かすみ「歩夢せんぱいを誘惑したいので、勉強を教わります!」
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歩夢「それじゃあ始めよっか。何の教科やりたい?」
かすみ「保健体育で!」
歩夢「もうっ。ふざけないの」ピシッ
かすみ「あいたっ! ……えへへ〜」ニヨニヨ
歩夢「前に古典と歴史が苦手って言ってたよね?」
かすみ「わぁ。前にお話ししたこと、おぼえててくれたんですねっ」キラキラ 歩夢「う、うん。とりあえず、歴史からやってみる?」
かすみ「うっ……」
歩夢「いや?」
かすみ「やる気はあるんですけどぉ……。身体が拒絶反応を……」ウズウズ
歩夢「ちょっとわかるようになればすぐに収まるよ。ほら、ワークとノート出して?」
かすみ「はーい」ガサゴソ かすみ(ここは真面目に勉強する感を出して起きます)ニッシッシ
かすみ「……教科書は良いんですか?」
歩夢「一旦使わないよ」
かすみ「わかりましたぁ」
歩夢「よし、このページで良いかな」ペラペラッ
かすみ「なにをするんですか?」 歩夢「こういう一問一答方式で単語を答えるページを、ノートに解くの」
かすみ「直接書いちゃだめなんですか?」
歩夢「そしたら2周目3周目がやりづらくなっちゃうから」
かすみ「えっ。2周3周するんですか……?」 歩夢「うん。人間はすぐ忘れちゃうから、何度も何度も記憶を塗り重ねていった方が良いんだよ」
かすみ「へぇ……」
歩夢「ダンスや歌もそうやって覚えるでしょ?」
かすみ「うーん、たしかに……」
歩夢「はい、ペン持って」スッ
かすみ「はぁい」 〜
かすみ「……む〜」アタマカキカキ
歩夢「どう?」
かすみ「全然わからないですぅ」
歩夢「そしたら、わからない問題の番号に赤ペンで丸印をつけて……」キュッ
歩夢「すぐに答えを見ようね」
かすみ「え!? 答え見ても良いんですかぁ!?」
歩夢「うんっ」 かすみ「でもでも、先生は教科書で調べて書きなさいって……」
歩夢「それ、効率悪いよ」
かすみ「そうなんですか?」
歩夢「うん。教科書で調べる時間で他の言葉も覚えられるから」
歩夢「すぐに答えを見て、薄っすらと頭に入れるくらいで良いんだ」
かすみ「なるほどぉ……」
歩夢「それで、答えを声に出しながらノートに書く」
かすみ「はい」カキカキ 〜
かすみ「ひとまず、この単元は全部終わりましたね」
歩夢「どれどれ……。あはは、赤丸ばっかりだねっ」ニコニコ
かすみ「うぅっ……」
歩夢「1周目はそれで良いの。それじゃあ2周目いこっか」
かすみ「はい……」 歩夢「2周目は、赤丸をつけたところだけ解いてみて」
かすみ「全部解くんじゃないんですか?」キョトン
歩夢「1回目で書ける単語は覚えてるはずだから。時間を大事にしようね」
かすみ「この後の歩夢せんぱいとの時間をですか?」
歩夢「へ?」
かすみ「お勉強が終わったら、遊びに行きましょうよっ」
歩夢「うーん……。ちゃんとできたらね?」
かすみ「やったぁ!」 〜
かすみ「これわからないです」トントン
歩夢「そしたら、次は赤丸の上から青ペンで星を書こうね」キュッ
かすみ「?」
歩夢「3周目はこの星印の問題だけ解くの」
かすみ「! ああ、なるほどぉ! 周回するたびに、解かなきゃいけない問題が少なくなっていくんですね!」
歩夢「そういうこと」ニコッ 歩夢「これを繰り返していくと苦手な問題だけどんどん印が豪華になっていくでしょ?」
歩夢「テスト前、いつもテスト範囲のはじめから見直してない?」
かすみ「はい……」
歩夢「今度からは、印が豪華な問題だけ見直すといいよ」
かすみ「おぉ……!」カンドウ
〜 〜
歩夢「よし、5周目で全問正解できたねっ」
かすみ「疲れました〜」グタァ
歩夢「がんばったね」ナデナデ
かすみ「えへへ〜」スリスリ
歩夢「よし、単語が頭に入ったところで、教科書を読もっか」
かすみ「ええ!? まだやるんですかぁ!」 歩夢「もちろんだよ。教えるからには、ちゃんとやるからねっ」ポムッ
かすみ「鬼コーチ!」
歩夢「可愛い後輩のためだもん」マガオ
かすみ「ふぇっ?」キューン
かすみ「……すごいです! 単語が頭に入ってるから、教科書の内容がすらすら入ってきます!」 歩夢「でしょ? 最初はさっきの方法で、たとえば『聖徳太子』って人物名から『十七条憲法』や『遣隋使』って単語を連想できるようにして、その後教科書や参考書を読んで関係性や背景を肉付けしていくんだ」
かすみ「歩夢せんぱい、天才ですね!」
歩夢「私もネットの受け売りだけどね」アハハ
かすみ「かすみん、楽しくなってきました!」
歩夢「よかった」ニコニコ 〜
カァーカァー🐧
かすみ「はっ! いつの間にか外が暗く!」
歩夢「集中してたもんね〜」
かすみ(勉強しながら手を握ったり顔を近づけたり、そういうイベントをやりたかったのに……。それに)
かすみ「……遊びに行く時間、もうないですよね?」シュン 歩夢「うーん、この時間なら……」スマホチラッ
かすみ「?」
歩夢「いこっか」オテテニギッ
かすみ「へ!?///」
かすみ(あ、歩夢せんぱいの方から握られるのは想定外ですぅ!) ※※※
台場駅
かすみ「どうしたんですか?」
歩夢「いいからいいからっ」グイッ
かすみ「? ……って、改札くぐるんですかぁ!?」
歩夢「うんっ!」 〜
歩夢「やった! ラッキー!」タッタッタッ
かすみ「ゆりかもめ……?」
歩夢「うんっ! この時間なら、先頭車両の1番前の席が空いてるんだ!」ストンッ
歩夢「ほら、となりおいで?」トントン
かすみ「は、はい……!」チョコンッ
ガタン……ガタンッガタンッ かすみ「……」
かすみ「わぁ……!」キラキラ
歩夢「綺麗でしょ?」ニコッ
かすみ「はいっ!」
歩夢「ゆりかもめの正面はガラス張りだから、この席からだととっても良い景色が見れるんだっ」
かすみ「いつでも乗れると思って、今までここに座ったこと無かったんですよね……。こんなに素敵だなんて」
歩夢「うふふっ」 かすみ「これを見せたかったんですね……!」
歩夢「うんっ。かすみちゃんはきっと良い反応してくれると思ってたんだ」
歩夢「思ったとおり。今のかすみちゃん、とっても可愛いよっ」
かすみ「ひゃうんっ」
かすみ「……か、かすみんはいつだって可愛いですぅ!」
かすみ(ぐぬぬぬぬ、主導権を握れませんっ! よぉし……!) かすみ「……歩夢せんぱいも、すっごく可愛いですよ? ……かすみんの次くらいに」フイッ
歩夢「ふふっ、ありがとう」ニコッ
かすみ(くっ! 余裕ですね……!)
かすみ「えっと……。今日のお礼をしたいんですけど」
歩夢「もうっ、いらないって言ったでしょ?」
かすみ「かすみんがしたいんですぅ!」
かすみ「……というか、ホントはそっちが狙いというか……」
歩夢「ん?」 かすみ「勉強は建前で……。ええっとぉ……」
歩夢「……」
かすみ「ざっくり言うと、歩夢せんぱいと仲良くなりたかったんです……」
かすみ(あーもうかすみんのチキン! ビビり!)
歩夢「そ、そうだったんだ……」
かすみ「ごめんなさい。歩夢せんぱいの時間をいただいてしまって……」
歩夢「ううん、いいの」
かすみ「?」
歩夢「私も、かすみちゃんと同じ気持ちだったから」
かすみ「それって……!」パァ
かすみ(歩夢せんぱいも、かすみんのことが……!?) 歩夢「私もかすみちゃんと仲良くなりたかったんだっ」
かすみ「ですよね〜……」
歩夢「?」
かすみ「いや、なんでもないですっ」
歩夢「……」
歩夢「……!」ピコーン
歩夢「かすみちゃん、さっき保健体育も教えてほしいって言ってたよね?」
かすみ「へ? は、はい……」
歩夢「じーっ」
かすみ「ななな、なんですか!? 顔、近くないですか?!///」 歩夢「……うーん。ごめんね、私の勘違いだったみたい」アハハ
かすみ「?」
歩夢「人ってね、好きな人を見る時、瞳孔が大きく開くんだって。保険の授業の時先生が雑談で話してたんだ」
かすみ「聞いたことがあるような、ないような……」
歩夢「今日のかすみちゃん様子がおかしかったから、ちょっと期待しちゃった」
かすみ「そ、それって……!」
歩夢「うん。かすみちゃんの瞳孔は普通だったよっ。だから私の勘違い」フフッ
かすみ「……」
かすみ(そんな……) 歩夢「さ、これ以上乗ると家から離れちゃうよ。降りよっか」
かすみ「……はい」
歩夢「……」
歩夢「……」
歩夢(なんだか急に私も恥ずかしくなって離れちゃったけど……)
歩夢(かすみちゃんの瞳孔、すっごく開いてた……。これって……)ドキドキ
完 おつでした。りなあゆも読んでた。すごくいいから、1年だけと言わず全キャラ書いて欲しいくらい。何なら他校でも うおぉぉぉ今回も最高でしたぁぁぁ
ピュアぽむに勝てないかすみん可愛すぎる 初めてゆりかもめの先頭で夜景見た時綺麗すぎてびっくりした この前巡礼に行って18時くらいにゆりかもめ乗ったけど、死んだ目のサラリーマンおっさんの顔しか見えなかったぞ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています