・」
私は・・・全然大丈夫じゃないや・・・。
歩夢「ごめんなさい侑ちゃん。嘘をついてしまった。うさぎを殺した事に罪悪感は無かった。それよりも、うさぎを殺した事を侑ちゃんに知られたくなかった。嫌われてしまうから」
そう・・・だよね。
歩夢「私を元気づける為か侑ちゃんは今できる精一杯の笑顔を私に見せてくれた」 ゆ「歩夢!お疲れ!」
夢「あ、ありがとう!
何度か大きく。深呼吸をし、乱れてしまっ息を整える。
侑これ」
スリドーツポンクを受け取り、すぐにむ飲
歩夢「ふぅー。ありがと 侑ちゃん」
侑「ううん。あゆむもスミタナついてきたね」
歩夢うん、毎にち走ってるから・・・次のメニューは?」
侑「次はえ_と。少し球形挟んで かな」 せつ菜「歩夢さん・・・」
みんなが私を見る。
璃奈「どうして・・・」
みんなが私を見る。
愛「そんな・・・」
みんなが私を見る。
私は見られてる。
皮膚の下に何かが這っている。
掻いてみると何かが潰れた感触がした、皮膚の下で。
耳から何かが出てきている。
蛆虫だ。
眼球が何かに押し上げられる。
抵抗もなく、眼球はポロンと取れ。
どこかに転がっていき、空洞から大量の蛆が溢れ出してくる。 うさぎより大切な歩夢自身は最初から壊れてましたってね 目玉はコロコロと転がり、穴に落ちた。
私は取らなきゃと思い、追っかけて穴の奥に手を入れる。
無数の虫が穴の中で蠢いている。
その中を探ると、丸いガラスの感触があり。
それを穴から引き上げた。
それは丸いガラスだった。
私はいらないと思い穴の中に戻した。 一つも面白くない
読む気になれないし、ただ不快なだけ
書くのもうやめろ 私は扉の前にいる。
この扉を開いてはならない。
開けば、私は世界はグロテスクなんだと思い知る事になる。
でも、体が腕が手がドアノブに手をかける。
ガチャリ。
扉が開く。
悲鳴にも似た女の声が聞こえる。
ぐじゅ ぐじゅ ぐじゅ
ぐじゅぐじゅぐじゅ
二匹の蛆虫が重なり合っている。
私はいつの間にか包丁を手に持っていた。 誰かとセックスしてる侑を相手ともども殺すのか
それだとちょっと安易だな 視界は全く無い。
目を瞑っていないのに、視界は暗闇だ。
一瞬、私は目が見えなくなってしまったとばかり考えていた。
が、そうじゃないらしい。
吐いた息が空に消えず、自分に跳ね返って来ている。
ここで私は自分が何かを被せられていると分かった。
ジャラジャラと音がする。
この音は私の両手、両足から聞こえる物で、どうやら私は身動きが取れない状況らしい。
不意に被せられていた物が取られる。
眩い光に目を細める。 エマ「あ、やっぱり起きてた」
次第に光に慣れる。
エマちゃんだ。
私を覗き込むようにして見ている。
果林「よく眠れた?」
さぁ、どうだろう。
眠っていたという感覚も無く、私は今のこの以上な状態に戸惑っていた。
果林「ごめんなさい。窮屈よね。でも、治療しないといけないから」
治療・・・?
ここで私は初めて部屋を見渡した。
真っ白な部屋だ。
映画とかで見たことある精神病院の病室のようだった。 >>1はなんでこんなの書こうと思ったの?
やめたほうがいいよ本当に >>95
気持ちは分かるけどもうこない方がいいんじゃない?わざわざ無理に読む必要ないでしょ 施設のスタッフさんにみんなを当てはめてるのか、その逆なのか、全部妄想なのかどれだろうね 誰でも思う程度の感想じゃね
作者もそれを誘う書き方してるし こんだけ思わせぶりな書き方しといてそれはないと思うが 果林「今からあなたを治療します」
果林ちゃんはゴム手袋を付けながらそう答えた。
エマ「ごめんね。歩夢ちゃんの体はおかしいの。私達が今から治してあげるからね」
私の体がおかしい?
特におかしいと感じる所はどこにもない。
痛い所もないし、心臓も規則正しく動いている。
おかしいのはこの状況だ。
何で私はこんな場所にいるの。
それに、治療するならするでお医者さんに任せた方がいい。
今から私を治療すると言ってるこの人達は私の友達だ。 エマ「あのね。歩夢ちゃんは虫なの」
私が・・・虫?
果林「今からあなたの中にいる虫を掻き出さないと内部から食べられて死んでしまう」
私には二人が言っている事が上手く理解出来なかった。
何の意図があってかは分からないが、きっと二人はでたらめを言っているに違いない。
だけど、恐怖は感じる。
この二人はキチガイになってしまっている。
ほら、二人の目は黒目が大きくなったり小さくなったりしているではありませんか。
私よりもあなた達の方が医者に診て貰った方がいいんじゃないか。
私は言う。
医者はどこた。 でも、ここは良い。
真っ白な空間というのはこうも落ち着く場所だったのか。
私は狂ってはいないが、確かにこの真っ白な空間にいたら何もかも浄化されて身も心も清らかになりそうだ。
果林「あっ・・・あっ・・・」
長身の女が壊れたようだ。
私は不安だった。
この女の気が触れて、私を痛ぶるんじゃないかと恐怖を感じた。
いや、でも。
この恐怖より布団から足を出したまま寝て幽霊が私の足を持っていくかもしれないと言うあの恐怖に比べたら対した事も無かった。
女は自分の体を描きむしる。
エマ「あぁ、歩夢ちゃんの虫が移ったみたいだね」
果林ちゃんの皮膚はボコボコと膨れ上がり、紙を裂くような音と共に部屋は真っ赤に染まる。 やめて やめて やめて やめて やめて やめて やめて やめて やめて やめて やめて やめて
やめて やめて やめて やめて やめて やめて 日本の国旗はどの世界の国旗よりも私は優れたデザインだと思う。
特に旭日旗。
あれ程、完成された国旗は他にない。
今のこの部屋の状況も旭日旗に似ていた。
果林ちゃんを中心に鮮血が線を描いている。
やはり白に赤は映える。
果林ちゃんはとうとう倒れて、目やら口やらから大量の様々な虫が這い出て来る。
蛆や百足、蜘蛛に何かよく知らない虫。
それらの虫が果林ちゃんの血を浴び、真っ白な部屋にでたらめに赤い線をを描きながらあっちこっちに逃げ出している。
エマ「あーあ。果林ちゃん」
果林ちゃんは萎んでしまっている。
まるで空気を入れる前の風船のようだ。
虫が空気で果林ちゃんは風船。
私は何でこんな光景を見ている。 これEMn1L/rAとか/KPHZ9hrも作者の書き込みだったりしない?
これも含めて作品みたいな 在日禿フォンこと汚れた世界ごり押し自演ファルデのオナニーSSは相変わらずつまらねえなぁ…
Twitterでけい豚SSの頃以来の取り巻きにクダまいてるのがお似合いだよ
ていうかお前幾つだよ?仕事は?社会で生きていけてる? 侑「歩夢」
遠くの方から声が聞こえる。
侑「歩夢」
この声は聞き覚えがある。
侑「歩夢」
私の大好きな人。
侑「歩夢」
声がだんだんと近付いて来る。
侑「歩夢」
もう目の前にいる。
侑「歩夢」
私は目を覚ました。 侑「寝てたの?」
眼前には侑ちゃんの顔だ。
視界いっぱいに広がっている。
歩夢「うん、そうみたい・・・」
目を擦りながら体を起こす。
不思議な夢を見たような気がする。
夢の内容は覚えてもいないし、思い出そうとしても、思い出せない。
ただ、不思議な夢見たと言う事実だけが残っていた。
侑「外に出よっか」
ここはどこだろう?
知らない部屋だ。
それに妙に錆臭い。
侑「さぁ、行こう」
侑ちゃんはそう言って部屋を出て行った。
私も後を追う事にした。 部屋から出ても錆臭いのは変わらなかった。
侑「ねえ、歩夢」
歩夢「どうしたの?」
侑「どうして、うさぎを殺したの?」
歩夢「・・・え?」
確かに私はうさぎを殺した。
でも、殺した時には誰もいなかったし。
学校側も私を疑いもせずに、気狂いの犯行だと決めていた。
歩夢「私は殺してないよ」
侑「可哀想に・・・」
侑ちゃんは見た事ない顔で私を見詰めている。
あぁ、そんな顔しないでください。
歩夢「・・・グロテスクだったから」 そう、あのうさぎはグロテスクだったんだ。
夕方、私が餌やりに行くと二匹のうさぎは交尾をしていた。
あの可愛い可愛いうさぎが二匹共交尾をしていた。
それが私にはとてもグロテスクだった。
だって、今まで私に擦り寄って来たりしてたし。
可愛い寝顔も見せてくれた。
人参を食べる姿もとっても可愛いかったのに・・・。
あんなグロテスクな事をするだなんて・・・。
私は辞めて欲しかった。
だから、うさぎを引き剥がした。
だけど、うさぎはまた交尾を始める。
こんなグロテスクな事をやる生き物はもういらない。
いつの間にかうさぎは死んでいた。
石で頭を潰したんだ。私は。 歩夢「私には耐えられなかったの。私が私の好きな物が汚い行為をするのを。許せなかった。ずっと綺麗なままでいて欲しかった。色んな物が持つグロテスクな側面を取り除きたかった」
侑「そっか、だから私を・・・」
歩夢「ごめんなさい。綺麗な物は綺麗なままにしたかったの」
侑「歩夢、この扉を開けて」
侑ちゃんが指差す先、扉がある。
この扉を私は知っている。
いつも、開ける。
侑ちゃんの部屋の扉だ。
侑「歩夢。終わりは終わりじゃないから」
扉を開く。 >>90と>>115の通りだったか。意外さはなかったな あの日、確か私は戻って来たんだ。
友達の家にお泊まりする予定が、友達の家族に不幸があって夜の9時に自宅へと帰った。
侑ちゃんの部屋は隣。
私が自宅の扉を開こうとした時、何か女性の悲鳴が聞こえた。
それから続いて、男の声。
私は侑ちゃんが襲われているんじゃないかと思って、合鍵を差して侑ちゃんの部屋に入っていった。 私は上原歩夢。
私はある事がきっかけで頭がおかしくなった。
大丈夫、自覚している。
自覚しているという事はまだギリギリ正常だと思いたい。
私は呼び掛けていた。
自身の記憶を思い出そうとするのを。
何度も、書くな面白くない。
やめろ、思い出すなつまらないと呼び掛けていた。
そうすれば、私自身が心が折れてこのSSを書くのを辞めると思ったからだ。
このSSを辞めさせる為に何でもした。
文章を書きながら徐々に真相に辿り着く私を私は止めたかった。
私は狂った上原歩夢の中の正常な部分。
狂ったままなら狂ったままでいい。
私は成功したんだ。
もう彼女は何も思い出さない。
少なくとも真相には辿り着く事はない。 二人が・・・いや二匹の蛆が体を重ねて合わせている。
侑「あ、歩夢っ!?」
一匹の蛆が私に気付いた。
あぁ。
グロテスクだ。
私は・・・蛆の正体が侑ちゃんだと分かっていた。
侑ちゃんはこんなグロテスクな事をしないと思っていたのに・・・。
侑「今日泊まるって・・・」
歩夢「・・・汚いなぁもう」
台所にある包丁を手に取り構える。
ゆっくりと二匹に近付き、包丁を振り落とした。
もぞもぞもぞ ぐじゅぐじゅ
かさこそ ぶぅん ぐじゅ
もぞ もぞ
終わり 以上で終わりです
ありがとうございました
質問があれば答えます SSでゾッとしたの久しぶりだ
一瞬エマちゃん視点があったのも気になる もんじゃ回線の方普通に荒らしだと思っちゃってたわ
ごめんね >>132
面白かった
途中かすみがせつ菜に代わったのはなにか意味があったんですか? おつ
楽しめました
こういうのもいいね
投げ出さず完結させてくれてありがとう 乙でした
出来ればMaggotの続き読みたいです。あれ途中で落ちたよね? 以下、作者のあとがきです。
お見苦しい点があると思いますが許してくださいw
どうでしょう?
面白かったでしょうか?
私はあまり上手く書けなかったなぁと思いました。
とにかく皆さまありがとうございます!
ラストを知った上でみ返していただくとまた違った発見があると思います!
では。 歩夢「ふぃー最後のあとがきも書き終わった」
ノートパソコンを閉じて、その場に寝転がる。
真っ白な部屋、ベットとノートパソコン以外は何もない。
私がついさっき書いたSSにも登場するこの白い部屋で私は何かを思い出す為にSSを書かされている。
そう。
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