かすみ「しず子って正直、普通でいい子の桜坂しずくを演じれてなかったよね」しずく「は?」
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かすみ「インタビューでも本当の私を見てくださいって言ってたけど、正直以前とあんまり変わってないし……」
しずく「な、何言ってるのかすみさん!」
しずく「普通の子は古い映画とか小説は好きじゃないの! それを表に出してなかったんだから!」
しずく「ちゃんと演じられていたもん!」
しずく「普通でいい子な桜坂しずくを私はちゃんと演じれていたよ!」
かすみ「いやいや、今のしず子も前のしず子もあんまり変わってないし」
かすみ「やっぱり普通でいい子な桜坂しずくを演じれていなかったと思うよ」
しずく「な、ななななな……!!」 かすみ「まぁ、つまりしず──」
しずく「……ら見ててよ……」ボソッ
かすみ「へ?」
しずく「なら見ててよッ!!」
かすみ「!?」ビクッ!!
しずく「また普通でいい子な桜坂しずくを演じるから!!」
しずく「今の私と違うって事、証明してみせるから!!」
かすみ「え? し、しず子!?」
しずく「私に演じられないものなんてありません!」
しずく「それに……変な子だって思われるのが嫌だったから、私頑張ってたのに!」
しずく「かすみさんなんてもうしらない!」 バッ!!
タッタッタッタッ!!
かすみ「」ポカーン
かすみ「し、しず子ぉ!?」 しずく(もう、ひどいよかすみさん)スタスタ
しずく(私が普通でいい子な桜坂しずくを演じれてなかった?)スタスタ
しずく(ちゃんと演じてたもん! 自分の感情を押し殺して、立ち振る舞ってきたのに!)スタスタ
しずく(それに……私に演じられないものなんてないもん!)スタスタ
しずく(かすみさんのおバカ!)スタスタ しずく「…………」スタスタ
しずく「……」スタ、スタ
しずく「でも……そう見られちゃったってことは……」
しずく「私の普通でいい子な桜坂しずくの演技はまだまだってことだよね?」
しずく「!! ──そうだ!」
しずく「普通でいい子な人をよく見て、その人を演じればいいんだ!」
しずく「……普通でいい子な人……かぁ……」
しずく「あっ!!」
しずく「いるじゃないですか! スクールアイドル同好会に!」
しずく「あの人を観察して、演じれば!」
しずく「普通でいい子な桜坂しずくは完成します!」
しずく「……よーし、今日の部活で早速観察させてもらわなきゃ!」
コペ子「……」
コペ子(廊下でずっと独り言喋ってる……)
コペ子(変わった人だなぁ……) 〜放課後 練習時〜
歩夢「え?」
歩夢「私と一緒に練習したい?」キョトン
しずく「はい♪」
しずく「毎日コツコツ頑張っている歩夢さんの練習を近くで見たいんです!」
しずく「歩夢さん、入部した時よりも歌も踊りも上手になっていて、すごいなぁって思っているんです」
歩夢「そ、そうかな? 私なんてそんな大したことないよ……?」
しずく「歩夢さん! そんな事ありません!」
しずく「歩夢さんはすごい方です!」
しずく「清楚で可憐な容姿。柔らかく温かい雰囲気。正に物語の理想のヒロインといった佇まい。私、歩夢さんを尊敬しています!」
歩夢「そ、そんなことないよ!? もぉ、しずくちゃん恥ずかしいよ!////」カァァァァ
しずく(かわいい) この場合の普通っていい意味だろうからひどいってことはないのかw しずく(ふっふっふ)
しずく(中々クセの強いスクールアイドル同好会の中で唯一!)
しずく(歩夢さんは普通でいい方です! 優しいですし! 正に理想のヒロイン!)
しずく(歩夢さんを参考にすれば!)
しずく(普通でいい子な桜坂しずくは完成するんです!) 歩夢「それじゃ、柔軟から一緒にやろっか!」
しずく「はい!」
歩夢「背中押してあげる。そこ座って?」
しずく「分かりましたっ」ニコッ
スッ
歩夢「それじゃ、ゆっくり押してくね〜」
しずく「はい」
歩夢「せーの」グッ
しずく「すぅぅぅ」グイー
歩夢「わぁ……! しずくちゃん、身体柔らかいね〜」ニコッ
しずく「そ、そうでしょうか? ありがとうございます」 しずく「歩夢さんがゆっくり優しく押してくださるので、身体曲げやすいです♪」
歩夢「ほんと? ありがとう」ニコッ
しずく「……」ニコニコ
しずく(優しい笑顔……癒される)
しずく(押し方も上手だし、きっと献身的ですからこう言ったサポートも得意なんだろうなぁ)
果林「ねー、エマ。侑はまだ部活に来ないのかしら?」
エマ「せつ菜ちゃんの生徒会のお手伝いが終わってから来るみたいだよー?」
歩夢「……」グッ!!
しずく「ひゅい゛!?」ベタンッ!! 歩夢「あっ!!」
歩夢「し、しずくちゃん!」
歩夢「ごめんなさい!」
しずく「だ、大丈夫ですよ?」
しずく(な、なんか急に力が入ったよ!?)
歩夢「ほ、本当にごめんね?」
しずく「そ、そんな気にしないで下さい! 平気ですからっ」 歩夢「ほんとごめんね」シュン
しずく(す、すっごい落ち込んでる!?)
しずく(ど、どうしましょう……悲しそうな歩夢さん見てるの辛いよ!)
しずく(な、なんとか元気出してもらわないと)
しずく(──!! そうだ! 歩夢さんが元気の源は!)
しずく「歩夢っ」
歩夢「!?」
しずく「私は平気だから、元気出してよ」ニコッ
しずく「歩夢は笑ってる方が可愛いよ?」
しずく(侑さんです! なので侑さんを演じれば、元気出るはずです!!) 歩夢「……ごい」
しずく「へ?」
歩夢「すごいねしずくちゃん!」
歩夢「今の、侑ちゃんの真似だよね!?」
歩夢「すっごく似てたよ!」キラキラ
しずく「え?」
しずく(思いの外ものすごく元気出た……)
しずく「あはは、なら良かったです」ニコッ
歩夢「笑顔も似てたし、声も……話し方も侑ちゃんそのものだった……!!」
歩夢「しずくちゃんってやっぱりすごいね! 急に他の子の演技ができるなんて、本当にすごいよ!!」ギュッ
しずく「そ、そんな事ないですよ!? そ、そんなに褒められると……私恥ずかしいですよ歩夢さん!////」カァァァァ
歩夢「!!////」
しずく「あ、歩夢さん?」
歩夢「しずくちゃん、かわいい」ニコニコ
しずく「え、えぇ!?////」 歩夢「ね、ねぇしずくちゃん……」
歩夢「も、もう1回やってくれない?」
しずく「え?」
歩夢「その……侑ちゃんの真似」
しずく「べ、別にいいですけど……」
歩夢「ほんと!?」パァァァァ
歩夢「やった……!」グッ
しずく(すっごい嬉しそう)
しずく(なんだか気合い入りますね……!!)
しずく「ごほん」
しずく「では、いきますね?」
歩夢「うんっ」ワクワク
しずく「……」スゥゥゥ
しずく「歩夢、今日もかわいいよ」ニコッ
歩夢「ッ──!!」 しずく「ときめいちゃう〜!!」クビフリフリ
歩夢「かわいい時の侑ちゃん……!」
しずく「私、璃奈ちゃんのライブ見たいなぁ」ニコッ
歩夢「か、かっこいい時の侑ちゃん……!!」
しずく「歩夢ー! そういう所もかわいいYO!」
歩夢「はぁぁぁぁ……!!////」
しずく「……」
しずく(反応良すぎて)
しずく(演技してて気持ちいい……!!) しずく「……」シュル
歩夢「へ!? しずくちゃん!? な、なんで急に髪のリボン……」
しずく「歩夢さん、少し待っててください」ニコッ
歩夢「え? う、うん」コクリ
スタスタ
しずく「……」ゴソゴソ
しずく「あっ、よし! 短めのリボン2つあった」
しずく「……」キュ キュ
歩夢「わぁ……!!」
しずく「えへへ」
しずく「どうかな? 似合ってる?」
歩夢(ツインテールのしずくちゃん!)
歩夢「すっごくかわいいっ」ニッコリ
しずく「あははっ、ありがとう。歩夢」ニコッ
歩夢「す、すごい……すごいよしずくちゃん……完璧に侑ちゃんだよ!」
しずく(た、楽しい〜!!) 当初の目的を完全に忘れてそうなしずくちゃんも可愛い 歩夢「ね、ねぇ……しずくちゃん」
しずく「歩夢。私はしずくちゃんじゃないよ?」
歩夢「!!」
歩夢「ゆ、侑ちゃん!」
しずく「どうしたの?」
歩夢「わ、私の事……好き?」
しずく「あったりまえじゃん」ニコッ
しずく「好きだよ、歩夢」
歩夢「〜〜〜〜〜!!////」カァァァァ
しずく「あはは、顔真っ赤だよ?」
歩夢「あ、あわわわわわわわ////」
果林(あの子達何やってるのかしら……)
エマ(あの子達何やってるんだろう……)
スタスタスタスタ
果林「あっ」
エマ「あっ」 歩夢「しずくちゃん、次は……!」
しずく「なんでも言ってよ、歩夢」ニコッ
侑「2人とも、何してるの?」
あゆしず「!?」ビクッ!!
侑「……練習、してた?」ジトー
歩夢「え、えーと……」
しずく「あ、あはは……」
侑「もー、ダメだよ練習はちゃんとやらなきゃ」ジトー ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
歩夢「ご、ごめんねしずくちゃん……」
歩夢「しずくちゃんが凄すぎて……ついテンションが上がっちゃって」シュン
しずく「そ、そんなに落ち込まないで下さい歩夢さん!」
しずく「私も楽しかったですし……」
しずく「あと、演技とはいえ呼び捨てにしてしまってごめんなさい!」
歩夢「へ? それは全然気にしてないよ?」
歩夢「なんならいつも呼び捨てでも大丈夫だよ?」
しずく「そ、そんな! 先輩を呼び捨てなんて出来ませんよ!」
歩夢「ふふ、しずくちゃんは真面目だね」ニコッ しずく(すっかり目的を忘れて演技を楽しんでしまった……)
しずく(……でも、歩夢さん、やっぱり侑さんの事になると少し人が変わる気がする)
しずく(うーん……侑さんを参考にしてみた方が良かったかな?)
スタスタ
しずく「!!」
歩夢「あっ、かすみちゃん」
かすみ「……」
かすみ「あ、歩夢先輩。こんにちは」
かすみ「あと……し、しず子!」
しずく「……なに? 中須さん」ツーン
かすみ「う、うぅ……」
歩夢「え? しずくちゃん?」キョトン かすみ「……そ、その……」
しずく「……なに?」
かすみ「……な、なんでもない……ごめん」
スタスタスタスタ
しずく「…………」
しずく「あっ、歩夢さんごめんなさい。では続──」
歩夢「しずくちゃん」
歩夢「かすみちゃんと何があったの?」 しずく「え? いや、そんなこと」
歩夢「嘘だよね?」
歩夢「二人の様子見てたら、分かるもん」
しずく「……」
歩夢「喧嘩、しちゃったの?」
しずく「……」
しずく「かすみさんが悪いんだもん」
しずく「いつもいつも私の事からかってきますし……別にこのままでもいいんです! かすみさんなんて子供だし、無駄に元気ですし! 少し落ち込んでた方がいいんですよ!」プイッ
歩夢「しずくちゃん」
歩夢「めっ!」
しずく「!?」ビクッ
歩夢「嘘ついちゃダメ」 歩夢「自分の気持ちに嘘はついちゃダメだよ」
しずく「……」
しずく「だ、だって……」ジワッ
しずく「かすみさんが……っ……!!」 ・
・
・
歩夢「そっか……そんな事があったんだ」
しずく「ごめんなさい……急に泣いたりして……」
しずく「お恥ずかしいです」
歩夢「恥ずかしい事なんてないよ?」
歩夢「話してくれて、ありがとうね。しずくちゃん」ナデナデ
しずく「……」
歩夢「……私もさ、侑ちゃんとよく喧嘩したんだぁ」
しずく「へ?」
歩夢「意外?」
しずく「え、えぇ……とっても仲良しなので……」
歩夢「ふふっ、仲良しだから喧嘩もしちゃうんだよ」
しずく「え?」 歩夢「仲良しの子が相手だと、ついなんでも言えちゃうからね」
歩夢「ふとした発言が喧嘩に繋がっちゃう事もあるの」
しずく「……」
歩夢「でもね、むやみに傷付ける事は絶対に言わないの」
しずく「!!」
歩夢「仲良しな子って、本当に大切な子でしょ?」
歩夢「しずくちゃんにとって、かすみちゃんってすごく大切でしょ?」
しずく「……」
しずく「……うん……」コクリ
歩夢「……」ナデナデ 歩夢「きっと」
しずく「?」
歩夢「きっとかすみちゃんの発言には意味があるよ」
歩夢「ちゃんとかすみちゃんのお話、聞いてみよ?」
しずく「……うん」
歩夢「ふふっ、いい子いい子」ナデナデ
しずく「……っ////」
歩夢「何となくとか、特に意味はなかったとかだったら」
歩夢「私がかすみちゃんにお説教してあげるからっ」ニコッ 〜後日 放課後〜
しずく「歩夢さーん!」
歩夢「あ、しずくちゃん。どうしたの?」
しずく「今日も一緒に練習しませんか?」
歩夢「うん、いいよ」ニコッ
しずく「やった!」
歩夢「えへへ」
しずく「? 歩夢さん、どうしました?」キョトン
歩夢「んーん」フリフリ
歩夢「最近よくしずくちゃんが話しかけてくれるから嬉しいなぁって」ニコッ
しずく「!!///」ドキッ
しずく「かわいい」
歩夢「え!?///」
しずく「な、なんでもないです!////」カァァァァ 先日のスペシャルドラマを見ると、1年生組には結構懐かれてるっぽいんだよな。スクスタ時空だけど かすみ「………………」
かすみ「わーーーーん!!」
かすみ「りな子ー!!」
かすみ「しず子が歩夢先輩に取られちゃったよー!!」
璃奈「昔も今もしずくちゃんはいい子だから好きだよって伝えるのに余計な事言うから……」
璃奈「りなちゃんボード『まったく』」
かすみ「で、でもー!!」 スタスタ
しずく「あっ、かすみさん。璃奈さん困らせちゃダメでしょ?」
しずく「めっ!」
かすみ「ぐ、ぐぬぬぬぬぬ……!!」
歩夢「あっ、かすみちゃん。璃奈ちゃん。良かったら二人も一緒に──」
かすみ「元はと言えばしず子が悪いんじゃん!」
しずく「は?」
歩夢「ふ、二人!? 喧嘩はダメだよぉ!?」
璃奈(焦ってる歩夢さん、かわいい。すき) 読んでくれた方々、レスくれた方々ありがとうございました。
アニメの歩夢が侑の手を引いて走るシーンが好きです。おやすみなさい。 ありそうな感じ良かった。
侑ちゃん絡まない時の純粋に優しいぽむ先輩の包容力の表現が上手い。
しずくちゃんかわいい。 しず子とかすみんがこの後どうなるのかめちゃ気になる ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています