【SS】果林「ねえ彼方、もしかして私…後輩から怖がられてない?」
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代行ありがとうございます!
部室
果林「この前、彼方がバイトしてるスーパー行ったのよ」
彼方「えー」
彼方「いついつ〜?」
果林「ん…確か……先週の金曜だったかしら」
彼方「へえ〜」
果林「なんか…すごいバリバリ働いてて驚いちゃった」
彼方「彼方ちゃんはいつでもバリバリでしょ」
果林「え…そうかしら……」
果林「私初めてみたわよ、彼方のあんな目」
彼方「どんな目?」
果林「……その…ちゃんと開いてる目」
彼方「いつも開けてるじゃん」
果林「7割ぐらいじゃない、普段」
果林「10割開いてるのは初めて見たわね」
彼方「今は?」
果林「……5割ってとこね」
彼方「今は眠いからね〜」
果林「いつもでしょ」
彼方「んふふ〜」 果林「…」
彼方「ん〜でも」
彼方「全然きづかなかったな〜」
彼方「声、かけてくれればよかったのに」
果林「嫌よ」
果林「彼方、忙しそうだったし…」
果林「…」
果林「……それに」
果林「何か…その…友達とプライベートで偶然会うと」
果林「気まずくない…?」
彼方「ん〜…」
彼方「…」
彼方「まあ…なんとなくはわかるけど……」
果林「でしょ?」
彼方「……」 彼方「…でも」
彼方「彼方ちゃん傷ついちゃうなあ〜」
果林「なんでよ」
彼方「見つけたのがエマちゃんなら声かけてたでしょ」
果林「……多分」
彼方「そういうことじゃん」
果林「…」
彼方「…そっか〜……果林ちゃん、彼方ちゃんのこと気まずく思ってたんだ……」
果林「ちょ…違うわよ」ワタワタ
果林「学校外だとそうならない?って話で」
果林「別に彼方に限った話じゃないし……」
果林「…」
果林「…それに…気まずかったら…こんな風に2人で話してないわよ」
彼方「……んふふ」
彼方「…」
彼方「…なんだかんだ、私たちの付き合いも長いもんね」
果林「……そうね」 彼方「あれだよ、1年の最初」
彼方「同じクラスにえらい美人がいるな〜って思ったら」
彼方「それが果林ちゃんだったの」
果林「……何回も聞いたわよ、それ」
彼方「照れるのも毎回だよね〜」
果林「……」
彼方「言われ慣れてるでしょ、別に」
彼方「ファンの子から」
果林「…友達は別よ」
彼方「…んふふ」
彼方「でも彼方ちゃんのことは気まずい、って思ってるんだもんね」
果林「だから違うって──
ミナーサンオハヨーゴザイマスータブンココハユメノナカダケドー
彼方「お、電話」
彼方「果林ちゃーん、スマホとってー」
果林「…もう…自分で取りなさいよ……」ヒョイッ
彼方「さんきゅー」パシ ピッ
彼方「もしもし〜?」
彼方「ん、今?部室ー」
彼方「うん、うん」
彼方「あー、ちょっと待ってて」
彼方「果林ちゃん、そこの棚の一番下開けて」
果林「…」
果林「……ここ?」
彼方「その横〜」
果林「ここね」ガラ
彼方「はんぺんのごはん入ってない?」
果林「っと……あるわよ」スッ
彼方「なんて名前のごはん?」
果林「ねこ元気」
彼方「聞こえた?今の」
彼方「うん、ねこげんき」
彼方「…うん、うん」
彼方「ん、じゃあねー」
ピッ 果林「……誰から?」
彼方「しずくちゃん」
彼方「はんぺんのごはん買いに行ったけど、どれか忘れちゃった、って」
彼方「ねこってごはん変わるとたべなくなるからね〜」
果林「…そうなのね」
果林「……」
彼方「…」
彼方「…どうしたの?」
果林「…彼方、しずくちゃんと仲良いわよね」
彼方「そう?」
果林「電話かかってくるぐらいの仲じゃない」
彼方「いやこれは別に…」
果林「……私はないわよ」
果林「後輩から電話かかってきたこと」
果林「連絡事項でも」
彼方「……」 彼方「…いやまあ……ほら、今はラインとかさ」
彼方「あるし…」
果林「……」
果林「…彼方は……みんなとラインするの?」
果林「その…雑談で」
彼方「…」
彼方「……ん…それなり……に?」
彼方「…」
彼方「別に果林ちゃんともしてるじゃん、いつも」
果林「……同じ学年じゃない、私たち」
彼方「…」
果林「…ねえ彼方」
果林「もしかして私って…その……後輩から怖がられてない…?」
彼方「……」
彼方「…」 彼方「…いや、そんなことないよ〜」
彼方「だってほら、かすみちゃんとか愛ちゃんとかとさ」
彼方「よく話してるじゃん…ね」
果林「その2人は別よ、ノーカン」
果林「誰とだって話すじゃない、あの2人は」
彼方「ん…まあ……」
果林「問題はその他の子よ」
彼方「…しずくちゃんとか璃奈ちゃん?」
果林「……あと歩夢ね」
彼方「ん〜…」
彼方「そんなことないと思うけどなあ…」
果林「そうかしら……」
彼方「…」
果林「…でもほら…私結構きついこと言っちゃうときあるじゃない?」
彼方「…うん」
彼方「間違ってないんだけどね、けっして」
果林「そういうのが積み重なって…その……」
果林「あの先輩関わりにくいな〜…みたいな……感じに」
彼方「ん〜……」 果林「…思えばその3人と仲良く話せた記憶が無いわね」
彼方「…」
果林「……歩夢は少しだけあるかしら」
彼方「…」
果林「でもこう…話してもよそよそしい感じになっちゃうのよ」
果林「最後お互い愛想笑いで会話終わっちゃう感じ」
果林「…璃奈ちゃんとは沈黙で終わるわよ」
彼方「……」
彼方「…」
彼方「まあ…別にさ」
彼方「全員と絶対仲良くしなかゃだめ、ってこともないし」
彼方「人間同士、相性もあるじゃん」
果林「そうだけど…」
果林「その…嫌じゃない」
彼方「…」
果林「スクールアイドルは楽しいけど、あの先輩がいるから同好会行きづらいな、みたいな風に思われるの」
彼方「…」 彼方「……果林ちゃん、そういうとこはネガティブだよね」
彼方「いつもはすんって澄ましてクールなくせに」
果林「……あれはそう見せてるだけよ」
果林「…」
彼方「……あのね、たとえば彼方ちゃんが後輩だとして」
彼方「果林ちゃんが怖いっていうの、仕方ないかなって思うよ」
彼方「こう…モデルやってて美人でクールな先輩なんて」
彼方「近寄りがたいじゃん」
果林「…彼方、私のことそんな風に思ってたのね」
彼方「も〜!たとえばの話だって!」
果林「冗談よ」
彼方「も〜……」
彼方「だから果林ちゃんはもっと素でいていいの」
彼方「彼方ちゃんといるときみたいに」
果林「……」 彼方「それとね」
彼方「仲良くなりたかったら、自分から話さないとだめ」
彼方「相手から話しかけてほしい〜なんて思ってたら」
彼方「いつまでたってもそのままだよ?」
果林「…わかってるけど……」
彼方「……」
彼方「も〜!!」
彼方「なんでそんなにうじうじしてるのさ!」
果林「…」
彼方「……わかった」ポチポチ
果林「…?」
プルプルプルプル 彼方「あ、もしもし?歩夢ちゃん?」
彼方「今いい?」
彼方「……うん、うん」
彼方「あ、ちょっと待っててね」ピッ
彼方「…」
彼方「……はい」ズイッ
果林「……え?」
彼方「仲良くなりたいんでしょ?後輩と」
果林「え…いや…でもそんな急に……」
彼方「も〜!!」
彼方「果林ちゃんがそんな態度だから向こうだって怖がっちゃうの!」
彼方「果林ちゃんから歩み寄るの!ね!」ズイッ
果林「……わかったわ」スッ ピッ
果林「あ…もしもし…私、朝香果林…」
彼方(なんでフルネーム…)
果林「あ、ごめんなさい…急に……」
彼方「…」
果林「ええ…その…うん」
果林「え…いや…」
果林「…」
果林「その……今度の日曜…空いてるかしら…?」
彼方(お)
果林「へ?いや…こう…特に何かあるわけじゃないけど…」
彼方「…」
果林「その…歩夢と出かけたいなって……」
果林「だめ…かしら」
彼方「…」
果林「……ええ、うん」
果林「…」
果林「……また連絡するわ」
果林「うん、じゃあ…」
ピッ 果林「………はい」スッ
彼方「…」
彼方「……やればできるじゃん」
果林「……」
果林「……歩夢、無茶苦茶引いてたわ」
果林「え、急に何こいつ感が……声から伝わってきた」
彼方「んふふ…」
彼方「…まあ最初はそんなもんだよ」
彼方「こっから仲良くなっていけば…」
果林「……」
彼方「…どうしたの?」
果林「いや…約束したのはいいけど……」
果林「その……何すればいいのかしら……」
彼方「え〜」 果林「ほら私…自分から誰かを誘うことってなかったし…」
果林「その日のプランも…人に任せっきりで……」
彼方「迷っちゃうもんね、道」
果林「……怒るわよ」
彼方「冗談で〜す」
果林「…」
果林「……歩夢が何好きかとかもよく知らないし…」
彼方「…」
果林「……侑に聞こうかしら」
彼方「…」
彼方「………聞いちゃうと、たぶん侑ちゃん着いてきちゃうよ」
果林「……」
彼方「え?歩夢と果林さん遊ぶの!?私も行きたーい!」コエマネ
果林「…」
彼方「そうなったら果林ちゃん、侑ちゃんと歩夢ちゃんのデート眺めてるだけになっちゃうでしょ」
果林「…」
果林「……否定できないわね」 彼方「……だから侑ちゃんに聞くんじゃなくて!」
彼方「誰に聞くの!?」
彼方「……」
果林「……歩夢に…聞けば良いのね」
彼方「そう!」
彼方「やっとわかってきたじゃーん!」
果林「…」
果林「……そうね」
果林「……」
果林「…」
果林「…ありがとう、彼方」
彼方「ほえ?」
果林「その…色々」
彼方「……え、なになに急に〜」
彼方「照れるじゃん」
果林「…」
果林「……彼方がいてくれて良かったわ」
彼方「…んふふ」
果林「…」
果林「……目、10割開けてまで協力してくれたし」
彼方「だから彼方ちゃん、いつも目開けてるって」 この後おこなわれた、果林ちゃんと歩夢ちゃんのデート。
なんだか色々あって大変だったらしい(果林ちゃん・歩夢ちゃん談)
歩夢ちゃんに加えて…果林ちゃんを怖がってた(?)後輩ちゃんたちとどうなったか。
それをここに記すのはあまりにも無粋なため、これにて終了とさせていただく。──このえかなた 頼む神様!どうか!あゆかりを連れて行かないでくれお願いだ! メインディッシュを省く料理とか聞いたことねぇぞオイ! 彼方ちゃんと果林さんのちょっとつっつけ合えるような感じすき 彼方「え…終わっちゃだめ?」
彼方「も〜!しょうがないなあ」 練習後
果林「…ごめんなさい」
果林「さっきは急に電話して……」
歩夢「いえ…そんな……」
歩夢「私こそ…彼方さんかと思ったら果林さんで……」
歩夢「びっくりしちゃって……すみません」
果林「歩夢が謝ることないわよ…」
歩夢「…そうですね、すみません……」
果林「……」
歩夢「……」
果林「えっと」歩夢「えっと」
果林「あっ」歩夢「あ、すみませんっ」
歩夢「果林さん、さきどうぞ」
果林「…ええ」
果林「……さっきの話の続きなんだけど…」
歩夢「…はい」
果林「その……歩夢は何が好きかしら」
歩夢「…へ?」 果林「ああっ…その…」
果林「出かけるって言っても…どこにしようかしら」
果林「って思って…」
歩夢「ああ…なるほど……」
歩夢「……私はどこでもいいですよ」
歩夢「果林さんの好きなところで…」
果林「…いや、歩夢の行きたいところを……」
歩夢「そんないいですって!果林さんの行きたいところならどこでも……」
果林「でも…」
歩夢「ほんとに…果林さんの好きなところで……」
果林「…」
歩夢「…」
果林「…」
歩夢「…」 果林「……じゃあ…じゃんけんで決めましょう」
歩夢「…は?」
歩夢「あ、すみません……」
果林「いえ…」
歩夢「…」
歩夢「……じゃんけん、ですね」
果林「……じゃんけんよ」
果林「…」
歩夢「…」
果林「負けた方が行くところを決める」
歩夢「…はい」
果林「…」
果林「いくわよ」
歩夢「じゃーんけーん」果林「最初はグー」
果林「あっ」歩夢「あっ」
果林「…」
歩夢「…」 歩夢「……果林さんは最初はグー派なんですね」
果林「…ええ」
果林「どっちにする……?」
歩夢「…え、どっちでも……」
果林「……じゃあ…じゃんけんで」
歩夢「………はい」
果林「じゃーんけーん」歩夢「じゃーんけーん」
果林「ほいっ✊」歩夢「ぽいっ✌」
果林「…」
歩夢「…」
果林「……歩夢の負けね」
歩夢「……はい」
果林「…てことで…歩夢の好きなところに……」
歩夢「……」
果林「………あ、私に気を使わなくていいわよ」アセアセ
歩夢「……うーんと……」
歩夢「……」 歩夢「……」
歩夢「…じゃあ……動物園」
歩夢「………動物園、行きません?」
果林「……動物園」
歩夢「あ…だめですかっ?だめなら別のところに……」
果林「いえ、行きましょ」
果林「動物園」
歩夢「…はいっ」
果林「じゃあ…時間とか」
果林「……また連絡するわ」
歩夢「……はい、お願いします……」 果林のお部屋
果林「動物園…動物園ね……」
果林「歩夢、動物好きなのかしら…」
果林「……全然知らなかったわ」
果林「………この辺りなら、あの動物園になるかしら…」
果林「……ちょっと調べないと」
歩夢のお部屋
歩夢「果林さんとお出かけか……」
歩夢「……」
歩夢「なんで急に……」
歩夢「…」
歩夢「……なんか…緊張してきちゃった」
歩夢「…服とかどうしよう……」 お出かけ前日
果林のお部屋
エマ「……果林ちゃん」
エマ「………なにこれ」
エマ「…………なんでこんなに散らかってるの?」
果林「えっ…エマ…」
果林「違うのよこれは…」アセアセ
エマ「…私いつも言ってるよね」
エマ「大事なもの失くしちゃうから」
エマ「部屋はキレイにしないとダメ、って」
果林「…わかってるわよ…」
果林「今回は仕方なくて…」
エマ「仕方ない……?」 エマ「……なにこれ」ヒョイ
エマ「……パンフレット…?」
エマ「…こっちは地図」ヒョイ
エマ「……電車の路線図に時刻表……」ヒョイヒョイ
エマ「………果林ちゃん、家出するの…?」
果林「しないわよ…」
果林「…」
果林「…明日、出かけるのよ」
エマ「……1人で?」
果林「……歩夢と」
エマ「へー!歩夢ちゃんと!」
エマ「そうなんだ〜!」
果林「…なによ」
エマ「いや、果林ちゃんと歩夢ちゃん」
エマ「あんまり仲良さそうじゃなかったから」
果林「……そんなストレートに言わないでよ…」
エマ「そっかそっか」
エマ「……それで行き方調べてたんだね」
エマ「でも決まったら片付けなきゃ」 果林「…」
エマ「……果林ちゃん?」
果林「……まだ…決まってないのよ」
エマ「え?」
エマ「…ええ〜!?」
エマ「出かけるの、明日なんだよね!?」
果林「…うん」
エマ「もう夜の8時だよ!?」
果林「…うん」
果林「……その…電車とか…難しくて……」
エマ「歩夢ちゃんに連絡は!?」
果林「…私からする、って言って…それっきり……」
エマ「も〜!果林ちゃん!」
エマ「なんでそういうことは早く言わないの!?」
果林「…ごめんなさい」
エマ「謝ってる場合じゃないよ!!」
エマ「早く決めなきゃ!」
エマ「私も手伝うから!!」
果林「……はい」 歩夢の家
歩夢「………」プルプルプルプル
ガチャッ
かすみ『はーい、かすみんでーす』
かすみ『どうしたんですか?歩夢せんぱい』
歩夢「あ、かすみちゃん」
歩夢「今…いい?」
かすみ『だいじょーぶですよ』
歩夢「あの…明日ね」
歩夢「果林さんとお出かけするんだけど……」
かすみ『へえー』
かすみ『果林せんぱいと』
かすみ『…なんだか珍しい組み合わせですね』
歩夢「あはは……」 歩夢「…」
歩夢「……それでね」
歩夢「その…かすみちゃんに…服選んでほしくて……」
かすみ『…私に?』
歩夢「うん」
歩夢「…その…果林さんって凄くおしゃれでしょ?」
かすみ『…まあモデルですし』
歩夢「だからその…半端なかっこじゃ隣歩けないっていうか…」
かすみ『…気にしすぎですよ』
歩夢「でも私は気にするの!」
歩夢「お願いかすみちゃん!かすみちゃんしか頼れる人いなくて…」
かすみ『……』
歩夢「……」
かすみ『……ふふ』
かすみ『それなら仕方ないですね!』
かすみ『かすみんにお任せです!』 歩夢「……よっと…」ガチャガチャ
歩夢「どうかなかすみちゃん」
歩夢「これで映ってる?」
かすみ『はい、ばっちしです!』
歩夢「じゃあ持ってる服並べたから」
歩夢「映してくね」
かすみ『りょーかいですっ』 ──
かすみ『はい…上はそれで……下は………』
かすみ『………これでどうですか』
歩夢「わあ!」
歩夢「うん、可愛い!」
歩夢「ばっちりだよかすみちゃんっ!」
かすみ『えへへ』
かすみ『…まあ…歩夢せんぱいは素材がいいので』
かすみ『なに着ても似合いますよ』
歩夢「もー」
かすみ『…明日はどこ行くんですか?』
歩夢「ん、動物園」
かすみ『へえー』
かすみ『誰が言いだしたんです?』
歩夢「果林さん」
歩夢「あ、でも動物園にしたのは私」
かすみ『…なんでまた動物園なんか……』 歩夢「……前、果林さんがね」
歩夢「スマホでパンダの動画観てて…」
歩夢「……もしかして…そういうの好きなのかな、って…」
かすみ『…あの果林せんぱいがですか?』
歩夢「うん、私もびっくりしちゃって」
かすみ『はえー』
歩夢「……」
歩夢「……まあ…あとは」
歩夢「動物園なら……こう…話題も途切れにくいかな…」
歩夢「…とりあえず動物の感想で話繋げるかな…って思って」
かすみ『…ぶっちゃけそっちが本音なんでしょ』
歩夢「…」
かすみ『果林せんぱい、話せば楽しい人ですよ?』
歩夢「……うん、そうだといいけど…」 かすみ『朝から行くんですか?』
歩夢「いやそれが…」
歩夢「まだ…何も連絡なくて……」
かすみ『は?』
かすみ『いやだって…明日、行くんですよね?』
歩夢「…うん」
かすみ『…今もう夜の8時じゃないですか』
歩夢「…うん」
かすみ『連絡したらどうですか?』
歩夢「…うん……でも…」
歩夢「なんか…催促してるみたいで……しにくい」
かすみ『…』
かすみ『…そうですか……』
かすみ『…まあ……そのうち…来ますよ、連絡』
歩夢「…だといいんだけどね」 電撃組時代の後輩はコミュ強2人だし確かに後輩と絡むのなれてなさそう 数時間後…
ピコンッ
歩夢「ん、果林さんからライン……」スッスッ
果林<連絡遅れてごめんなさい
果林<明日〇〇駅に10時集合でどう?
歩夢「…」
歩夢<わかりました☺ 翌9時、〇〇駅
歩夢「…流石に早く着きすぎちゃったかな……」
歩夢「…」
歩夢(…待たせるよりはいいよね……)
同刻、果林の部屋
果林「もお〜!!こんな日に目覚まし時計が壊れるなんて!」ドタバタ
果林「ツいてないわね!」ドタバタ
果林「こんなことなら……」
──昨夜
エマ「……明日起こしにいかなくて大丈夫?果林ちゃん」
果林「…あのねエマ」
果林「その…色々一緒に決めたのは感謝してるわ」
果林「でもね、エマに頼りっきりじゃダメなのよ」
果林「私」
エマ「うん、だよね」
果林「だから私…明日は自力で起きるわ」
エマ「うん、だよね」
── 果林「…今更後悔しても遅いわ…!」
果林「服は……ラフな格好で…」ドタバタ
果林「時間は…まだ間に合う……」チラッ
果林「待ってて…歩夢……!」 10時20分、〇〇駅
歩夢「………」
歩夢「………果林さん…来ない……」
歩夢(え……すっぽかされた……?)
歩夢(いや…そんなことは………)
歩夢(………!)
瞬間、歩夢の脳内に溢れ出した
あの日の記憶────
「気付いてなかったんですか?」
「地図を見ても分からないなんて…」
「もしかして方向音痴…?」
「もしかして方向音痴…?」
「方向音痴…?」
方向音痴……?
──
歩夢「え…まさか…」
歩夢「……果林さん、迷ってる……?」 しずかりをめちゃくちゃ楽しみにしてたんだがあゆかりだけで終わっちゃう感じ? ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています