花陽 「凛ちゃん、貴重な火だよ!」 凛 「おおっーー!!」
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凛 「これで一安心だね、ふぅ」
スッ
花陽 「あれ……」
凛 「……」
花陽 「ひ、火が、火が消えたんだけど」
凛 「えーと……」
花陽 「遭難しててやばくて、でもようやく火を出せて、おそらくもう綿はないからこれが最後のチャンスで……」
凛 「うーん……」
花陽 「い、いま凛ちゃんの一息で」
凛 「……」
花陽 「……」 凛 「知らないね」
花陽 「……」
凛 「凛が消した? 根拠は? だって風で消えたかもしれないじゃん。かよちん、もしかして親友を疑うの?」
花陽 「……」
凛 「なわけないよね? ウィーイズフレンズ!!」
花陽 「複数が主語ならアーだよ凛ちゃん」
凛 「……」
花陽 「……」
…
…
… 凛 「かよちん助けてぇぇぇ!! めっちゃ魚が集まってるんだけど!!」 バチャバチャ
花陽 「エサは黙っててくれないかなぁ」
凛 「サメが寄ってきてるんだけど!?」
花陽 「サメって食べられるかなぁ」
凛 「かよちんは冷静な判断ができてないにゃぁぁぁぁ! お米が足りないから!? 足りないからでしょ!! 落ち着いてかよちん!!」 バチャバチャ
花陽 「暴れたら魚釣れないよ?」
凛 「親友をエサにして釣りをしないでほしいにゃ!!!!」
花陽 「火を消して知らないふりしてる親友なんて私は知らない」
凛 「ひぃぃぃぃぃ!! ごめんなさいぃぃ!!」
…
…
… 花陽 「蒸留機能を作ってようやくできた綺麗な水……でもこの量かぁ。一口もないや」
凛 「ろかって難しいんだにゃぁ」
花陽 「まぁでもせっかくできたんだし二人で分けて飲もう?」
凛 「うん!! これ飲んで二人改めて頑張るにゃぁぁぁぁ!!」 ダバッ
バシャン
花陽 「あれ……」
凛 「……」
花陽 「み、水が、水がこぼれて無くなったんだけど」
凛 「えーと……」
花陽 「遭難しててやばくて、でもようやく綺麗な水を作れて、おそらくしばらく水は飲めないからこれが最後のチャンスで……」
凛 「うーん……」 花陽 「い、いま凛ちゃんが立ち上がってぶつかったから」
凛 「……」
花陽 「……」
凛 「知らないね」
花陽 「……」
凛 「凛がこぼした? 根拠は? だって微弱の地震があったかもしれないじゃん。かよちん、もしかして親友を疑うの?」
花陽 「……」
凛 「なわけないよね? ウィーイズフレンズ!!」
花陽 「複数が主語ならアーだよ凛ちゃん」
凛 「……」
花陽 「……」
…
…
… 凛 「かよちん助けてぇぇぇ!! もう疲れて手が動かないよぉぉぉ!!」 ザッ ザッ
花陽 「地下水を見つけるまで穴掘る手を止めちゃダメだよ、凛ちゃん」
凛 「もう限界にゃぁぁぁぁ!!!!」 ザッ ザッ
花陽 「こっちのセリフだよ」
凛 「ってひぃぃぃ!!! 巨大な蜘蛛が現れたよ!? 絶対やばいやつだよ、やばいやつ!! タランチュラだよ!!」 バタバタ
花陽 「タランチュラって食べれるかなぁ」 凛 「そういう問題じゃないでしょ!? かよちんは冷静な判断ができてないにゃぁぁぁぁ! お米が足りないから!? 足りないからでしょ!!」 バタバタ
花陽 「ソテーとかいけそう?」
凛 「とりあえず親友を助けて欲しいにゃ!!!!」
花陽 「水をこぼして知らないふりしてる親友なんて私は知らない」
凛 「ひぃぃぃぃぃ!! ごめんなさいぃぃ!!」
…
…
… 花陽 「一応タランチュラは捕まえたけど食べるの怖いし……食べれるの魚くらいかなぁ」
凛 「魚は苦手だにゃぁ」
花陽 「まぁでも食べれるのこれしかないし好き嫌い言ってる場合じゃないよ、凛ちゃん」
凛 「……それもそうにゃ。仕方ない、魚食べるか。ってこの魚動いてるにゃぁぁぁぁ!!!!」 ポイッ
バシャン
花陽 「あれ……」
凛 「……」
花陽 「さ、魚が、魚が海へ帰っていったんだけど」
凛 「えーと……」
花陽 「遭難しててやばくて、でもようやく食料を確保できて、おそらくしばらくしっかりした食べ物は食べれないからこれが最後のチャンスで……」
凛 「うーん……」 花陽 「い、いま凛ちゃんがガシッと掴んでポイしちゃったから」
凛 「……」
花陽 「……」
凛 「知らないね」
花陽 「……」
凛 「凛が投げた? 根拠は? だってこんな無人島で生活してたら幻覚とか見るかもしれないじゃん。かよちん、もしかして親友を疑うの?」
花陽 「……」
凛 「なわけないよね? ウィーイズフレンズ!!」
花陽 「複数が主語ならアーだよ凛ちゃん」
凛 「……」
花陽 「……」
…
…
… 凛 「かよちん助けてぇぇぇ!! 目の前にタイガーがいるよ!!」 ガクガク
花陽 「なるべく引きつけてダッシュで逃げて罠まで誘導すればたくさん肉が食べれるよ」
凛 「いや相手タイガーだけど!?」
花陽 「凛ちゃんマラソン大会一位だし大丈夫だよぉ」
タイガー 「うがぁぁぁーーー!!」 ダダダダ
凛 「かよちんは冷静な判断ができてないにゃぁぁぁぁ! お米が足りないから!? 足りないからでしょ!! ひぃぃタイガーが追っかけてくるよぉぉ!!」 ダダダダ
花陽 「肉がないと生きていけないよ?」
凛 「親友を生贄にしないでほしいにゃ!!!!」
花陽 「食料を海に投げておいて知らないふりしてる親友なんて私は知らない」
凛 「ひぃぃぃぃぃ!! ごめんなさいぃぃ!!」
…
…
… 花陽 「ようやく寝床を見つけたよぉ。小さな洞窟だけど……」
凛 「でもここ少し寒くないかにゃ?」
花陽 「仕方ないよ。他のところだと寝てる間に危ない動物に襲われるかもだし……」
凛 「寒いのは我慢できるもんね。分かった、凛ここで頑張るにゃ! そーーれ!」 キック キック キック キッーク
ガラガラドーン
花陽 「あれ……」
凛 「……」
花陽 「きょ、今日の、今日の寝床が無くなったんだけど」
凛 「えーと……」
花陽 「遭難しててやばくて、でもようやく休める場所を見つけて、おそらくしばらく休めないからこれが最後のチャンスで……」
凛 「うーん……」 花陽 「い、いま凛ちゃんが思いっきり何回も壁を蹴ったから」
凛 「……」
花陽 「……」
凛 「知らないね」
花陽 「……」
凛 「凛が壊した? 根拠は? だってシロアリが柱食ってたかもしれないじゃん。かよちん、もしかして親友を疑うの?」
花陽 「洞窟でシロアリ……」
凛 「なわけないよね? そもそもこんな脆い洞窟で休まなくて良かったにゃ!」
花陽 「……まあそれもそうだね。ありがとう、凛ちゃん」 ニコッ
凛 「にゃ……!」
花陽 「……」
凛 「……」 花陽 「でもさ、なんで蹴ったの?」
凛 「……ヒビがあったら蹴りたい、当然の心理にゃ」
花陽 「ヒビ?」
凛 「うん。多分あのヒビを集中狙いで本気で何回も蹴らなきゃ洞窟も崩れなかったんだろうなぁ」
花陽 「そっかぁ……」
凛 「……」
花陽 「……」
…
…
… 凛 「かよちん助けてぇぇぇ!! もう疲れて手が動かないよぉぉぉ!!」 トントン
花陽 「家を作るまで大工の手を止めちゃダメだよ、凛ちゃん」
凛 「もう限界にゃぁぁぁぁ!!!!」 トントン
花陽 「限界という言葉があるなら花陽はもう何度限界を超えてるだろう」
凛 「そもそも凛は普通の女子高生だよ!? 家なんて作れるわけないじゃん!!」 トントン
花陽 「私も材料集めとか頑張るから! それに二人が住める程度の簡易的なものでいいんだよ?」
凛 「そういう問題じゃないでしょ!? かよちんは冷静な判断ができてないにゃぁぁぁぁ! お米が足りないから!? 足りないからでしょ!!」
花陽 「これは凛ちゃんのためでもあるんだよ? 寒いと大変だし」
凛 「じゃあ家作るの諦めて親友二人でおしくらまんじゅうするにゃ!!!!」
花陽 「好奇心を生きるより優先しといて知らないふりしてる親友なんて私は知らない」
凛 「ひぃぃぃぃぃ!! ごめんなさいぃぃ!!」
…
…
… 凛 「寝床もないから草原の真ん中……」
花陽 「いつ食われてもおかしくない……」
凛 「木の実は食べたけど肉は食べれてないにゃ……」 グー
花陽 「流石にタイガーは無理だったね……」 グー グー
凛 「水も一口も飲めてないにゃ……」
花陽 「汚い水を飲んだらお腹痛めちゃうもんね……」
凛 「しかもここ寒いにゃ……」 ガクガク
花陽 「夜になると急に寒くなったよね……」 ガクガク
凛 「このまま眠ったら、凛死んじゃうのかなぁ……」
花陽 「凍えて死んじゃうか、食べられて死んじゃうか、だろうねぇ……」 凛 「嫌だなぁ……死にたくないなぁ……」 ポロポロ
花陽 「私もだよ……凛ちゃん……」 ポロポロ
凛 「ねぇ、かよちん」
花陽 「なに、凛ちゃん?」
凛 「凛はもしこのまま死んでも……ずっとかよちんの親友だから、大好きだからね」 ニコッ
花陽 「私は少し凛ちゃん嫌いになりかけたけどね。でもうん、私も大好きだよ凛ちゃん」 ニコッ
凛 「おやすみ、かよちん」
花陽 「うん、凛ちゃん」
凛 「……」
花陽 「……」 ウホッ ウホッ ウホッ
ウホッ ウホッ ウホッ
凛 「……なんの音?」
ドンドコ ドンドコ
ドンドコ ドンドコ
花陽 「……太鼓の音もするね」
穂乃果 「ウホッ ウホッ!」
ことり 「アーメン アーメン!」
園田海未 「崇めよ讃えよアマゾンを!!」
穂乃果 「いぇぇーーーい!!!」
ことり 「恵みちゅん! 恵みちゅん!」
園田海未 「祈りなさい、全てに。願いなさい、全てに」
穂乃果・ことり 「「ヤーーーー!!」」
ドンドコ ドンドコ
ドンドコ ドンドコ 花陽 「って穂乃果ちゃん!? ことりちゃん!? 海未ちゃん!?」
凛 「三人も遭難してたのぉ!?」
園田海未 「……」
花陽 「海未ちゃん?」
ことり 「待て、ことりが通訳するちゅん。ちゅんちゅんちゅん! ちゅん?」
園田海未 「……なるほど、二人も遭難してたのですね」
凛 「通訳要らないじゃん」
花陽 「穂乃果ちゃんたちも遭難してたのは驚きだけど……それよりもその格好は、その謎の踊りは……」
穂乃果 「コレハ カミノイノリダヨ」
凛 「おおっ、カタコトにゃ」
ことり 「穂乃果ちゅんは生きることと代償に少しアホになったちゅん」
凛 「もっとアホになっちゃったの?」 花陽 「海未ちゃん、これはどういうことなの?」
園田海未 「海未ちゃんではありません」
花陽 「へ?」
アマゾン園田 「アマゾン園田と呼んでください」
花陽 「アマゾン園田……」
凛 「あっ! そういえばみんなはどうやって生き延びたの? 見た感じすごく元気そうだけど……」
ことり 「それはアマゾン園田の恵みちゅん」
アマゾン園田 「見ててください」
花陽 「?」
アマゾン園田 「ラブアローシューーーートっ!!!!」 パッ
ダバッ
凛 「ってイノシシに矢が刺さってるにゃぁぁぁ!!!!」
穂乃果 「アマゾンソノダ ユミヤ ツヨイ」
ことり 「このおかげでなんとか今日まで生きてこれたの」
凛 「すごいにゃーーーー!!!! アマゾン園田の力さえあれば凛たちも!!」
花陽 「死なずに済みます!!!!」 凛・花陽 「「バンザーイ バンザーイ!!」」
アマゾン園田 「ではお祈りを始めます」
ドンドコ ドンドコ
ドンドコ ドンドコ
穂乃果 「ウホッ ウホッ!」
ことり 「アーメン アーメン!」
凛 「にゃーー! にゃーー!」
花陽 「仏様女神様お米様園田様」
園田海未 「崇めよ讃えよアマゾンを!!」
穂乃果 「いぇぇーーーい!!!」
ことり 「恵みちゅん! 恵みちゅん!」
園田海未 「祈りなさい、全てに。願いなさい、全てに」
穂乃果・ことり 「「ヤーーーー!!」」
凛・花陽 「「ヤーーーー!!」」
アマゾン園田のおかげでなんとか数日生き延びることができ、その後真姫ちゃんのヘリで無事救出されましたとさ。めでたしめでたし。
おわり ありがとうございました。
自分で言うのもなんですが前作との作風が違すぎて驚いてます。
凛ちゃんと花陽ちゃんの絆あってこそ、無事生還できました。二年生組はアマゾン園田のおかげで生還できました。
前作
凛 「海未ちゃんがショートヘアにゃ!?」
前々作
にこ 「ねぇ穂乃果」 穂乃果 「ねぇ凛ちゃん」 凛 「ねぇにこちゃん」 その頃、のぞえりは何のためらいもなくにこを餌にして
サメを釣りライオンを狩っていた なぜかヴァンダムのサバイバル・ソルジャーを思い出した ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています