海原雄山「なお今回の至高のメニューは、すべてこの天王寺璃奈が料理した」山岡「なにっ」
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璃奈「……一生懸命、作った。璃奈ちゃんボード『むんっ』」
かすみ「ちょっとぉ。パンを焼いたのはかすみんなんですからね!」
彼方「まあまあ、落ち着きなよかすみちゃん。困ったときはすやぴだよ」
エマ「寝ちゃだめだよ彼方ちゃん……」
雄山「あらためて紹介しよう。この四名が、今回の至高側の料理を担当したQU4RTZのメンバーだ」
QU4RTZ「「「「よろしくおねがいしまーす」」」」 山岡(雄山に紹介された四人が、座敷の上座ではしゃいでいて微笑ましい)
山岡(が、それはそれとしてなぜだ……?)
山岡(確かにりなりーは紫色の変な物体を出してくるようなタイプではないし、今回のお題『QU4RTZ主催のホームパーティで提供するメインのコッペパン料理』を考えれば、当人に作らせるというのはまったく無い選択肢というわけではない)
山岡(だがその場合でも、QU4RTZには彼方ちゃんという料理上手がいるし、あえてりなりーにメインを任せる必要性はないはずだ)
山岡(なぜ雄山は、メンバーの中でも特別料理が上手いわけではないりなりーを、この究極対至高の対決のメインシェフに……?)
山岡「雄山、何を企んでいる――!」
雄山「ふはははは。ではさっそく審査員の皆さまに、璃奈の手料理をご賞味いただこう」ファサッ
栗田「こっ、これは――」 京極「これは――普通の玉子ロールにしか見えまへんな。海原先生。ほんまにこれで合ってはるんですか」
山岡「その通りだ雄山。玉子ロールは確かに人気商品ではあるが、パーティのメインでは肉や魚が好まれるというのは、洋の東西を問わず世界の共通認識だ。奇をてらうあまり、そんな基本的なことすら忘れたのか。見損なったぞ」
璃奈「悲しい。頑張ったのに……」シュン
栗田「ちょっと山岡さん、言い過ぎよ!」
山岡「だが考えてもみろよ栗田君。俺たちはスイスの隣国であるドイツから取り寄せたソーセージを使い、その他の素材も十分に吟味しつくした最高のホットドッグを用意した」 山岡「対して向こうはどう見ても普通の玉子ロールときている。これじゃ相手にならないよ。君だって並べられたらホットドッグの方を手に取るだろう?」
富井「ははっ。確かに僕も絶対にソーセージの方を最初に食べるね。こればっかりは山岡君の言うとおりだよ。第一玉子なんかじゃ酒は飲めないからね!」
雄山「いいだろう。では食べてみるがいい」
山岡「言われなくてもそうしてやるさ――はむっ」
璃奈「く、口にあうといいな……」ドキドキ 山岡「――!」
栗田「おいしい……! 素朴だけれどとても丁寧に作られていて、作った人の深い愛情が伝わってくるようだわ」
京極「ほんまですな。シンプルにうまい。優しい味わいや。せやけど――」
富井「うん、だけど普通っていうか……こりゃあ普通に美味しいとしか言いようがない、悪く言えば平凡な玉子ロールだよ。これなら僕は断然ホットドッグだね。あの肉汁、思い出すだけでまた腹が減ってくるあのガツンとした美味さ!」
山岡「……いや違う。そうか、そういうことだったのか雄山!」
雄山「ふっ」
栗田「どういうことなの山岡さん?」 エマさんの日本語は快楽亭ブラックくらい辿々しいのが理想だと思う 山岡「ああ。みんなりなりーのコッペパンを口に含んだとき、違和感を感じなかったか?」
かすみ「だから半分はかすみんのですっ」
栗田「言われてみれば、いつも食べている玉子ロールに比べると、食感がなにか違っていたような……」ハムッ
栗田「うん。やっぱりそうだわ。なんていうか、口触りがなめらかっていうか……」
山岡「その秘密はこれだ。パンの具材をよく見てくれ。特筆すべきはこの玉子の白身にある」
京極「あっ――ほんまや。こういう場合の玉子は荒くつぶすのが定石やのに、これは随分と綺麗にくだいてはりますな」
富井「ふむ。四角と三角と丸と、あとはうーん、王冠かなこれは? いったい何の意味が?」 栗田「そうか――違いますよ副部長。これはパンと羊と王冠、それから猫耳のついた電波のマークなんです!」
山岡「その通りだ。りなりーは玉子の白身をただ潰すのではなく、すべての形をこまかく整え、飾り包丁のように模様まで彫りこんでいった。他でもない、QU4RTZの四人のマークをね」
栗田「まさか! そんなとんでもない作業量をこなしていたらとても時間が足りないわ!」
璃奈「3DCADで図面を書いて、3Dプリンタで型を作った。押して、捻れば簡単な模様までは作れる。璃奈ちゃんボード『ドヤァ』」
富井「だ、だからといってこの対決の勝敗とは関係がないんじゃないかい? 美食って観点なら究極側だって全然負けてないじゃないか」
雄山「ふっ。そうではないことは士郎もわかっているようだがな。あれを見るがよい――!」
山岡「くっ――」 :
:
エマ「ほんとにボーノ。これなら毎日でも食べたいくらいだよ〜」
彼方「璃奈ちゃん、すっごく頑張ってくれたんだね〜。でもどうしてみんなのマークを?」
璃奈「うん。みんなと、それからパーティに来てくれるみんなが、これを見て楽しい気持ちになってくれたらなって。QU4RTZが開くパーティだから、みんなが一緒にいる印みたいなのを、お料理にも込めたいなって思ったの」テレテレ
彼方「もう璃奈ちゃん可愛すぎるよ〜。彼方ちゃんぎゅ〜〜ってしちゃう」
エマ「あー彼方ちゃんずるーい。私も。私も璃奈ちゃんのこと、ぎゅ〜〜」
璃奈「ちょ、苦し。でも……二人に美味しいって言ってもらえて、すっごくうれしい。彼方さんもエマさんも、大好き……」ギュギュギュー
:
: なんちゅうSSを書いてくれたんや…
なんちゅうSSを… 雄山「もうわかっているだろう、士郎。優しいお姉ちゃんと健気なロリッ娘。その三人が互いに想いあい、愛おしさがあふれて抱きしめあってしまう。これこそがQU4RTZ! これこそが尊さというもの!」
山岡「クソっ」
かすみ「ちょっと! かすみんだって間に挟まることくらいできるんですけどー?」
雄山「フハハハハ! 加えてこの広がりよ。ボケもツッコミもカバーできるポテンシャルの輝きを見るがいい!」
かすみ「かすみんをオチ担当みたいに言わないでくださいっ!」
山岡「だ、だが! 俺のホットドッグだって、きちんとエマちゃんの故郷を想定していたはずだ。もちろん他のメンバーのことだって」
雄山「だからお前は未熟だというのだ!」
山岡「なんだと?」 雄山「いいか士郎。そもそもラブライブの世界は女の子の世界。ならばそこで供される料理もみな女の子のためのもの。まして今回はQU4RTZという至高のグループなのだ。そこには清らかな空気だけが流れ、一片の穢れすら存在しない。この神々しい光景は、儂が今までに作ってきたどんな陶芸よりも価値がある!」
山岡「だ、だからなんだというんだ!」
雄山「つまり! そもそもコッペパンに挟むべき具材などというお題は、本質ではないということだ。あそこでくっつきあってはしゃいでるQU4RTZのメンバーたちを見るがいい。あのサンドイッチこそが芸術であり、あれが実現されてこそ、QU4RTZパーティのメインディッシュ足りえるのだ!」
栗田「はっ、そうことだったんだわ。私たち究極側に欠けていた視点は――百合!」 雄山「その通りだ。だというのにお前たちは、あろうことか猛々しくそそり立つソーセージなどというものをかすみのパンに挟んで提供した! お前は料理の素材などという一面的なことに拘るがあまり、QU4RTZの素晴らしさも百合の神髄も取りこぼし、結果、来客をもてなし、幸せな気持ちにさせるというパーティ料理の本質さえあっさり見落としたのだ! これを未熟と言わずしてなんと言う!」
山岡「そんな……俺は……俺は……」
雄山「うわはははは! もはや決を取るまでもあるまい。どちらが負けたのかなんて、本人が一番わかっているだろうからな。士郎よ。人を感動させられるのは、人の心だと何度も教えたはずだ。そこに寄り添えないお前に、料理のことも百合のことも語る資格はない。今すぐ立ち去れい!」
山岡「……おのれ、海原雄山っ!」ギリッ
栗田「仕方ないわ山岡さん。私たちは今回あまりにもノンケ視点に立ちすぎていた。ラブライブの世界に、そんな人間が存在するはずないのに……」 ホットドッグの発祥はアメリカだろ
エマの故郷関係ないやろ 雄山「まったく度し難い。この場にソーセージを選ぶような男の顔など見たくもないわ。汚らわしい。やはり男は野蛮で愚かよ」
山岡「次の対決を覚えておけよ、雄山――!」
雄山「ふん――ところで璃奈。以前の話なんだが、心は決まったか」
璃奈「うん、ごめんね……美食倶楽部に誘ってもらったのはうれしい。けど、今はみんなとスクールアイドルを頑張りたい……」
雄山「ま、待て。そんな申し訳なさそうな声を出すな。仲間と夢を追うのだろう? ならば相応しい態度というのがあるはずだ。私も芸術を志したときはそうしてきたものだ」
璃奈「! うん! ありがとう雄山さん。私たちがんばる!」 雄山「うむ。だが倶楽部には入らずとも、儂の工房にはいつでも遊びに来ても構わないのだからな。それから来週のライブ。仕出し弁当などの飲食関係は我が美食倶楽部が全面的にバックアップする」
璃奈「えっ……でもそれは、さすがに」
雄山「なに遠慮などいらん。子供は大人に頼るものだ。わっはっはっはっは」
璃奈「……わかった。その代わり、絶対ライブ成功させてみせるから。チケットも送る。よかったら見に来てほしい」
雄山「なっ、それは本当か! 中川! カメラだ! 業務用ハイビジョンカメラを大至急手配しておけ!!」
中川「お言葉ですが雄山様。実は孫が最近スクールアイドルに熱中していまして、そこで聞かされたのですが。なんでもライブでの撮影というのは、基本的に禁止されているそうです」 雄山「なんだと! こうしてはおれん! 中川、すぐお前の孫に会わせろ! 全員に詳しく話を聞かせてもらうぞ!」
中川「承知しました」
璃奈「あっ、みんな待って――って、行っちゃった……」
かすみ「ふぅ、なんだか大人の人がいっぱいでかすみん疲れちゃいましたよ」
彼方「そうだね。でもせっかくだから、作ったお料理はみんなで頂いていこうか。璃奈ちゃんの心を込めた料理、残すわけにはいかないからね〜」
エマ「賛成ー!」
璃奈「うん。みんなで、食べたい!」 【後日・ライブ後】
かすみ「みっなさーん、お疲れさまでしたー。今日のライブ、最高でしたね! もちろん一番はかすみんですけど!」
彼方「うんうん。みんなかわいかった〜。それにたくさんの人が協力してくれるおかげで、なんだか最近いろんなことが上手くいくねえ」
エマ「そうだね〜。でもこういうときこそ調子に乗っちゃいけないんじゃないかな」
かすみ「ちょ、エマ先輩? かすみんまだなんにも言ってないんですけど!? なんでこっちを見て言うんですか?」
璃奈「璃奈ちゃんボード『くすくす』」 かすみ「ちょっとりな子〜。今本気で笑ってるでしょ。いい加減かすみんにはわかるんだからね!」
彼方「ふふっ、そんなの彼方ちゃんだってとっくにわかるようになってるよー」
エマ「そうそう。表情だけじゃないもんね、想いを伝えるのって」
璃奈「あわわわわ、バレてる……?」
彼方「もちろん伝わってるよ〜。だけど、そういうのって悪いことじゃないよね?」
璃奈「うん……! だから私、協力してくれるみんなにもちゃんと伝えたい。ありがとうって」
エマ「たとえば?」 璃奈「う……たとえば、今度は私たちが、おいしいお弁当を作って、みんなに食べてもらう、とか……?」
彼方「あ、それいい。彼方ちゃん、ちょっと本気で美食倶楽部の人にお料理のこと聞いてみたかったんだ〜」
エマ「私も、ああいうプロフェッショナルな人たちの細やかな心遣いとか勉強させてもらいたいなあ」
かすみ「ちょっとちょっと、なんとなく良い話風の話題で流そうとしないでください! かすみんは笑われて怒ってるんですからねー!」
エマ「うふふ。ごめんね、ちょっとからかっちゃった。かすみちゃんがかわいくってつい」
かすみ「むぅ〜……許します」
彼方「ほーんと、かすみちゃんも可愛いんだから」
璃奈「……私は?」
彼方「言わなくてもわかるでしょ〜。ほら、おいで〜?」
璃奈「――うん!」ギュッ >>21
ありゃ、下調べ不足でした!
すいませんありがとうございます! エマ「あーずるい、私もくっついちゃお。あ、そうそう。それはそれとして明日早速みんなでお礼の料理の計画を立てようね」
かすみ「ふふーん。かすみんのおもてなしの心があれば、倶楽部の人たちだってすぐにめろめろなんですから――て、聞いてます? ていうかりな子また笑ってない?」
璃奈「笑ってない。璃奈ちゃんボード『きりっ」』
かすみ「絶対嘘だー。ああもうかすみんも混ぜてくださいっ! 仲間外れなんてずるいですよっ!」
璃奈「嘘じゃない。楽しくて笑ってるだけ。やっぱり私――みんなのこと、大好き」
彼方「彼方ちゃんも〜」
エマ「もちろん私もだよっ」
かすみ「はー、ほんとこの四人でいると怒る気なんてなくなっちゃいますね」 >>24
うわ設定回りガバガバで恥ずかしい……
ありがとうございます! 璃奈「じー……」
彼方「じー……」
エマ「じー……」
かすみ「な、なんですか一体」
璃奈「まだ聞けてない。私たちは言ったんだから、かすみちゃんの口からもちゃんと聞きたい」
かすみ「うっ。りな子、なかなか言うようになってきたね……」
璃奈「私は、かすみちゃんのこと、好きだよ///」
かすみ「…………か、かすみんだって。かすみんだって……」
かすみ「そりゃ…………みんなのこと、大切に決まってます……」プイッ
エマ「うふふ。かすみちゃん、それじゃまだ足りないんじゃないかなー」
彼方「そうそう。璃奈ちゃんは意外と欲張りさんだからね〜。ちゃんと言ってあげないと〜」 璃奈「……?」ジーッ
かすみ「……」
かすみ「だから……っ」
璃奈「うん」ドキドキ
かすみ「……」
かすみ「……」
かすみ「ちょっと……耳貸して」
璃奈「? うん」 かすみ「……」
かすみ「……」
かすみ「……」
かすみ「…………ん」チュッ
璃奈「!」
彼方「おお〜、ほっぺに」
エマ「きゃー、かすみちゃんだいたーん」 璃奈「り、璃奈ちゃんボード『ぷしゅー』///」
かすみ「こ、これでいいでしょ。お二人も満足ですよね?」
彼方「え、そんなわけないよねえエマちゃん」
かすみ「ちょ、ちょっとなんでほっぺ向けてこっちに来るんですか? あの、聞いてます?」
エマ「璃奈ちゃんだけになんでずるいよ〜。わたしたちたちも、ね?」
かすみ「もおおおおおおおお。この人たちはああああああああ」
おしまい。 >>31
せつ菜「乙です! A・ZU・NA3銃士の出番はいつでしょうか?!」 最近原作読み直した俺にはタイムリーなスレで良かった
栗田×雄山とか、割と尊いよね ソーセージは明らかに男根のメタファー
これを女子高生に咥えさせるのは性的搾取に当たる 俺のホットドッグという言葉の時点で意味深かよwと思ったらガチのメタファー扱いでワロタ
やはり美味しんぼSSに外れはないな 雄山のノリが1〜10巻あたりの初期美味しんぼやな、士郎を煽りに煽る感じが ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています