しずく「じゃあ行ってきます!」
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しずく「帰るときはまた連絡するから」
しずく(駅まで送ってくれたお母さんの車を見送って、新しい一歩を踏み出す──)
しずく「なんて……えへへ……」
しずく(そう、私は今、駅にいます)
しずく(これから新しく通う学校、虹ヶ咲学園に行くために)
しずく(でも、今日はまだ春休み)
しずく(じゃあどうして学校に行くのかって?)
しずく「ふふふっ……」
しずく(それは……)
しずく(定期券買ってもらったから!!!!!!!!!!)
しずく(電車乗り放題だーーーー!!!!!!学校始まるまで待てなーーい!!!!!)
しずく(制服もいい感じ♡)
しずく「ふんふーんっ♪」
※1 少し前まで中学生だったので暖かい目で見守ってあげましょう。 カタンコトン…カタンコトン…
しずく「………」
しずく「………」
しずく(電車、これまであんまり乗ることはなかったけど)
しずく(これからは毎日乗れちゃうんだ♪!)
しずく(やったーーーー!!!!!)
しずく(あ、電車といえば……)
しずく(毎朝同じ時間の電車に乗る憧れのあの人、ふとしたときに目があってしまって、それをきっかけに2人の距離は急接近……!)
しずく(なんてことも……?)
しずく(きゃーーー、ロマンチック〜〜〜!!)
※2 先日観た電車内での出会いから始まる初々しくもほろ苦い青春学園ラブストーリーの映画に多大な影響な受けています。 カタンコトン…カタンコトン…
しずく「………」
しずく「………」
しずく「………」
しずく「………」
しずく「………」
しずく「………」
しずく「………」
しずく「………」
しずく「………」
しずく「………」
しずく(暇〜〜〜〜〜!!!!!)
※3 やがてこの時間は、台本を読み込むという彼女にとって大切で大好きな時間になっていきます。 しずく「……」
しずく(駅に着いたーーー!!!!!)
しずく(わー、東京だー)
しずく「………」
しずく(東京だー)
「あのー」
しずく「ひゃっ、はい!?」
「今無料体験やってます〜どうぞ〜」
しずく「あ、ああ、どうも……」
しずく(塾のパンフレットと消しゴム配るやつだった)
しずく(びっくりしたぁ……)
しずく「……」テクテク
※4 数ヶ月後、この駅で彼女はまたも知らない人に声をかけられることになりますが、そのとき声をかけてきたのはスクールアイドルファンの他校生でした。 しずく「……」
しずく(学校着いたーー!!!)
しずく(わぁ、何回か見てるけどやっぱり校舎おっきい〜)
しずく(毎日見てたら慣れてくるのかな)
※5 逆に部活の関係で他校に行く機会があると、校舎ちっさ……と思うようになります。 しずく(せっかくだし見てまわっちゃおうかな)
しずく(本校舎……は、入れる?のかな?もしかして入れなかったりして……)
しずく(まあ、学校始まったら最初に行くだろうし、今日は行かなくていいよね)
しずく(じゃあ、部室棟?)
しずく(部活やってるところ、いろいろ見れちゃうかもっ!)
しずく(よーし!全部回っちゃうぞー!)
〜間〜
しずく「………」
しずく(無理だ……)
しずく(ここどこ……)
※6 そもそも春休み期間なので文化部はあんまりいませんでした。 しずく「ふぅ……」
しずく(歩くの疲れちゃった、どこか休めるとこないかな)テクテク
しずく(あ、こんなところにベンチ……が……)
しずく「………え……」
「…………すやぁ………」
しずく「………」
しずく「………」
しずく「ね、寝てる……」
しずく「………」
「……………すやぁ…………」
しずく「………」
しずく「………」
しずく(寝てる〜〜〜!!!!!)
※7 彼女は、この出会いを一生忘れません。 どういうことだってばよ?
普通は入学初日から使える定期を購入しないか?電車なら尚更
春休み? ましてや学生証がなかったら定期作れなかった記憶
春休みに購入は尚のこと無理じゃないか? /)
///)
/,.=゙''"/
/ i f ,.r='"-‐'つ____ こまけぇこたぁいいんだよ!!
/ / _,.-‐'~/⌒ ⌒\
/ ,i ,二ニ⊃( ●). (●)\
/ ノ il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
,イ「ト、 ,!,!| |r┬-| |
/ iトヾヽ_/ィ"\ `ー'´ (粗がでまくっててすみません…学割定期券の作り方完全に忘れてました)
(お、お父さん仕事行った後だったんで……) 「……んぅ?」
しずく「あっ……」
「……ん〜?」
しずく(目が合っちゃった……どうしよ……)
しずく(目が合っちゃった!!!)
※8 この2人はこの場所で唇も合わせることになります。 「おはよぉ〜」
しずく「あ、お、おはようございます」
「……一緒に寝る?」
しずく「えっと、寝ません」
「……んん、ざんねん」
しずく(なんだこの人……)
※9 将来的には一緒に寝ます。 「おや、そのリボンの色、新1年生?」
しずく「あっ、はい!そうです」
「そっかぁ、入学おめでとぉ〜」
しずく「あ、ありがとうございます……」
「あれ?でも今日って1年生なにか用事あったかなぁ?」
しずく「いえ、その」
しずく「……電車通学なんですけど、学校始まるまで、待ちきれなくて……///」
しずく「///」
しずく(なんかすごい浮かれてる子みたいで恥ずかしい///)
※10 なんかすごい浮かれてるのは事実です。 「ふふっ、かわゆいのぅ」
「まだ15歳だもんねぇ、高校生になるってなったら誰だってウキウキしちゃうよ」
しずく「……16歳ですよ」
「えっ」
しずく「正確には、今日なったんですけど……」
「………」
「誕生日じゃん!!?」
しずく「あはは……」
※11 この先輩にとっては今までなんの記念日でもなかった4月3日ですが、次の年からは何よりも大切な日になりました。 「ちょ、ちょーっと待ってて!」
しずく「え!?あの」
「そこにいて〜〜!」
しずく「あの……」
しずく「………」
しずく「ええ……」
※12 6分くらい待たされました。 「はぁ、はぁ、おまたせ〜」
「はいこれ、あげる」
しずく「え?」
「カップケーキ♪間食に食べようと思って作ってきたやつだけど、誕生日プレゼントってことで、ど〜ぞ」
しずく「えっ!?いやそんな、悪いですよっ!」
「いーのいーの、これも何かの縁だもの、もらってもらって〜♪」
しずく「……ありがとうございます」
「うんうん♪食べてみて〜」
しずく「……いただきます」
しずく「……はむっ」
しずく「わぁ!!おいしいっ♡」
「ふふ、それは良かったぁ」
しずく「あむっ……ん〜♡♪」
※13 この先輩の誕生日、彼女はこの味を頑張って再現したカップケーキをプレゼントしました。 しずく「ごちそうさまでしたっ」
しずく「とても美味しかったです!今まで食べたカップケーキで一番ってくらい!」
「お〜、それは嬉しいなぁ」
「こちらこそ、美味しそうに食べてくれて、ありがとうねー」
しずく「いえ、そんなっ」
「……ふぃ〜、さてと、目も覚めたし、そろそろおべんきょに戻るとしようかなぁ〜」
「じゃあね〜、1年生ちゃん」
しずく「はい!ありがとうございました!」
しずく「……♪」
※14 去っていくあの背中に焦がれて、追いかけるようになるのはもう少し先のことです。 ──────
────
─
しずく(改めていろいろ回ってみたけど、ほんとに広いなぁこの学校……)
しずく(……さ、お母さんが家でご飯作ってくれてるだろうし、そろそろ帰らないと)
しずく(……それにしても、あの人……)
しずく(最初は変な人だと思ったけど、)
しずく(優しくてふわふわしてて、素敵な人だったなぁ)
しずく(……また、会えるかな)
しずく「………」
しずく「………」
しずく「ん?」
しずく「……って!!」
しずく(名前!!!!!聞き忘れてたーーー!!!!!!)
※15 わりとすぐ再会します。 カタンコトン…カタンコトン…
しずく「………」
しずく「………」
しずく(今日、楽しかったなぁ)
しずく「………」
しずく「………」
しずく「………」ウト…ウト…
しずく「………」
しずく「………」
しずく「……………すやぁ………」 乙、同好会に入る前の誕生日って新鮮で面白かった
※3エモくて好き、かなしずも見てみたいな ノレcイ´=ω=)良すぎるぜ...
続編も読みたいですね テンポ良くて明るくて注釈つけるスタイルが
くどくならないバランスでスパイスになってて面白かった!
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