歩夢「侑ちゃん、私鳥飼いたい」
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歩夢「侑ちゃん」
侑「うーん…」カリカリ
歩夢「侑ちゃん!」
侑「あ、歩夢」
歩夢「侑ちゃん、私いいもの見つけちゃった」
侑「何を?」
歩夢「ねぇ買ってもいい?」
侑「だから何を?」
歩夢「文鳥」 侑「文鳥?」
歩夢「私、まえからほしいと思ってたんだ」
歩夢」「今日駅前の鳥屋にこんなちっちゃな文鳥のヒナがいたの」
侑「うーん…鳥なんか飼ってどうするの」
歩夢「どうするって…」
歩夢「可愛いでしょ?」
侑「文鳥ってどんな鳥だっけ」
歩夢「ほら、真っ白で嘴だけ赤くて…」
歩夢「今日鳥屋のおじさんに聞いてきたの、ヒナのうちから飼えばすごく懐いて絶対逃げたりしないって」
侑「ふーん」 歩夢「ねぇ買って」
侑「めんどくさいなぁ、毎日餌あげたりするの」
歩夢「ちぇー、駄目なのかぁ」
侑「いくらくらいするの?」
歩夢「二千円だって」
侑「高いよ」
侑「第一そんなお金あるの?」
歩夢「ほんと言うと私もうずーっとパチンコやめてるの」
歩夢「ほら、パチンコやったつもりで二千円たまったんだよ」
侑「こいつ、ヘソクリしてたな」 歩夢「いけない…もうお店に行く時間だ…」
歩夢「あーあ…また酔っ払いの相手するのかぁ」
歩夢「侑ちゃん、この中にもやしとソーセージ入ってるからね」
侑「………」
歩夢「ちゃんと炒めて食べてね」
侑「駅まで送るよ」 スタスタスタ
歩夢「あっ侑ちゃん、言ってた鳥屋さん」
歩夢「おじさん、文鳥まだいる?」
おじさん「こりゃどうも」
歩夢「ほら、可愛いでしょ?」
侑「カゴはどうするのさ」
おじさん「これが千円で一番安いよ」
歩夢「いいの、初めは段ボール箱で」
おじさん「はは、まぁ電球を入れてやれば」
おじさん「餌はおまけだ」
歩夢「わぁありがとう!」
おじさん「まいど」 ────駅
歩夢「侑ちゃん、じゃあ私行ってくるね、帰ったら段ボール箱に電球入れてあげてね」
侑「うん…」
歩夢「今日も迎えにきてね」
侑「うん」
歩夢「それじゃあ」タッタッタッ
侑「……………」 侑「………帰るか」
テクテク
侑(帰ったら餌やらないとなぁ…)
テクテク
───────────
侑「ただいまー」ガラガラ
侑(誰もいないんだけど)
侑「………おっと」
侑「今出してやるから」ガサガサ
ピー!ピー!
侑「あはは」 侑「エサやらないと」ガサガサ
侑「………」スッ
ピー!ピー!
侑「お前はよく食べるなぁ」
侑「………はぁ」
侑「こっちも餌のしたくしなくっちゃ………」 侑「………」ングング
侑「………」ムシャムシャ
侑「うまっ」
ピー!ピー!
侑「鳥ってもやし食べるのかな」
ピーピー
侑「歩夢には内緒だぞ」スッ
ピピピピ
侑「あははっ」カチッ
侑「ふぅ…」スパー
侑「そろそろ迎えに行かないと」スクッ ───駅
侑「……………………」スパー
侑「……………さむっ」ポイッ
侑「……………………」グリグリ
侑「……………………」カチッ
侑「…………………ふぅ」スパー
侑「遅いなぁ…」 ガタンゴトン
ガタンゴトン
侑「駅員さん、今の電車で…」
駅員「そう、終電だよ」
侑「えっ……」
侑(どうしたんだろう…)
テクテク
侑(先に帰ったのかなぁ…)
テクテク
侑(着いた)
侑「あれ?」
侑(鍵が開いてる) ガラガラガラ
侑「ただいまー……って、え!?」
侑「歩夢!!!???」
侑「歩夢!!!!」ユサユサ
歩夢「…………んぅ」
侑「歩夢……!!!」
歩夢「んぅぅ……侑ちゃん…」
歩夢「はっ…!」
歩夢「いやぁ!見ないで!!」
侑「…………酔ってるの?」
侑「真っ赤じゃない」
歩夢「胸が苦しい」 歩夢「顔があつい……」
侑「飲めもしないくせに」
歩夢「仕方ないよ…お客さんとの付き合いなんだから…」
侑「いつもは絶対飲まないくせに…」
歩夢「今日は特別だったの!はじめて私を指名してくれたお客さんだもん…」
侑「もの好きな客もいるもんだ」
歩夢「その人、てんでカッコいいの、侑ちゃんと同い年で外車なんか乗り回しちゃってさ」
侑「ふーん、それで今まで一緒にいたんだ」 侑「こっちは駅で二時間半も待ってたんだよ!?」
歩夢「せっかく指名してくれたのに断れないよ…」
侑「車でどこ行ったの」
歩夢「新宿へ出て飲まされて、それから少しドライブしたの」
侑「どこまでさ」
歩夢「よくわからない、道が暗かったし…」
侑「少しくらい覚えてるでしょ!どの辺を走ったの!?」
歩夢「知らないってば!」
侑「へっ、あやしいもんだ」 歩夢「へんな言い方しないで!!!」
歩夢「そんなに私のことが気になるならはやくお店を辞めさせてよ!!」
歩夢「…………ほんの一時しのぎだって言ったくせに」
侑「……………………」
歩夢「おやすみ…」
侑「文鳥見ないの?」
歩夢「…………………」 ───二週間後
ピー!ピー!
パタパタ
歩夢「ほら見て侑ちゃん、もう窓をあけといても逃げたりしないでしょ」
侑「…………」カリカリ
パタパタ
チチチ
歩夢「あっこらチーコ、侑ちゃんのお仕事の邪魔しちゃ駄目だよ」
侑「はは、じゃれてんだね」 歩夢「私と遊んでよっか」スッ
チチチチ
歩夢「痛っ!」
歩夢「やだ…鼻毛なんか抜いて」
侑「ひゃー、女にも鼻毛なんかあるのか」
歩夢「痛い…」
侑「わーっ、やだな汚いよ」
歩夢「もぅ!侑ちゃん!」ポカポカ
侑「ウッヒヒヒ」キャッキャッ
歩夢「もぅ!あはは」 侑「あはははっ……あー」
侑「私達、チーコが来てからケンカしなくなったよね」
歩夢「チーコは幸せの青い鳥だね」
侑「あははは」
歩夢「あっ、そろそろお店行ってくるね」
侑「うん、頑張ってね」
歩夢「ありがとう」 ───────────
侑「ふぅー」スパー
ピーピー
侑「おっ」
侑「ほれほれ」
ピーピー
侑「バーァ!驚いたか」
ピピピ
侑「あはは」 侑「そうだ、絵を描いてやろう」
侑「私、絵を描くのが商売なんだぞ」
チチチチ
侑「ふふっ」カリカリ
パタパタ
侑「あっ、動いちゃ駄目」スッ
侑「………」カリカリ
ピーピー!
侑「こらっ!動くなというのに」 侑「あっそうだ…!」ガサゴソ
侑(ハイライトの箱の下を切って……)チョキチョキ
侑(詰めてっと……)ギュム
ピー!ピー!
侑「ははは、しばらく辛抱しろ」
侑「顔を描くだけだから」カリカリ
侑「ほら出来上がり!」 侑「今出してあげるからね」
侑「……………」ジー
侑(ちょっと面白いな)
侑「それっ!」ポイッ
ピー!ピー!
シュルッ
パタパタ
侑「おぉ!うまい!」 侑「もう一度!」ギュム
侑「高い高い!」ポイッ
ピー!ピー!
ピー!ピー!
ドサッ
侑「あわわ!」
侑(やばい…!)
ピピ…ピ
クェーッ
………………
侑「あ……あっ………!」
侑(どうしよう………)
侑(やっちゃった…)
侑(……………庭に埋めておこう…) ───翌朝
侑「本当だってば!」
歩夢「……………」ザッザッ
侑「まだ疑うの?」
歩夢「信じられないよ」
歩夢「私がチーコをあんまり可愛がるから、きっとヤキモチ焼いて殺したんだよ」ザッザッ
侑「そんなとこ掘ったっているもんか」
歩夢「おかしいもん、鳥は鳥目だから夜に逃げたりするはずない」 侑「………そこは隣の庭だからあんまり掘り返すと叱られるよ」スタスタ
侑「…………………」ガラガラ
歩夢「はぁ……」
歩夢(本当に逃げちゃったのかなぁ……)ジーッ
─────────────────
歩夢「侑ちゃん!チーコいたよ!」ガラガラ
侑「えっ!?」
歩夢「ほら、こっち」 侑「あっ!?」
侑(私の描いた絵だ……)
歩夢「ね、本物みたいでしょ」
歩夢「チーコ……」
歩夢「……………」
侑「歩夢……」
ピュー
ヒラヒラ
侑「あっ!」
歩夢「あっ待って」
ピューーーーーーーー
歩夢「チーコ、チーコ」
完 このゆうぽむは心の中のぽむが反応してくれない...
 ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ブロロロ…
 ̄ ̄ ̄|│ ̄│□□ │ ̄ ̄│□□□--||
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━━━ ..| │ ̄ ̄ │ │ . ||
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∈口∋ ̄_l__l⌒l_|______|_l⌒ l__.|| ≡3
 ̄ ̄`ー' ̄ `ー' `ー' `ー' おつでした。カプ的じゃないかもだけど、こういうのもSSっぽくて好き。また書いてくれたらうれしい 鳥を飼うというのでてっきり(・8・)が出てくるのかと思った。 全体的な雰囲気は好きだけどタバコの箱で何したのかわからなかった これ元ネタで実話なのは書生の文鳥を上に投げて遊んでたら落として殺してしまったって部分だけなのが草生える 夏目漱石はイギリス留学で頭おかしくなってからちょいちょいぶり返すからしゃーない ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています