曜「FAMILIAR」
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舞台が沼津なので。
映画「ヤクザと家族」と曜千歌のクロスです。ネタバレ含みます。 〜2019年沼津〜
曜「……誰だろ?あそこ私の釣りスポットなんだけどな〜」
トコトコ
曜「こんにちは〜釣れてますか?」
山本「……」 曜「あれ、釣り竿無いんですか?」
曜「友だちが来るまでですけど、使います?」
山本「俺に構わないほうがいい。ごめんな、直ぐにどくから」
曜「まあまあ」
曜「おじさ…おにいさんは県外の人ですか?」
曜「このスポットを見つけるとは、なかなかのツウでありますな!」 山本「市内出身だよ……」
曜「通りで!!じゃなきゃここはなかなか見つかりませんから!」
曜「さてと、釣れると良いな〜」
山本「やっぱり大丈夫、ありが……」
曜「なにか悩んでたりするんですか?」
山本「…は?」 曜「勘違いなら良いんですけど」
曜「下手な知り合いよりも、行きずりの女子高生相手の方が案外いろいろ喋れちゃうかもしれませんよ」
山本「女子高生…」
曜「はい!あの山の上の高校に通ってるんです」
山本「そっか……」 曜「おにいさんが喋らなくても私がしゃべるから大丈夫ですよ」
山本「(なにが大丈夫なんだ)」
曜「お兄さんは娘さんはいますか?」
山本「……いる」
曜「じゃあスクールアイドルって知ってますか!?」
山本「ごめん、最近の流行とかは疎くて」 曜「そうでありますか…娘さんも知らないかな〜」
曜「高校生の部活なんですけど、自分たちで曲や衣装を作って、歌って踊ったりするんです!」
曜「携帯持ってます?」
曜「持ってなくても私の見せますけど!」
曜「ほらほら!!」
山本「(グイグイ来るなこの子)」
曜「これが私達です!」
山本「あくあーず?」
曜「ははは、読めないですよね!アクアって読むんです!」 曜「この真ん中の娘が千歌ちゃん!幼馴染です!」
曜「千歌ちゃんが誘ってくれて始めたんです。嬉しかったな〜」
曜「あ!ちなみに今日一緒に釣りの約束してる子です!」
曜「その釣り竿は千歌ちゃんが自分の釣り竿をなくしてたとき用の!」
山本「なんか…眩しいね」
曜「あ、輝き出ちゃってます?!」
山本「…うん」
山本「彩もきっと気に入ると思う」
曜「彩ちゃん?娘さんですか」
山本「…うん」
曜「いまいくつなんです?}
山本「14歳だね」 曜「あー!じゃあ一緒にスクールアイドルできない!」
曜「高校はいる時には私卒業してる!!」
山本「もう今は沼津にいないと思うから…」
山本「君とは結局一緒にできなかったかも」
曜「え?一緒に暮らしてない…」
曜「な、なんでもないです!ごめんなさい変なこと聞いちゃって!」
山本「いいよ。全部俺が悪いんだ」
曜「……え?」 その映画知らなかったけど沼津が舞台なのか
観てみようかな 千歌「曜ちゃんおまたせ!いや〜久しぶりだから釣り竿なかなか見つからなくって〜えへへ」
曜「あ、千歌ちゃん!」
千歌「んん!?」
千歌「こ、こんにちは?」
千歌「曜ちゃん、この綾野剛そっくりのイケオジさんは…?」
曜「今釣り仲間になったおにいさん!」
山本「なってない」
曜「え〜〜」
千歌「そっかそっか〜私高海千歌!近くの旅館の娘です!」
山本「旅館?十千万?」
千歌「え、しってるんですか?」
山本「女将さんは元気?」
千歌「は、はい!お母さんは最近東京にいるけど元気ですよ!」
山本「そうか。良かった」 山本「じゃあ、俺は行くよ。邪魔して悪かった」
曜「ダメです!」
山本「は?」
曜「まだ全然時間ありますよ。一緒に釣りしましょう!」
千歌「そうですよ!せっかくの出会いですし」
山本「知らない大人の男性に対して、君たちは警戒心がないな…」
山本「俺が元ヤクザって聞いても、そんな明るくいられるか?」
千歌「やくざ?ってダイヤちゃんちのこと?黒澤家?」
曜「千歌ちゃん、それはダイヤさんちに失礼…いや、この発言もおにいさんに失礼?」
山本「黒澤水産の黒澤のことならヤクザじゃないよ……」
山本「あの家はまっとうに街を仕切ってる」 千歌「まあ、ヤクザって怖いイメージはあるけど」
曜「そんなの関係ないですって!少なくとも釣りしてる間は!」
千歌「イレズミ…とかあるんですか?」
山本「君グイグイ来るね」
山本「あるよ」
曜「あ、本当だ。結構ガッツリはいってますね」
山本「君は胸元を覗き込んでくるな」
曜「おにいさん、結構鍛えてますね」
曜「『武闘派』ってやつですな!!」
山本「……はあ」
山本「…昔は十千万の温泉も親父やアニキと行ったけど」
山本「もう入れてもらえないだろうな」
千歌「あ〜イレズミお断りは書いてありますね」 山本「イレズミ関係なく、宿泊施設が元ヤクザなんて入れたら」
山本「営業処分とかもあり得る」
千歌「え、でももうヤクザじゃないんですよね」
曜「せっかくやめたのに温泉もはいれないなんて」
曜「厳しいんですね」
山本「ヤクザ抜けて5年間は」
山本「条例でヤクザ扱いなんだ」
曜「やくざあつかい?」
千歌「なにか困るんですか?」
山本「銀行口座も作れない。携帯も契約できない」
山本「家も当然借りられない」 曜「またまた〜」
曜「それは盛ってるでしょ!」
千歌「生活できないじゃん!」
山本「生活できないんだよ」
曜・千歌「……」
山本「それどころか、元ヤクザなことを黙って家を借りられたとしても」
山本「ばれたら追い出される。貸した人も罰則があるかもしれない」
山本「生きてちゃダメなんだよ」
千歌「……それって」
千歌「ヤクザだったら変わりたいと思うことすら……」
曜「許されないってことですか?」
山本「俺もわからないよ」
山本「でも……」
山本「そういうことなんじゃないか」
曜「そんな……」 山本「俺のせいで、昔の仲間も仕事を失った」
山本「愛した人も、実の娘も居場所を失った」
曜「あ……」
山本「俺といたら、きっと君たちにも迷惑を掛ける」
山本「俺と会ったことは、忘れろ」
曜「……おかしいですよ。だって、良くないと思ったからやめたんですよね?」
曜「なのに、そんな扱いって……」
山本「曜ちゃんだっけ?」
山本「ありがとう、でもそれ以上は言わなくていい」
山本「俺たちを肯定するようなこと、言っちゃダメだ」
山本「それだけの扱いを受けても仕方ないことを、俺達は…」
山本「俺はしてきたんだ」
千歌「おじさん……」 山本「この釣り場、俺の昔の仲間もおすすめって言ってたんだ」
山本「俺達の環境はこの14年間で大きく変わった」
山本「でも……」
山本「こういう変わらない、見慣れた景色や場所って、良いな」
山本「じゃあ、行くよ。釣り竿ありがとう」
山本「さいごに、色々話せてよかった」
千歌「さいご……?」
曜「おにいさん!!」
山本「…ん?」 曜「また、たまたまここであって!たまたまここで釣りしましょう!!」
曜「帰る場所はここ!地元愛(じもあい)ですよ!地元愛!」
千歌「じもじも!!」
山本「ぷっ…」
山本「なんだよその踊り」
千歌「笑った!!おじさん笑った!!」
曜「……またね、おにいさん」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
テレビ「…………遺体で見つかったのは、元暴力団組員の山本賢治さんと思われ、昨夜の殺人事件にも関与していると思われます。警察は指定暴力団間の抗争の可能性も視野に入れ、殺人事件として捜査を進めています」
曜「………」
曜母「あら…物騒ね」
曜母「昔はよく商店街を今は暴力団?っていうのかしら。が歩いていたりしたけど」
曜母「最近は見ないと思ったら、やっぱりいるのね」
曜「おにいさん……?」
曜母「曜?なにかいった?」
曜「う、ううん!なんでもない!ごちそうさま!」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
千歌「あのときのおじさんだよね…」
千歌「あのニュース」
曜「うん」
曜「多分…間違いなく……」
千歌「やっぱり、悪い人だったのかな」
曜「どうなのかな」
曜「わからないね……」 千歌「ねえ曜ちゃん」
曜「なに。千歌ちゃん」
千歌「『悪い』ってなんなんだろうね」
曜「うーーん、それもわからない」
曜「でも…」
曜「簡単にわかるもんでもないと思う」
曜「生まれも育ちも」
曜「きっとおにいさんと私達はまるで違ったんだと思う」 曜「だから、おにいさんの『正しい』とか『悪い』と」
曜「私達の『正しい』と『悪い』も違うだろうし」
千歌「そっか」
千歌「じゃあ、一緒に考えよう」
千歌「考えなきゃいけないんだと思う」
曜「うん…そうだね」 千歌「あれ…」
千歌「あそこ……」
千歌「花がおいてある」
曜「煙草も置いてあるね」
千歌「おじさんの知り合いかな」
曜「たぶん」
千歌「そっか……」
千歌「良かったね……おじさん」
曜「うん」
曜「…また、釣りに来るよおにいさん」
曜「じゃあね」 曜「…ねえ千歌ちゃん」
千歌「どうしたの、曜ちゃん」
曜「おにいさんが言ってたこと覚えてる?」
千歌「変わらない場所って良いなって言ってたこと?」
曜「うん」
曜「私達が知らない沼津を、おにいさんは生きてたんだよね」
曜「でも、ここみたいに昔からずっと変わらない場所も合って……」 曜「きっと、沼津は…内浦は、もっと変わっていくよね」
千歌「……うん、そうだね」
曜「私達は、変わらずにいられるのかな」
曜「それとも、変わっていかなきゃいけないのかな」
千歌「多分、変わらざるをえない…のかな」
曜「だよね」 曜「行こうか。ごめんね、変なこと言っちゃって」
千歌「ううん、なんとなく私も似たようなこと考えてた」
曜「千歌ちゃん」
千歌「なに、曜ちゃん」
曜「ずっと、友達だよ」 千歌「変な曜ちゃん」
千歌「当たり前じゃん」
千歌「変わらないよ」
千歌「それはずっと」 >>11
めちゃくちゃ沼津なので、ライバーは見ていて「ああ、ここね!」ってなる場所が多いです。
現代沼津において、「よくここまでサンシャインを隠したな!」って思いましたね。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています