侑「それって歩夢のハンカチだよね」 しずく「…!?」 侑「どうしてしずくちゃんが歩夢のハンカチ持ってるの?」
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しずく「い、いえ…その…」
侑「もしかしてしずくちゃんも歩夢の匂いフェチ!?」
しずく「え?」
侑「いいよね!歩夢の匂い!甘くて暖かくて優しくてふわふわでどこか情熱的で…癖になっちゃうよね!」ガシ
しずく「あはは…そうですね…」
侑「いやあ〜同志がいて嬉しいよ!それ歩夢のカバンから盗ってきたの?しずくちゃんベテランだな?」
しずく「え、あ、ありがとうございます…」
しずく(単純に歩夢さんからハンカチを借りてるだけだなんて口が裂けても言えないよぉ…) しずく(あと、歩夢さんの匂いフェチってなんですか?!侑さんにそんな趣味があったなんて…)
しずく(ていうかこのままだとわたしまで歩夢さんの匂いフェチってことにされちゃう…どうしよう…)
侑「しずくちゃんはさ〜」
しずく「は、はい!」
侑「そんなびっくりしなくても」
しずく「ごめんなさい…」
侑「それでさ、しずくちゃんは歩夢の匂いのどこが好き?」
しずく「は、はあ…」
しずく(そんなの聞かれても別に歩夢さんの匂いフェチじゃないしわからないよぉ…ここは歩夢さんの好きなところを言って誤魔化そう)
しずく「そうですね…お花の様な可憐さと可愛さ、ですかね…」
侑「…」
しずく(あれ、もしかして誤魔化せてない?)
侑「深い……深いよしずくちゃん!!!」
しずく「ええ?!」 侑「もうあゆスメルソムリエの領域だよ!」
しずく「」
侑「まさか歩夢の幼なじみのわたしを越えるあゆスメラーがいたなんて…」
しずく(名称変わりすぎですよ…)
侑「しずくちゃん!」ガシ
しずく「はい」
侑「わたしを弟子にしてください!」
しずく「え、いや…」
侑「幼なじみという立場に甘えていたわたしの根性を叩き直してほしい!」
しずく「何を言ってるんですか…」
侑「とりあえず、しずくちゃんがどんな風にいつも歩夢の私物の匂いを嗅いでるのか見せてほしい!」
しずく「はあ?!」 侑「お願い!」
しずく「お願いされても…」
しずく(どんどん状況が悪化していく…もう誤解ですなんて言えないよね…侑さんの名誉に関わってくるし…)チラッ
侑「…」キラキラ
しずく(…はぁ ここは一つ、歩夢さんの匂いフェチなしずくを演じるしかないよね…)
しずく「わかりました」
侑「!」
しずく「ただし、わたしのあゆスメル道は1人で楽しむものというのがモットーです」
侑「…」ゴクリ
しずく「なので、今後わたしたちの間にあゆスメルの話を出すのは禁句にする、それが条件です」
侑「わかったよしずくちゃん…1回限りの交流で、あゆスメラーとして成長してみせるよ」
しずく(なにそれ…) しずく(まあいいでしょう…)
しずく「それでは、わたしのあゆスメルの楽しみ方を教えますね」
侑「よろしくお願いします!」
しずく「…まず、繊細なスメルを楽しむには、繊細な嗅ぎ方をしなければいけません」
侑「…」
しずく「なので、4つ折りにしたハンカチをゆっくりと鼻へと近づけ、鼻に付くか付かないかのところで止めます」
侑「なるほど…」
しずく「そして、ゆっくりと息を吸い込んでスメルを──────」
フワッ ────────
しずく「あれ、ここはどこ?」
気が付くとわたしの目の前には知らない風景が広がっていた
しかしその風景は、まさしくアルプスの様な自然豊かな場所で、わたしは草原に立っているみたいだった
しずく「わたしは何故こんなところに…」
冷静になろうとすればするほど、いきなり知らない場所へ飛ばされた不安が一気に押し寄せてくる
このまま帰れなくなったらどうしよう、そんな言葉を口に出そうとした時だった
フワッ
繊細で甘い香りがわたしの鼻腔をついた
しずく「っ」
これは、歩夢さんの匂いだ… しずく「歩夢さん?!いるんですか!?」
わたしは歩夢さんの名前を叫んだ
すると、今まで立っていた草原が、お花畑へと変わった
しずく「え…?!」
色んな種類のお花が咲いている
でも、どれも歩夢さんに似合いそうな花ばかりだ
混乱してあたりを見回していると、そこに歩夢さんがいた
しずく「歩夢さん?!」
歩夢「…」
歩夢さんは柔らかい笑顔でわたしを見つめている
しずく「歩夢さん!どうしてここに?!ていうかここはどこですか!?」
歩夢さんに手を伸ばしたその瞬間
再び繊細で甘い香りがわたしの鼻腔をついた
─────── 侑「えっと、しずくちゃん?」
しずく「はっ…!」
しずく「…」キョロキョロ
侑「?」
しずく(侑さんが目の前にいる…場所も虹ヶ咲の教室だ…一体わたしは…)
侑「しずくちゃんってすごいんだね!」
しずく「え?」
侑「一瞬匂いを嗅ぐだけで、何時間も嗅いでるように楽しんじゃうんだもん!」
しずく「え、え?」
侑「すごい集中力だったよ?見てるこっちも長い時間を旅してるような感覚になったし!本当に歩夢の匂いが好きなんだね!」
しずく「は、はは…」 侑「わたしもしずくちゃんに負けないように頑張らないと!」
しずく「あはは」
侑「よーし!そうとなったら、早速歩夢にタオル借りに行こっと!」
しずく「…」
侑「しずくちゃんありがとね!約束通り、これからは互いに1人で楽しもう!」
しずく「はい…」
侑「それじゃまた休憩後に!」スタスタ
しずく「…」 しずく(さっきのは一体何だったんだろう…)
しずく(役になりきる事で見えた幻か…それとも歩夢さんの匂いが見せた幻か…)
しずく(あの世界に行ったことで、特に周りに何か変化があった訳では無い)
しずく(気付いたら何時間も経ってた、そういうわけでもなかった)
しずく(周りに迷惑がかかってないことに安堵した)
しずく(しかし、周りに変化はなくとも、わたしの中には確実に変化があった)
しずく(それは…) 数日後
しずく「歩夢さん、ハンカチ貸してもらえませんか?」
歩夢「また忘れちゃったの?」
しずく「はい…」
歩夢「しずくちゃんがずっと忘れ物なんて珍しいね」
しずく「歩夢さんに貸してもらったことを、自分で持って行って使ったってずっと勘違いしてて」
歩夢「あー、それわかる!」
しずく「ですよね」
歩夢「うん!」 しずく(あの日からわたしは、毎日歩夢さんにハンカチを借りている)
しずく(あの世界が一体なんだったのか、好奇心がその答えを求めている)
しずく(というのはきっと建前だ)
しずく(いや、本当にそうは思っているのだけれど)
しずく(目的は別にある)
しずく「…」キョロキョロ
しずく「…」
しずく「すぅ…」
フワッ
しずく「っ…」 しずく(歩夢さんの香り…)
しずく(繊細で甘くて優しい香り)
しずく(歩夢さんのイメージにあった、お花の様な可憐さと可愛さを持つ香り)
しずく(この香りが、わたしの知らない刺激を与えてくれる)
しずく「…」
しずく(あの日からわたしは、歩夢さんの匂いの虜になっていた) しずく(でも最近は、ハンカチじゃ満足出来なくなってきている)
しずく(それは、小さいからだ)
しずく(小さいと匂いもすぐに消えてしまうし、使用者のわたしの匂いで上書きされてしまう)
しずく(もっと大きいものがほしい)
しずく(…侑さんのように、タオルを借りるか)
しずく(それとももっと…歩夢さんの肌に近いものを………)
しずく(そんなことを考えながら、僅かに残った歩夢さんの匂いを楽しむためにハンカチを鼻に近づけて、息を吸い込んだ)
しずく(わたしは夢中になっていた)
しずく(1日という長い時間の中で、一瞬で消えてしまう歩夢さんの匂い)
しずく(しかも最近はそれでは満足出来なくなっている)
しずく(…ハンカチの繊維の奥の奥まで染み付いた歩夢さんの匂いを嗅ぎ尽くしたい)
しずく(もっと…もっと……!)
しずく(…わたしは夢中になりすぎていた)
しずく(だから気が付かなかった)
しずく(中々休憩から戻らないわたしを心配して様子を見に来た歩夢さんに、気が付けなかったんだ) 歩夢「しずく…ちゃん…?」
しずく「あ、歩夢さん…?」 ⎛(cV„◉ 皿 ◉V⎞歩夢の匂いを最初にいいと思ったのは私なんだからね!!!! 侑ちゃんがめちゃくちゃいい匂いって言ってたからついって言えば助かるでしょ どちらかと言うと(こいつ人に借りたハンカチで鼻かんでやがる)って思われる気がする
普通まさか匂い嗅いでるとは思うまい すみません、忙しくて続きを書く時間が全く取れないのでこのスレは落としてください
完結させたら渋にあげる予定です そうかそれは残念……
スレ残ってたらここに書いて欲しいというのは我儘かな そいつもんじゃだし、同じ文体見たことあるし偽物じゃね ここで中断したものをpixivで完結させてる人もたまにいるね ずっと出先なんでWiFi安定しないんですよね
とりあえず>>51の通りです
よろしくお願い致します 報告ありがとうございます。pixivも結構見てるけど、数も多いし見落とさないようにしないと ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています